文武両道のために・・・・『徒然草』を読んで見る。【238】

 今日の文字は『良悪よしあし』です。書体は草書です。今日読んで見ようと思う、『徒然草 第二百三十七段』を読んで見て、感じた文字です。

原文 現代文を見る 良悪

 

☆『韓国首相、日本との首脳会談に期待感 「2度機会ある」』
(朝日新聞デジタル 2019/03/19 19:07)

 「韓国の李洛淵(イナギョン)首相は19日、国会での答弁で日韓首脳会談について、「6月に(大阪で)G20首脳会議、10月には(東京で)天皇即位の祝賀行事が予定され、2度の機会がある。機会を生かせればいい」と述べ、首脳会談の開催に前向きな姿勢を示した。

 安倍晋三首相と文在寅(ムンジェイン)大統領は、首脳同士が定期往来するシャトル外交を行うことで合意している。ただ、日韓関係の悪化を背景に、昨年5月に東京の日中韓首脳会談に併せて開催されたのを最後に行われていない。

 李氏は次の会談の見通しについて「(まず)上半期に行われると期待している」とし、「水面下での協議が行われている」と明かした。

 韓国外交省は、今月に発表した業務報告で対日外交について「歴史問題の解決と未来志向の関係発展を並行して推進する」との目標を掲げた。ただ、日韓の最大の懸案となっている徴用工訴訟判決問題について、韓国政府は日本側に約束している対応策を示していない状況が続いている。(ソウル=武田肇)」

 今、韓国は、北朝鮮との関係で、国民と文在寅大統領との間に、考えの違いが浮かび上がっています。

 これだけ、日本に対して平気で約束を反故にする国と、何を話せば良いのか、苦慮してしまいます。

 たとえ、李洛淵首相と会談が行われて、良い方向に約束がなされたとしても、また反故にされかねません。

 こういう国との付き合い方は、反目状態が続いている国よりも難しいと思います。安易に首脳会談をする事に、躊躇してしまうのですが、外交と云うのはそれでも、表面上仲良く会談しなければならないのでしょうか。
 
 
 さぁ、今日も一日元気で過ごしましょう。

 
徒然草 第二百三十七段 〔原文〕

柳筥やないばこに据ゆるものは、縦様たてさま横様よこさま、物によるべきにや。「巻物などは縦様に置きて、木のあわいより紙ひねりを通して結ひつく。硯も縦様に置きたる、筆転ばず、よし」と、三条右大臣殿仰せられき。

勘解由小路かでのこうぢの家の能書のうじょの人々は、かりにも縦様に置かるる事なし。必ず横様に据ゑられ侍りき。

 

『現代文』

柳筥やないばこに置く物は、縦に置くか、横に置くかは、物によるのだろうか。「巻物などは縦に置き、木の間からこよりを通して結ぶ。硯も縦に置く。筆は転ばないのが良い」と三条右大臣殿が言われた。

勘解由小路かでのこうぢ家の書が上手な人々は、仮にも縦に置かれた事はない。必ず横に置かれた。』

 

 

『良悪』

 まず、柳筥やないばこについて調べて見ましょう。

 「柳の細枝を編んだ箱。また、柳の木を細長く三角に削って寄せ並べ、生糸やこよりで編んだ蓋(ふた)つきの箱。硯(すずり)・墨・筆・短冊や冠などを納めた。後世、蓋の足を高くして台として用い、冠・経巻などをのせた。やないば。やなぎばこ。」(出典:デジタル大辞泉 小学館.)

 この辞書の内容から、箱の床になる部分は凸凹の状態と思われます。ここでは著作権の関係で実物を載せる事はできませんが、写真や絵を見ますと、やはり、縦長の部分の底に凹凸が見られます。三角の細い木が横に並べてあるような感じです。

 ですから、例えば縦長の丸い物、筆を縦に置くと、その窪みに挟まり、転がりにくくなります。

 また横に置くと下に空間が出来て、風通しの良いようになると思います。

 これを読んでも、どちらの置き方が優れているのか、判断に迷います。

 問題にしたいのは、三条右大臣と言う人は、「藤原定方貞観15年(873年) – 承平2年8月4日(932年9月11日)」(出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)との記述が見られます。

 そして、勘解由小路かでのこうぢ家は、いつの時代かは勘解由小路かでのこうぢの名前を継ぐ人達ですから判りません。

 ですから、如何にも自分が聞いたような書き方に読めますが、三条右大臣と云う人と、兼好法師とは時代が違いすぎます。

 仮に、勘解由小路かでのこうぢ家の人達と兼好法師は、同時代で、しかも親交があったのでしたら、「昔、三条右大臣は、柳筥やないばこには、縦に置く方が良いと言ったと伝えられているが、勘解由小路かでのこうぢ家の人達は、横に置く方が良いと言われている」と言った方が、文章としては解りやすいのかも知れません。

 ただ、ここでも兼好法師の意図が解りません。私がこの柳筥やないばこを使うのであれば、縦に置く物もあれば、横に置く場合も考えられます。

 硯など底面が広い場合、縦横どちらでも良いと思いますし、筆などは、横に置いている方が、取りやすいと思います。

 縦に置いて、溝にはまってしまうと、取り出すのが難しいですし、筆先を痛めてしまうかもしれません。ですから、筆の場合は吊るしている方が保存状態が良いと思います。

 いずれにしても、その人の使い方によるのではないでしょうか。

 人の事より、兼好法師はどのように使ったのでしょうか。