中学校で習う漢字三体字典 Part24

 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

116. [][ガク][あご][画数:18画][部首:頁]

が上がる』

 疲れた時、仕事を途中で投げ出す時の様子を表します。
 面白いのは、アメリカの海兵隊の「気を付け」は、顎を出してお尻を引くようです。ところ変われば品替わるのでしょう。
 人種によって骨格も違いますから、「気を付け」の姿勢には言及しない事にします。
 ただ、五輪書には
「3. 兵法身なりのこと 
 身のかかり、顔は、俯かず、仰のかず、傾かず、ひづまず、眼を乱さず、額に皺を寄せず、眉間に皺を寄せて、眼の玉動かざるやうにして、またたきをせぬやうに思ひて、眼を少し竦めるやうにして、うらやかに見ゆる顔、鼻筋直にして、少し頤出す心なり。首は、後の筋を直に、項に力をいれて、肩より惣身はひとしく覚え、両の肩を下げ、背筋を陸に、尻を出さず、膝より足先まで力を入て、腰の屈まざるやうに、腹を張り、楔を締むるといひて、脇差の鞘に腹を凭せて、帯の寛がざるやうに、楔を締むるといふ教へあり。
 総じて、兵法の身において、つねの身を兵法の身とし、兵法の身を常の身とすること、肝要なり。よくよく吟味すべし。」。
 と、おとがいすなわち顎を少し出す、と詳細な表現があります。
 この事に対しては 五輪書【水之巻】兵法身なりの事にも掲載しています。
 顎を少し出すような記述ですが、前後の文章から顎を引き上げると言う意味に捉えられます。
 いずれにしても、疲れると顎が上がった状態になります。
 これは、背筋や腹筋と密接な繋がりがあって、身体に良い態勢は、ある程度背筋と腹筋がバランスを取っていなければなりません。そのバランスが崩れると姿勢が崩れ、顎が出た状態になります。
 顎が上がった、顎が出たら、疲れたと思い、休養を取りましょう。

楷書 行書 草書

117. [][か-ける][か-かる][かかり][画数:11画][部首:手]

『若木に腰けな』

 「掛けな」って言われると、東京にいる時に「そこに腰かけな」と言われたような記憶があります。命令とまではいかないのですが、「かけなさい」と言うような意味で。
 この「掛けな」は、否定の意味でしょうね。「掛けてはいけない」と言う。
 意味としては、若木は折れやすいから腰を掛けてはいけない、でしょう。
 そこから若者は頼りにならないからとか、将来性のある若者を苛めてはいけないと言う意味にもなったのだと思います。
 しかし、ある程度歳を取って来て思うのは、若者の方が頼りがいがあるように思います。もちろん若者にも色々いますが、見かけは若くても十分知識も経験も積んでいる人がいると思います。

楷書 行書 草書

118. [][カツ][画数:9画][部首:手]

鏃礪ぞくれいかつう

 大変難しい言葉ですが、覚えておいても良さそうな四字熟語です。
 「現状に満足せず、学識に磨きをかけて、さらにすぐれた人材になること。」【出典:四字熟語辞典ONLINE.】。
 私の歳になると人材にはなれないでしょうが、死ぬまで勉強だと思っています。
 特にこのブログを書き始めて、毎日目新しい言葉に出会い、知らない事の多さに凹んでいます。

楷書 行書 草書

119. [][カツ][画数:11画][部首:口]

恫疑虚どうぎきょかつ

 笠に被って威圧してくる人も、この言葉のように内心は不安なのかも知れません。弱い犬程よく吠える、って言うではありませんか。
 恫喝どうかつされた時などは、内心そう思っていると気が楽になります。多分ですが、同じ人間ですから。
 ただ、サイコパスと言う可能性もありますから、「触らぬ神に祟りなし」とも言いますので、そんな人に近づかないようにしましょう。

楷書 行書 草書

120. [][カツ][かわ-く][画数:11画][部首:水]

驥奔泉かっきほんせん

 難しい四文字熟語が続きます。「勢いが非常に激しいことのたとえ。
または、書の筆遣いに力強さと勢いがあって素晴らしいこと。」【出典:四字熟語辞典ONLINE.】。
 まだ、書の力強さを、その筆遣いから判断する事はできません。
 どうも天邪鬼の性分なのか、そんな書を見ると、奇を衒っているように見えてしまいます。あるいは故意にそんな文字を書いているように思ってしまうようです。
 私は空手道の型でも、故意に人に見せるようなやり方を好みませんし、余分な仕草が入るのも、どうかと思う方です。シンプルイズベストと思っています。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の116.~120.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【顎】頁部(けつぶ)・おおがい
  2. 【掛】手部(しゅぶ)・て・てへん
  3. 【括】手部(しゅぶ)・て・てへん
  4. 【喝】口部(こうぶ)・くち・くちへん
  5. 【渇】水部(すいぶ)・みず・さんずい・したみず

 ・・・・つづく。