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『礼と節』を表現してみよう。
Part-5

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 話し方と、手紙やメールって、どう言う事?

 ですよね。疑問に感じて正解です。
 『礼』を欠く事がない、話し方で考えた事のように、書きましょう、という事です。

 ここでの手紙やメールの書き方は、作法に則ったものではありません。それは、後日、礼節の作法を掲載しますので、その時考えて見ましょう。

 手紙文で有名なのは、「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな馬肥やせ」が直ぐ浮かびます。徳川家康の家臣で、鬼作左と異名を持つ、本多重次が戦場から妻に送った手紙です。ご存知の方は多いと思いますが、知らない人の為に、少し紹介します。

 この手紙は、非常に簡潔にすべての用を足している事で有名です。長々と私の文章のように脈略もなく、読んだ後で疑問が残るものでもありません。

『一筆啓上』の一筆は手紙をしたためる意味で書かれていますが、妻にねぎらいの気持ちを表すため啓上という言葉を使っています。
『火の用心』は、折角築いたすべての財産や命まで奪う事になるので、注意を促しています。
『お仙泣かすな』と言うのは、息子の事です。泣かすなと言うのは、色々な意味があると思います。ひもじい思いをさせてはいけない、とも取れます。
『馬肥やせ』と言うのは、時代背景が馬の価値を表しているのだと思います。大切にしてほしいと願い事を書いています。
 たった18文字で、戦場から、家を守る妻に対して、必要かつ十分な心遣いが感じられる文章にまとまっています。

 私がこの手紙を例に挙げたのは、短いだけではありません。時代を考えると、男尊女卑真っただ中だったと思います。しかし、大切な家を守っている妻に対して、啓上と言う一つの言葉で、ねぎらいと感謝の心遣いが書かれてあり、戦場からという事で、自分も元気でいる事も伝えています。行き届いた手紙だと思います。

 今は、手紙を書く機会は、随分と少なくなりました。それでもビジネス文書を作成する機会はあると、思います。近頃は、辞職願までメールで済ませる人がいるようです。そんな時代になるのかも知れません。それでも、ちょっと気の利いた、相手を思いやる心のこもった一言を添えると、相手に良い感じを抱かせます。相手との良い関係を築くために、『礼節』があることは、聖徳太子の十七条憲法の初めに書かれています。

 年賀状の中に、たった一言自筆が添えてある事で、相手の心遣いと如才のない『礼儀』が伝わってきます。私は、なかなかそこまで手が回りません。少しでも近づきたいものです。
 今年、年賀状が来なかった昔の弟子、何かあったのかと心配していましたが、寒中見舞いが届きました。この寒中見舞いも如才のない『礼節』に適ったものだと思います。

 あまりにも、うまく書かれてあるので、相手に断りもなく、

内容を掲載します。
 『いつも、ブログ拝見して、勉強しています。
 さて、人生100年時代と盛んに言われる様になってきました。私も間もなく定年(笑)を迎えますが、次のステップをどう 生きようか・・・・
 今年は、日々研鑽したいと思っています!!』
 まず、何かあった事は、伏せています。これは、余計な心配をかけない、こちらへの心遣いでしょう。
 次に、このブログを読んでいる事を伝え、無視してませんよ。と言っているように聞こえ親近感を覚えます。
 人生100年時代と、私も古希が過ぎていますが、まだまだ元気でいて欲しいと、さりげなく琴線に触れる言葉をつづり、これ見よがしにならないよう、自分も定年を迎える歳に近づいたことを書いています。
 随分立派な大人になった事に、喜びを感じながら、この文章を書ける心があれば、第二の人生でも、活躍してくれるものと期待しています。

 初めに、話し方で考えたように、と書きましたが、話すように書ければ良いと考えています。口語文で書いてもいいですが、私が話すように、と言うのは、やたらと難しい言葉を使わない事が大切だと考えています。

 相手の知識や教養と競う必要はありません。文章と言うのは、難しい言葉を使うと、文言の意味の捉え方で、曲解される場合があります。このブログのように、言葉の説明を添える事が出来れば良いのですが、手紙やメールで言葉の説明など入れると、非礼になります。
 それよりも、誰もが分かり、一つの意味として理解できる言葉を選択した方が、良いと思います。要するに、小学生が読んで、十分理解できる言葉を使う事が、反って『礼節』に適った文章を書く事になると思っています。

 
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