中学校で習う漢字三体字典 Part149

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 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

741. [][テツ][画数:15画][部首:手]

愛月あいげつてっとう

 物事には程度が必要と言う事ですね。可愛がるのもほどほどと言う事かも知れません。
 物事は丁度いい具合があると思います。行き過ぎた愛情は、相手の為にもならない場合があります。
 この四字熟語のように、月明かりが美しいと言って、灯りを取り除いてしまっては、宴席も台無しになってしまいます。

楷書 行書 草書

742. [][テン][そ-える][そ-う][画数:11画][部首:水]

『馬には乗ってみよ人にはうてみよ』

 この諺は、実際に物事を見極めるためには、必要な事だと思います。
 馬には乗って見ないと、良し悪しは判りませんし、人間も付き合ってみないと、その人の特徴や癖なども知り得ません。上辺だけで判断してはいけないと言う事でしょう

 表面だけ考えると、至極尤もな諺だと思います。
 しかし、実際に全ての事柄を経験するのは、人間に与えられた限られた時間と環境の中で、少し無理があると思います。
 では、どうすれば良いかです。人間には想像力もありますし、推測する事も出来ます。色々な経験の中から、当てはまる事もしばしばあります。
 孔子の弟子に顔回と言う人がいました。このブログでも取り上げたと思いますが、彼は一を聞いて十を知る事の出来る稀有な人であったと、孔子が評しています。
 「子謂子貢曰 汝與回也孰愈 對曰 賜也何敢望回 回也聞一以知十 賜也聞一以知二 子曰 弗如也 吾與汝弗如也」論語三巻 公冶長第五の八番目にある言葉です。
 現代風に訳して見ますと「孔子が子貢に聞いた。あなたと回とどちらが優れていると思いますか。私のような者が回と比べることなど出来ません。回は一を聞いて十を知りますが、私は一を聞いて二を知るだけです。孔子はその通りだね。私も同じだよ。」。
 確かに回、すなわち顔淵の事ですが、こんな人は、孔子の弟子の中でも稀な人でしょう。
 ですが、孔子や子貢のように一を聞いて二を知らなくても、一を聞いて一を知る人はいると思います。
 ですから、乗って見なくても、添うてみなくても、聞くだけで解る人もいると思います。

楷書 行書 草書

743. [〔土眞][テン][画数:13画][部首:土]

精衛海を〔土眞〕むせいえいうみをうずむ

 〔〕内の漢字は土偏に眞と書きます。なぜこの漢字がコンピュータで環境依存の文字なのか不可解ですが、中学生で学ぶ漢字です。異体字に「填」があります。こちらの方が一般的に使っているようです。
 話が飛んでしまいましたが、この言葉の意味は、「不可能な事を計画して、いたずらに力を費やし無駄に終わること。」【出典:大辞林第三版 三省堂.】とあります。
 初めから不可能であると思う事は、誰も計画しないと思いますが、可能性がある場合は、挑戦する場合もあります。
 そして、徒労に終わる事も度々ですが、その無駄な努力が、現在の人間社会を形成して来たのではないかと思います。

楷書 行書 草書

744. [殿][デン][テン][との][どの][画数:13画][部首:殳]

『魚は殿様に焼かせよ餅は乞食に焼かせよ』

 殿様がおっとりしているかどうか、時代が違うので判りませんが、ここではおっとりしている殿様に魚を焼かせると良いと言っています。
 逆に乞食はせっかちなのでしょうか、これも判りません。しかし、餅は何度もひっくり返した方が良いと言う意味で書かれています。
 出来上がりは兎も角として、適材適所を言いたいのでしょう。それなら、「餅は餅屋」という言葉があるでしょう。ただ、「餅は餅屋」と言うのは専門家に任せると言う意味なので、少し適材適所とは違うようです。
 確かに、物事には専門家とまでは行かなくても、向き不向きがあるようですね。

楷書 行書 草書

745. [][ト][画数:4画][部首:斗]

『五米のために腰を折る』

 これはどう解釈すべきか迷ってしまいます。僅かな給料を貰うために、今でも人は色々なストレスを抱え、下げたくない頭を下げ、媚び諂い、我慢をしながら給料日を待っているのが実情です。ちょっと偏見かも知れませんが。
 だからと言って、自分で起業しても成功するかどうか分かりません。私のように会社を潰してしまう方が、多いと思います。
 運よく起業して成功しても、いつまでその会社がもつか、これも分かりません。
 一般的に言われている会社生存率も疑わしい物が出回っているようです。ある情報によると、30年会社が存続する率を0.021%と言い、またある情報では15%と書いてあるものもあります。余りにも乖離し過ぎていて判断のしようがありません。
 さて、貴方はどの道を選びますか。私は運よく会社で働いても、媚び諂うことなく過ごす事ができました。と言うのは幻想かも知れません。兎に角衝突する事は多かったと思います。それでも在籍できたのは、たまたま会社が良かったのかも知れません。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の741.~745.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【撤】手部(しゅぶ)・て・てへん
  2. 【添】水部(すいぶ)・みず・さんずい・したみず
  3. 【塡】二部(にぶ)・ニ
  4. 【殿】殳部(しゅぶ)・ほこづくり・ほこ・るまた
  5. 【斗】斗部(とぶ)・とます・ます・ト

 ・・・・つづく。

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