中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。
表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。
ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。
526. [慎][シン][つつし-む][画数:13画][部首:心]
『君子は独りを慎む』
「天知る、神知る、子知る、我知る」。元になる「後漢書」にはこうあります。一般的には「天知る 地知る 我知る 人知る」の方が有名だと思います。
要するに、君子でなくても、人のする事は皆お見通し、仮に誰も知らなくても、自分が知っているじゃないか。そんな意味の言葉です。
この『君子は独りを慎む』と言うのは、誰も見ていなくても、慎んだ立ち振る舞いをするのが君子と言う事ですが、君子に限らず、人はこうあるべきだと思います。
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527. [審][シン][画数:15画][部首:宀]
『博学審問』
今の学問はこのような詳しく調べて尋ねるようなやり方をしていると、時代の波について行けないのかも知れません。しかも、知識は思いのほか多岐に及んでいて、博学と呼べる程広くは勉強できなくなっています。
どちらかと言うと、学問は専門化が進んで、広く知識を得ようとするとどうしても、浅くなってしまうような気がします。
この言葉のように、学問や知識は、知るだけに止まらず、探求してこそ役に立つのだと思います。
学校の勉強ができたり、受験勉強のための勉強も少し変えて行かなければ、良い学校を折角努力して卒業できたとしても、習った学問が活かせる事もできなくなっているかも知れません。
すでに、そんな人もいるのではないでしょうか。
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528. [震][シン][ふる-う][ふる-える][画数:15画][部首:雨]
『地震 雷 火事 親父』
家庭でと言うより、世の中で通用していた言葉です。私の幼かったころには。
しかし、親父の威厳はいつの間にか無くなって、その影も無くなったような気がします。
親父はもともと山嵐で台風、暴風の事だったという説もありますが、どこにも出自が明らかにされていません。
案外現在では、暴風雨が親父に取って代わって引用されるかも知れません。
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529. [薪][シン][たきぎ][画数:16画][部首:艸]
『抽薪止沸』
この言葉、原因を探して、根本的な解決をする事ですが、正にこの言葉の通り、問題を解決しないとなりません。火種を残して置くと何時また問題になるか分かりませんから。
しかし、この原因究明が意外と難しい世の中になっていると思いませんか。
特に犯罪に関しては、近年手が込んできたと言うのか、悪知恵を働かす人が増えたのか、なかなか原因にまで行きつく事がありません。
人が変わったのか、それとも仕組みが複雑になったのか、人間はそれほど進化しているとは思えないのですが。
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530. [刃][ジン][は][画数:3画][部首:刀]
『道理に向かう刃なし』
そんな事ありません。と言いたいですね。道理に歯向かうから、犯罪が起こると思いますよ。
道理が解って、なお且つそれを破ろうとする人は、しっかり罰を与えないと、人間社会では異端分子になります。
しかし、この道理を教育せずに、常識だと言うのも如何なものでしょうか。
良い事は良い、悪い事は悪いと教えるのは、決して人権を軽く見ている分けでも無いと思うのですが、過保護もほどほどにしないと、結局本人が生き辛くなると思います。
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