中学校で習う漢字三体字典 Part114

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 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

566. [][セキ][画数:5画][部首:斤]

『除期間

 「特定の権利について法律が認める存続期間。その期間の経過により権利は消滅する。」【出典:大辞林第三版 三省堂.】、一種の時効でしょう。しかし、普通時効と言うのは、取得時効と消滅時効があります。この除斥期間とよく似ている消滅時効とは違います。
 一番違うのは、除斥期間は明文規定されていない制度と言う事でしょうか。
 もう一つは、除斥期間には中断や停止が無い事、そして、遡及効が認められていない。
 あと除斥期間の発生は権利が発生時点であり消滅時効は権利行使が可能となった時点と言う違いがあります。
 しかし、この除斥期間が認められる場合は、解釈が曖昧で、判例を見てもまちまちですから、その都度確認した方が良いでしょう。

楷書 行書 草書

567. [][セキ][画数:8画][部首:木]

『分崩離

 組織が崩壊するにはそれなりの事情があると思います。しかし、この四字熟語の場合は、君主を見限って一致団結した気持ちがなくなる事を言うのだと解釈しています。
 出自は論語と言われています。季氏きし第十六に「・・・既來之 則安之。今由與求也 相夫子 遠人不服而不能來也邦分崩離析而不能守也 而謀動干戈於邦內。・・・」読み方は、すなはち之これをやすんず。今いうきうと、夫子ふうしたすけ、遠人ゑんじんふくせずしてきたあたはざるなり。分崩ぶんほう離析りせきして、まもあたはざるなり。而して干戈かんくわ邦內はうないうごかすをはかる。です。
 このいうきうは、仲由ちゅうゆう子路と冉求ぜんきゅう子有の事で孔子の弟子で、季氏きしを補佐する立場の人たちです。
 そこで、孔子は弟子の仲由ちゅうゆう子路と冉求ぜんきゅう子有に、遠くの人も統治できず、招くこともままならないと、国がバラバラになってしまう。にも拘らず、国の中で戦いを起こそうとしている、まず内政を修復しなければならない。と、言っているのだと思います。
 要するにここで言われているのは、足元をしっかりしないと、君主に愛想を尽かされて、国が崩壊してしまう。そんな言葉だと思いました。

楷書 行書 草書

568. [][セキ][画数:10画][部首:肉]

梁』

 松本清張氏の短編小説にこの「脊梁」と言うのがあるようです。テレビドラマにもなったらしいのですが、記憶にありません。そのうち、松本清張シリーズか何かで、見るかも知れません。
 脊梁と言う漢字は、分水嶺と言う意味がありますから、そんな意味を含む物語なのでしょう。
 やはり、有名な作家のサスペンスは、内容が理論的で見ていて面白いと思います。

楷書 行書 草書

569. [][セキ][画数:10画][部首:隹]

片言へんげんせきく

 言った本人は忘れているかも知れません。ちょっとした一言で人は変わったり、目から鱗のような気持ちになったり、逆に腹立たしい気持ちになったりするものです。
 言葉の力、凄いです。
 私の人生でも、人の片言隻句が岐路になったり、感心したりした人が何人かいます。
 私が思うのは、それはその言葉の前に、その人との関係が重要な要素であると思っています。
 不思議なもので同じ言葉でも、聞ける人と聞けない人がいるのですが、これは偏見かも知れません。
 なるべくならそんな偏見は持ちたくないのですが、相性と言うものもあるのかも知れません。

楷書 行書 草書

570. [][セキ][お-しい][お-しむ][画数:11画][部首:心]

『不身命』

 相撲取りの口上で聞いたことがあります。現在は相撲界を退職していますが、元貴乃花親方が横綱昇進時に「相撲道に不惜身命を貫く所存です」と言った事がありました。
 平成6年と言いますから、既に25年が経とうとしています。
 この言葉は、俳優の故・緒形拳さんからいただいたと、本人は語っていますが、私はもっと平易な言葉の方が相手に伝わると思うのです。
 特に世間に注目を浴びている人が、難しい四字熟語を使う時には気を付けた方が良いと思います。まあ人、好き好きでしょうけど。
 難しい言葉を使えば使うほど、その人の品性を疑いますし、底が知れているように感じてしまいます。
 難しい言葉でも、心を動かす言葉は山ほどあると思います。しかし、それは自分の為に秘めて置くと価値が上がるように思うのですが。
 ちなみに、この言葉の由来は『法華経ほけきょう譬喩品ひゆぼんですから、仏教用語です。
 ついでに、言い訳をしますと、私がここに取り上げている四字熟語や諺は、底が知れているから、知らないから書いているので、知る為です。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の566.~570.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【斥】斤部(きんぶ)・おの・おのづくり・キン
  2. 【析】木部(もくぶ)・き・きへん
  3. 【脊】肉部(にくぶ)・ニク・にくづき
  4. 【隻】隹部(すいぶ)・ふるとり
  5. 【惜】心部(しんぶ)・こころ・りっしんべん・したごころ

 ・・・・つづく。

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