中学校で習う漢字三体字典 Part139

 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

691. [鋳][チュウ][い-る][画数:15画][部首:金]

『鍋の掛けが釣り鐘を請け合ったよう』

 面白い譬えですが、自分が出来る範囲と言うのは普通は分かっていると思うので、仕事ではこんな無謀な注文は受けないと思います。
 しかし、これが人からの頼み事の場合は、少しぐらい無理だと思っても、請け負ってしまう場合もあるかも知れません。
 例え断る事が難しい関係であったとしても、身の丈にあった事を引き受けるようにしないと、自分だけではなく、頼んだ人も困る事になるので、キッパリと断りましょう。

楷書 行書 草書

692. [][チュウ][画数:15画][部首:馬]

『進軍』

 1945年8月の終戦後、日本を占領した連合国軍の事ですが、私はアメリカだけだと思っていました。
 その略称が進駐軍と呼ばれていたり、GHQと言われたと記憶しています。
 今では違う建物になっているようですが、旧第一生命館ビルにあり、一時第一生命の幹部と知り合いだったときがあり、その人にマッカーサー元帥がいた部屋を案内してもらった事がありました。

楷書 行書 草書

693. [][チョウ][とむら-う][画数:4画][部首:弓]

『青柿が熟柿う』

 「散る桜 残る桜も 散る桜」良寛さんの句を彷彿とさせる諺ですね。
 人間社会では、みんな歳を取り、そして赤ちゃんから歳を重ねて大人になり、老人になって死を迎えます。
 中には若くしてこの世を去る人もいます。私も友人を何人か若い時に亡くしました。こんな時は、やるせない気持ちになります。
 何も人間社会に限った事ではないのですが、考える事が、いや考えてしまう人間は、考えなくても良い事も考えてしまうのが宿命です。
 ですから、こんな当然と言えば当然の事が、諺になったり、俳句になってしみじみ考えるのでしょう。

楷書 行書 草書

694. [挑][チョウ][いど-む][画数:9画][部首:手]

『挑戦』

 農耕民族である日本人は、と言うとどうもしっくりこない面もあります。一般的には日本と言う国は、農耕民族の類に分類されると思うのですが、水稲すいとう農耕を主とした生産経済の時代、いわゆる弥生時代になるまでは、縄文時代が一万年近くも続いていた事になります。
 縄文時代と言うと、農耕狩猟採集経済であったとされていて、ただ水稲農耕だけの生活では無かったようです。
 もちろん、西洋で言われる狩猟民族とは少し趣がちがいますが、一口に農耕民族と言うのも違うDNAが継承されているような気もします。
 ですから、ただひたすら昔のやり方を継承するだけではなく、物事に挑戦する事もあったと思います。その事によって水稲農耕にも品種改良の歴史がありますし、国土にあった方法を生み出したのだと思います。
 それは、近年の経済力の発達を見ても、あらゆる科学的な進化を見る事ができますが、すなわち挑戦した結果ではないのでしょうか。

楷書 行書 草書

695. [][チョウ][ほ-る][画数:11画][部首:彡]

虫篆刻ちょうちゅうてんこく

 これは、詩文を創る時、細かい技巧に拘り過ぎる事を戒めた四字熟語だと思います。
 詩文だけではなく、細部に拘り過ぎると全体が見えなくなる場合があります。「木を見て森を見ず」と言う諺と同じです。
 空手道で言えば、森を見る事によって、自然に木が見えるように訓練します。なぜ、そんな事をするかと言いますと、一点に心を囚われてしまうと、千変万化の動きに対処できないからです。
 このブログにも取り上げましたが、五輪書【水之巻】兵法の眼付と云事にも、「観・見二つのこと、観の眼強く、見の眼弱く、遠きところを近く見、近きところを遠く見ること、兵法の専なり。」と書かれています。 兵法の眼付と云事

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の691.~695.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【鋳】金部(きんぶ)・かね・かねへん
  2. 【駐】馬部(ばぶ)・うま・うまへん
  3. 【弔】弓部(きゅうぶ)・ゆみ・ゆみへん
  4. 【挑】手部(しゅぶ)・て・てへん
  5. 【彫】彡部(さんぶ)・さんづくり・けかざり・かみかざり

 ・・・・つづく。