中学校で習う漢字三体字典 Part108

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 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

536. [][ジン][画数:13画][部首:肉]

『肝要』

 肝心要とも書きますが、心臓も腎臓も人間にとってとても大切な臓器です。
 この事を引き合いに出し、臓器とは全く関係ない事にも、この言葉は使われます。
 例えば「肝腎要の人が来ていない」などと、主役が欠席している時に言います。
 江戸時代のお医者さん、藪井玄亥翁の造語とも言われています。
 現在でもよく使うと思います。

楷書 行書 草書

537. [][ス][画数:12画][部首:頁]

『恵比

 恵比須と言えば、山手線の恵比寿駅を思い出します。現在の写真をインターネットで見ると、随分様変わりして、大都会になっています。
 私が知っている恵比寿の駅周辺は、そんなに発展していなかった印象があります。次の駅が渋谷ですから、そんな感じがしたのかも知れません。
 ただここで取り上げようと思ったのは、駅ではなく神様です。
 恵比須えびす・大黒・毘沙門びしゃもん・弁天・福禄寿ふくろくじゅ・寿老人・布袋ほていを七福神と呼んでいますが、その恵比須を「恵比寿・戎・夷」などの漢字で表される事があります。私が馴染んでいるのは、「戎」です。
 その「戎」を私の住む大阪では、昔から「えべっさん」と言っていました。十日戎の事も「えべっさん」でした。
 この十日戎は、「商売繁盛 笹持って来い」の掛け声が神社の境内に鳴り響く日です。
 なんと、この「えべっさん」、七福神の中で唯一日本出身の神だそうです。
 不思議なのは、釣竿を持ち鯛を抱えているのが「えべっさん」の象徴だったような気がします。元々大漁の神様だったようなので、時代を経て変わった来たのでしょう。
 恵比寿大黒と一括りに言う場合がありますが、この大黒さんが、打ち出の小槌を持ち、大きな袋を担ぎ、米俵の上に乗っている姿が思い浮かびます。こちらの方がお金持ちに縁がありそうですね。

楷書 行書 草書

538. [][スイ][ふ-く][画数:7画][部首:口]

く風枝を鳴らさず』

 そんな日が永く続く事を願います。それでも最近は何だか、ざわざわと枝が動いて風の音が聞こえそうな気配がします。
 この言葉は、世の中が平和な様子を表わす諺ですが、実際の暴風雨や突風で、まだ復旧できていない地域もあります。
 今回は新型コロナウイルスによって世界が混乱しています。
 政治だけ、戦争だけが平和を乱すとは限りません。
 それにしても、大阪のバスガイドの女性の感染は、検査をするのもお粗末な気がします。
 この女性は中国湖北省武漢市の人たちが乗る観光バスの、ガイドをしていたという風に聞いたのですが、感染していても症状がでていない、と情報が随分前に出ていましたから、素人の私でも他を疑う前に、真っ先に検査すると思うのですが。

楷書 行書 草書

539. [][スイ][た-く][画数:8画][部首:火]

『米を数えてぐ』

 そんな人はいないでしょう。いくら貧しくても。
 これは、無駄な事の象徴として米を数えると云ったのでしょう。
 ただ、現実には、こんな無駄な事、あるいは枝葉末節に気を取られて、本来のやるべき事を見逃してしまう事もあると思います。
 この言葉には、物惜しみすると言う意味も含まれているようですが、この物惜しみと言うのと、物を大事にするのとでは、雲泥の差があると思います。

楷書 行書 草書

540. [帥][スイ][画数:9画][部首:巾]

『三軍もを奪うべきなり 匹夫も志を奪うべからず』

 「子曰。三軍可奪帥也。匹夫不可奪志也。」論語子罕第九 25にある言葉です。
 色々な人が、色々な解釈をされていますので、一応出典を載せておきます。
 「集団は、大将を入れかえてもいい。個人は、意志をうばうわけにはいかぬ。」【出典:魚返おがえり善雄『論語新訳』 学生社.

 「大軍の主将でも、それを捕虜にできないことはない。しかし、一個の平凡人でも、その人の自由な意志をうばうことはできない」【出典:下村湖人『現代訳論語』 PHP研究所.】
 「全軍の心が一致していないときは大軍の将であっても討つことができる。しかし、身分の卑しい男でも意志を守る心が堅ければ、その意志を変えることはできない。」【出典:大辞林第三版 三省堂.】
 私の知識だけで、この漢文を読むと、単純に「総大将と言えども討ち取る事もできるが、一兵卒と言えどもその志を変える事は出来ない」となりました。
 しかし、これは単純に三軍の将を討ち取る事がでる訳でもないので、総大将の首を討ち取る事よりも、人の心を変える事の方が難しい、と言っているのではないかと思います。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の536.~540.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【腎】肉部(にくぶ)・ニク・にくづき
  2. 【須】頁部(けつぶ)・おおがい
  3. 【吹】口部(こうぶ)・くち・くちへん
  4. 【炊】火部(かぶ)・ひ・ひへん・れっか・れんが
  5. 【帥】巾部(きんぶ)・はば・はばへん・きんへん・きんべん

 ・・・・つづく。

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