その時の作法やしきたりは、ある程度知っておいた方が、その場になってうろたえる事もなくなります。
それでも、ちょっと気を付けて置きたい事もあります。
まず、言葉遣いです。参列と言う言葉は葬儀をイメージするというので、列席と言う人もいますが、これも相手に対する思いやりの一つです。通常は招く側が、「ご列席を賜り」などと使います。そして招かれた側は「よろこんで参列させていただきます」のように使う事が多いです。ただ、招かれた側が、「出席」と言う言葉を使っても良いと思います。
おめでたい席ですから、何もその場を引っ掻き回すような、暴露話はしない方が、『礼節』に適っています。
服装もその場に適した物がありますので、注意しましょう。あくまでも主役は新郎新婦ですから。こんなところで、目立つ必要はありません。
晴れがましい席ですから、粗相のないよう テーブルマナーや話す内容は、予め準備しておくのが『礼儀』です。
結婚披露宴に招待された場合は、ご祝儀を包むのが一般的ですが、この額は地域により、時代により、そして相手との関係により随分違います。招待されてから調べる必要があります。
ここでは、祝儀袋の種類と書き方のみ紹介します。
結婚用の祝儀袋というものがあります。
図での水引は赤と白のあわじ結びを書きましたが、結び切のものであれば、今は色々なデザインや色の物が売られています。
上に書く名前ですが、やはり左から一人の場合、連名の場合、序列がある場合は右が一番上で次に左に書いて行きます。連名の表記は4名以上の場合は、1名だけ氏名を書いて、その左横に「外一同」と書いて、中袋の中に全員の名前を別紙に書いて入れると良いでしょう。
では中袋の書き方です。表には「金〇〇圓」と漢数字で書きます。圓は、「円」と書いても構いません。
この裏書が重要です。ご祝儀を集計する人は、表書きよりも中の封筒を整理する方が多いと思います。表書きにも裏に金額を書く事が多いですが、書いてない場合もあります。そして何より、住所を確認しないとなりません。必ず、郵便番号住所を明確に書きましょう。これも相手に余計な手間をかけさせない『礼儀』です。
この中封筒の書き方は、表に金額も住所氏名を書く場合もありますので、間違いと決めつけない方が良いでしょう。
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結婚式以外にも参列する事があります。会社などでは神社で祈祷をお願いする事や、棟上げ式(上棟式とも)に参列する事もあると思います。
神社の場合は、参拝と言いますが、これにも作法があります。
少し、堅苦しいかも知れませんが、これも作法なので知っておいて損な事はありません。
神社に参拝する場合は、鳥居をくぐります。この時に真ん中を避けて、くぐる前に一礼します。この鳥居は結界を意味しています。簡単に言うと、俗世界との区切りです。
中に入ると手水舎(てみずしゃ)があります。よく龍などの口から水がでている所です。そこで手を洗い口をすすぎます。右手で柄杓を持ち水を入れて、左手を洗い、次に左手に柄杓を持ち替え、右手を洗い、もう一度右手に持ち替えて左手の平で水を受け口をすすぎます。もう一度その左手を洗って、最後柄杓を柄の部分を下にして水を流してから元の位置に返します。
本殿に着くまで参道は、やはり真ん中を避けて歩きます。真ん中は神様の通り道とされています。
さて、本殿についたら参拝です。
まず、賽銭箱に賽銭を静かに入れます。投げ入れないようにしましょう。そして、鈴があれず鈴を鳴らします。そして、深く二回礼をします。この時の礼の仕方は 最敬礼(直角礼)です。次に胸の前で手の平を二回打ちます。この時、お願い事や報告をします。そして最後に一礼をして参拝は終わります。帰る時も同じようにすれば良いでしょう。二礼二拍手一礼と覚えておきましょう。
鳥居ではなく、山門がある所がある場合は、やはり一礼しますが、胸の前で合掌して一礼して入ります。この時、男性と女性の入り方が違います。男性は左足、女性は右足で敷居をまたぎます。敷居は絶対に踏まないようにしましょう。
手と口を洗う作法は、神社と同じです。
参拝の仕方が、神社とは違います。賽銭を入れたら鰐口(わにぐち)[つるした綱で打ち鳴らす]を静かに鳴らします。ここまでは、神社と変わりがありません。鈴と鰐口が違うくらいです。お寺によっては参拝の前に鐘を鳴らす所もあります。
次に、合掌祈願し礼をします。そしてお焼香をする所もあります。焼香ではなく、線香を焚く場合、線香の火は息を吹きかけないで手で扇いで消します。
写真のような焼香をする場合は、親指と人差指、中指の三本で焼香(香木、香草を刻んだお香)をつまみ、額の前に掲げます。左手を添え、静かに香炉に落とします。回数は宗派によって変わるようなので、その都度聞く方が良いでしょう。
また、葬儀の場合は、人数の関係で焼香回数を指定される場合もありますので、よく聞いておくことが大切です。
葬儀に参列する場合気を付けておきたいのは、亡くなられた方の宗教により参列の仕方や不祝儀ののし袋の書き方が変わる事です。
表書きも色々な書き方がありますが、初七日までは「御霊前」墨の色は薄い方が良いでしょう。四十九日以降の法事では「御仏前」となります。これは知っておいた方が良いと思います。
神道での葬儀に参列する事は、稀かも知れませんが、知らないといけない事は、死に対する考え方が、神道と仏教では違うと言う事です。この事は専門家でもありませんし、思想ですので深入りする事はしません。と、言うより分かりません。
ただ、日本空手道髓心会は、神社で40年以上も稽古していますので、何度か宮司さんが亡くなられた時に参列した事があります。この時も、鳥居の中で葬儀は行われず、鳥居の外で玉串奉奠が執り行われました。
神道の場合は、鳥居の中での葬儀は行われません。
その時の不祝儀袋には「玉串料」と書いた覚えがあります。この場合は「御霊前」でも「御玉串料」でも構いません。
仏教と違うのは、数珠を使わない事です。これも『礼儀』ですから守る必要があります。
後は、焼香ではなく、玉串奉奠(たまぐしほうてん)を行います。
作法の順序は、次の通りです。ちなみに、玉串というのは榊(さかき)の事です。
(1)玉串を右手は上から左手は下から、両手で受け取り遺族に一礼します。
(2)玉串案(台)に近づき一礼、玉串を時計回りに回転させ立てます。この時右手は回転して手のひらを表に向けて根元を持ちます。
(3)左手を根元に下げ(左手の方)右手が玉串の中ほどを下から支えます。
(4)左手の人差指と親指の間に玉串の根本の先が来るように持ち替え、時計回りに玉串を回し、根元を玉串案(台)の方に向けて置きます。
(5)玉串を捧げたら二礼し、音を立てない拍手(しのび手)を二拍打ち、一礼します。
(6)少し下がってから、遺族に一礼します。
この玉串奉奠は、神事の場合は祭礼の時にも行いますので、知っておいて損はありません。
上記の他にも宗教が違う場合、例えばキリスト教の場合は、御霊前でも構いませんが、御花料と書く場合もあります。それぞれのしきたりに合わせるのが『礼儀』と言うものです。
結婚式と葬儀を同じ所に書く事に躊躇しましたが、『礼節』の作法を知るために勇気を奮って書きました。