洋室が当たり前の世の中になりましたが、洋室についての作法は習う事も少ないと思います。
今回は、その当たり前の洋室での振る舞いで、気を付けたい作法と言うよりマナーと言う方がピッタリきますので、マナーを考えて見ます。
すでに 立礼で紹介していますが、これが洋室で相手に対して挨拶をする礼の仕方です。
挨拶をするタイミングは、和室と同じです。案内する人がいた場合は、入室してから椅子を勧めらると思います。その時は座って相手を待っているのですが、合う目的の人が入室された時には、椅子から立ち上がってご挨拶をするのも、和室で座布団から下りて挨拶するのと同じです。
洋室の場合の上座下座は、目次の3.座席の順序に書きましたが、扉に一番遠い所が上座になります。訪問した場合は、席を勧められますのでその席に座れば良いでしょう。また、案内した人が席次など無頓着の人がいるかも知れません。そんな時は、扉の近くにいる方が無難です。
アーク出版,土田萬里子 でじじ発行/パンローリング発売 2009-02-02
|
「プロトコールマナー」と呼ばれる国際標準マナーが存在する事を知っていますか。ようするに、世界共通のルールとして定められているとの噂があります。これも、聖徳太子の十七条憲法と同じで、文化や宗教が違っていても和やかに交流できるために定められたのでしょう。
最初に部屋に入る為には、案内する人がいない場合、普通ノックをします。無造作にノックをしないで入室するのは『礼儀』知らずで、評価はきっとバツでしょう。
では、何回ノックすれば良いのでしょう。
私は、「プロトコールマナー」がある事さえ知りませんでした。ですから、映画などを見て、自分の感覚から3回くらいが良いかな、くらいの認識でした。
相手が上司やお客様のような人の部屋に入る時には、4回が相応しいとされているそうです。私的な感覚ではちょっと多いような感じがしますが、これが世界標準ですから覚えた方が良さそうです。
ノック回数が2回と言うのはどうでしょう。これが何と、トイレでのノックのルールだそうですから、面接の時に2回は、やっぱり失礼でしょうね。
親しい間でも、やはりノックは必要です。そんな時は、3回と決められています。これが一般社団法人日本プロトコール・マナー協会によると世界標準だそうです。
就活などでは、3回が適当と書いてあるものもあります。しかし、もし世界標準が決められているとすれば、日本だけが独自路線を行く必要などないと思います。
和室の場合は特有の文化ですから、固執しても良いと思います。外国の映画で和室がでてくるものがありますが、どうも合点の行かない描写があります。
「不易流行」と言う言葉は、何度か「髓心ブログ」でも使いました。変えても良い物、変えないといけない物があるのが時代の流れです、しかし根底に変わらない本質がある事も忘れないようにしたいものです。
ドアが半開きや全開にしてある場合も、一応ノックをして入室の許可を得るのが『礼儀』に適うと思います。
世界標準と言っても厳格に決められている訳けでもなさそうですから、冠婚葬祭のマナーが、それを執り行う業者などにより、ビジネスの戦略として広められたのと同様の作法かも知れません。
『礼儀』や『マナー』と言うものは、元来人と人とが平和に暮らすための智慧ですから、皆がそういうルールを共有すると常識になりますので、疎かにする必要もありません。
『礼節』については、知っている事は必要ですが、相手に強要するものでもありませんし、知らないからと言って相手を軽はずみに非難する事も、教養のなさを披歴するようなものである事を、肝に銘ずる事が大切だと思っています。
そしてどんな場合にでもしてはいけない座り方は、ふんぞり返ったように座る事です。相手に敵意があろうがなかろうが、喧嘩を売る意思があるなら別ですが、なんとも『非礼』に移ります。
今、喧嘩を売るなら、と書きましたが、もしその場で攻撃を受ければ、そんな座り方をしていて、咄嗟に対処する事もできません。ですから、脅しや脅迫の類は別ですが、何の効果もありませんから、ふんぞり返って座る事だけはやめた方が良いと思います。身体にも悪いですし、腰も痛めます。
ただ、腕を組むのは国際的にも悪いマナーとされていますの避けた方が良いですね。もちろん、机に肘をつく事も同じです。
『礼節』については、以前にも書いていますが、全国津々浦々共通の物がなかなかありません。だからと言って、何でも好き勝手にしていると、自らの立場を失ってしまう事になりかねません。
自分の置かれている環境、例えば会社、あるいは業界での作法やしきたりに精通する必要がありそうです。
これも、社会的な動物の宿命であり、ジレンマかも知れません。