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文章の青字で記述したものは、現在、日本空手道髓心会で行っている方法です。しかし、これも全日本空手道連盟の指定の方法がありますので、これに従って練習しているのが実情です。これについては、記述していません。 なお、緑字で記述したものは、原点に戻した方が合理的と思われるところです。 昭和10年当時まだ立ち方、受け方、突き方の名称が定まっていなかったと思われる記述があります。この場合も現在の方法として、青字で書く事にします。現代文にしても意味が分かりにくい部分については、赤字で追記するようにしています。同じく、写真(『空手道教範』にある)を参照の部分については、赤字文章で分かるように追記しています。『空手道教範』に掲載の写真は著作権の関係もあると思いますので、載せていません。 |
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十手-14~24
前回は、十手の前半を載せましたが、今回は後半です。前半は、 十手前半を参照してください。
14.その位置で、ユックリ両拳を下すと同時に、顔を正面(第二線の右方)に、足を伸ばし、平安初段用意の姿勢(足の開き方が少し広く)となる。
『髓心会では外八字立で立ちます。』
15.その位置で、顔を右(第二線後方)に向け、右足を屈して前屈の姿勢となると同時に、右手を開いて右へ出し(手甲右向肘を曲げて)、左拳を腰にとる。
(注)右手は物を掴もうとする形。騎馬立二段(13)の足が前屈になった姿勢である。 鉄騎二段後半
『ここで言う「右へ出し」の右は、身体の向きの前方と言う意味です。』
『髓心会では、手は素早く出しています。鉄騎二段の場合は、ゆっくり動作をしています。また、鉄騎二段の場合は中段を掛手で掴みに行っていますが、ここでは、上段の位置に手を出しています。』
16.姿勢そのまま、右手を(形はそのまま)膝頭より15cm程上まで下すと同時に、左手(右手同様、開いて四指を揃え、手甲左向)を右手のあつた位置まで伸ばす。
(注)左右の手は垂直な一直線上にあるよう。敵が棒をもって打ち込もうと構えた瞬間両手でこれを封じたのである。組手篇武器と空手の章参照。
『「組手篇武器と空手の章」と言うのは、「空手道教範」の第四編組手 第十章武器と空手 第九 第十 第十一 第十二 第十三 第十四のことです。十手に関係する部分は、この内、第十、第十一に見ることができます。』
『この時の左手は、右手のあった位置、上段に向かいます。』
(注)(16)と反対の姿勢になる。敵の棒を押戻しながら敵の鼠径部に踏込んだところ。
★(16)と反対になる動作は、(17)の写真の左側です。
18.左足そのまま、右足高くあげ、左手を左肩上に、(17)の反対に右手を左脇に取ると直ぐに、右足踏込み(前屈)右手を右膝頭上約15cmの処に、左手は肩の高さに押出す。(16)(17)の繰返しである。
★写真では(18)の動作になります。
上体少し右に傾けよ。
(注)右肘曲げ右拳は頭の高さ、左肘は伸ばし左拳は左腿より約15cm離す。平安五段の最後の姿勢及び観空(19)の姿勢と同じ。
平安五段後半 観空大序盤
『髓心会では、この部分は後屈立で立っています。』
20.足の位置そのまま、左膝を屈し、右膝伸ばすと同時に、顔を右方に振向け、左拳にて左方上段受け、右拳にて右方下段受け。
(注)(19)と左右反対動作。
『髓心会では、この部分の立ち方は前屈立です。』
(注)平安初段(9)と同じ姿勢。この時まず右手を頭上にあげ、左拳を上げる時に左右の手首が十字を描く様にする事は平安初段に詳述している通り。
『両足を伸ばした立ち方です。』
『髓心会では前屈立で動作します。』
『両膝を伸ばしたレの字立、あるいは基立ち、又は歩幅の狭い撞木立ち、の何れかが原点に近いと思われます。原点に戻しても理論的に変わらないものと思います。』
22.左足そのまま、右足前進(第二線上前方へ)すると共に、左拳を腰に、右拳を額上に構える。(21)の反対動作。
(注)平安初段(10)を参照。 平安初段前半
『この部分も両膝を伸ばしたレの字立、あるいは基立ち、又は歩幅の狭い撞木立ち、の何れかが原点に近いと思われます。』
23.両足の位置そのまま、廻れ左して後ろを向くと同時に、左拳額上に上段受け、右拳腰に。
『髓心会では前屈立です。』
『この部分も両膝を伸ばしたレの字立、あるいは基立ち、又は歩幅の狭い撞木立ち、の何れかが原点に近いと思われます。』
24.左足そのまま、右足一歩進む(第二線上後方へ)と同時に、右拳上段受け、左拳腰に。
(注)(21)より(24)まで同じ動作の繰返しである。拳足の注意は平安初段を参照せよ。 平安初段前半
『髓心会では前屈立です。』
『この部分も両膝を伸ばしたレの字立、あるいは基立ち、又は歩幅の狭い撞木立ち、の何れかが原点に近いと思われます。』
(直れ)右足を軸としてユックリ廻れ左しながら左足を右足に引つけると同時に、(1)の用意の姿勢に復する。
『写真の左端に(直れ)として載せています。』
【参考文献】
・富名腰義珍(1930)『空手道教範』 廣文堂書店.
・富名腰義珍(1922-1994)『琉球拳法 唐手 復刻版』 緑林堂書店.
・Gichin Funakoshi translated by Tsutomu Ohshima『KARATE-Do KyoHAN』KODANSHA INTERNATIONAL.
・杉山尚次郎(1984-1989)『松濤館廿五の形』東海堂.
・中山正敏(1979)『ベスト空手7 十手・半月・燕飛』株式会社講談社インターナショナル.
・中山正敏(1989)『ベスト空手7 十手・半月・燕飛』株式会社ベースボールマガジン社.
・内藤武宣(1974)『精説空手道秘要』株式会社東京書店.
・金澤弘和(1981)『空手 型全集(下)』株式会社池田書店.
・笠尾恭二・須井詔康(1975)『連続写真による空手道入門』株式会社ナツメ社.