中学校で習う漢字三体字典 Part107

スポンサーリンク

 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

531. [][ジン][つ-くす][つ-きる][つ-かす][画数:6画][部首:皿]

ことごとく書を信ずれば即ち書なきに如かず』

 特に最近の書物は、まず疑ってかかる方が良いかも知れません。インターネットで流れている多種多様な情報も同じです。
 この諺のように、書物は完全ではありません。その不備を評価する力がなくては、読まないのと同じだと言っています。
 しかし、間違いや不明瞭の部分を指摘できるのであれば、これほど人の功績を自分の資産として活用できる物もありません。
 それが解って書物を読む必要がありそうです。と、読書嫌いの私が言うのも変ですね。

楷書 行書 草書

532. [][ジン][画数:6画][部首:辵]

速果断』

 これはまず空手道を例にしてみましょう。
 如何に迅速に相手の攻撃を察知出来たとしても、それを瞬時に判断する決断力がなければ、宝の持ち腐れです。
 例えば、相手の左足で上段回し蹴りをして来たとしましよう。これを瞬時に判断して相手の中に入りながらこれを右手で受けて、左手で相手の上段を攻撃したとしたら、この察知した事が活かされた事になります。
 しかし、上段の回し蹴りを察知しても、どの手で受けようか、前に入ろうか、後ろに下がろうか、などと色々考えている間に、その回し蹴りが当たってしまいます。万一当たらなくても、次の攻撃が既に相手の間合いで入り込んで来るでしょう。
 これは判断力と言うより、条件反射で処理できるようにしておかなければ、役に立たないと思います。
 このように空手道を例に上げましたが、空手をやっていない人にとっては、「なんのこっちゃ」でしょう。
 では「幸運の女神は前髪しか無い」と言う言葉、聞いたことありませんか、「後ろ髪が無い」とも言いますね。
 こんな女神、みっともないです。私のように。しかし、チャンスはその時だけ、瞬時に無くなってしまうのも事実です。仕事にしても恋愛にしても、そのチャンスを活かさないと、二度と同じチャンスは巡ってこないと思うべきだと思っています。

楷書 行書 草書

533. [甚][ジン][はなは-だ][はなは-だしい][画数:9画][部首:甘]

『相撲甚句』

 「当地興行も本日限りヨ 勧進元や世話人衆 ご見物なる皆様よ いろいろお世話になりました お名残惜しゅうは候えど 今日はお別れせにゃならぬ 我々立ったるその後は お家繁盛 町繁盛 悪い病の流行らぬよう 陰からお祈りいたします これから我々一行は しばらく地方を巡業して 晴れの場所で出世して またのご縁があったなら 再び当地に参ります その時ゃこれにまさりしご贔屓を どうかひとえにヨー 願いますヨー」この句は巡業の最後の日に唄うものですが、歌うリズムと言うのか、どこか哀愁があり良い物ですね。
 最近怪我の力士が目立ちます。くれぐれも、興行である事を忘れないようにしないと、毎日15日間も本気で戦える方が可笑しいと思います。
 しかも勝たないといけないと思っている力士が、ルールすれすれの技を出す人も見かけます。相撲取りが強いのは良く知っています。
 強さより相撲の所作に則り、少なくとも作法ぐらいは守って欲しいと思います。

楷書 行書 草書

534. [][ジン][画数:10画][部首:阜]

中見舞』

 戦闘中の将兵を見舞う事を言うのですが、選挙の時にも陣中見舞と言います。
 また、多忙な人とか、受験生にも言うらしいです。
 楽屋やプロジェクトの現場など、人が沢山集まっている所が想像できます。
 時代が変われば、使う言葉も変わるのですね。
 選挙を戦いと、立候補者が言っているのを聞きますが、ちょっと違和感を感じています。
 確かに当選しなければ、役割を果たす事や、自分のやりたい政策も実現できません。ですから、立候補者にとっては、戦いなんですね。
 それでも、当選する事は、相手に勝つ為では無く、自分の政策を投票する人に訴えるのが必要で、他の立候補者に勝つための戦いではないと思うのですが。

楷書 行書 草書

535. [][ジン][たず-ねる][画数:12画][部首:寸]

『尺進退』

 1尺と言うのは、メートル法では約0.303mです。ひろと言うのは人が両腕を一杯に広げた長さが元になっています。普通1尋は6尺ですから、30.3cm進んで約181.8cm後戻りする事になります。
 ですから、この四字熟語は、「三歩進んで二歩下がる」と言う水前寺清子さんが歌った「三百六十五歩のマーチ」とは逆に、どんどん後退する事になります。
 何もしない方がましかも知れません。徒労に終わるってこういう事でしょうね。骨折り損のくたびれ儲けです。
 一歩も進まないばかりか、反って損失が多くなってしまいます。しかし、世の中にはこんな事は幾度も経験すると思います。
 特に先の見えない未来に対しては、仕方のない事かも知れません。
 一から出直し、と言うではありませんか、くじけずに、もう一度チャレンジですよ。

行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の531.~535.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【尽】皿部(べいぶ)・さら
  2. 【迅】辵部(ちゃくぶ)・しんにょう・しんにゅう
  3. 【甚】甘部(かんぶ)・あまい・カン
  4. 【陣】阜部(ふぶ)・おか・こざとへん
  5. 【尋】寸部(すんぶ)・スン

 ・・・・つづく。

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です