お習字から書道へ Section 46

 正師範取得のための課題を提出していましたが、五課題の内、一つが不合格で帰ってきました。
 四課題は何とか合格したので、もう一息です。
 昨日のうちに訂正して再提出しました。2週間後に結果が分かります。

 もし、同じように書写の勉強をして、課題を提出する人がいれば、参考になると思うので、不合格の理由を書いておきます。

 不合格になった課題は理論問題で、質問に答えるものが、2題、おとなの初級者用手本を書く事が1題、そして、初級者の書いた清書を添削して講評する事の4課題でした。

 課題の内質問に答えるものについては、内容については、良いと言う事ですが、解答するために書いた文字について、詳細に手直ししてありました。例えばひらがなの「か」の文字の上に出る部分をもう少し大きく書く、そんな添削がひらがなごとに朱で訂正され、漢字も省略して書いてあると楷書で書くように字の見本を朱書きされていました。朱書きされた文字は「強」の点の部分と「線」の「水」の部分でした。自分では間違ってはいないように思うのですが、確かに朱書きのようにキッチリとは書いていませんでした。
 この添削にはいつも感心させられます。よくここまで細かく見てくれているのですね。

 おとな用の手本の場合は、『常用漢字など二千五百字、楷行草総覧』や東京書道教育会に書かれてある文字を探して、書いたのですが、もっと初心者用に書かないといけないようです。添削されていたものをできるだけ、再現して書き直しました。ただ、前にも小学生用の手本を書く課題があり、同じような間違いをしました。間違いと言うより、どのような文字を基にされているのか知りたいと思います。

 初級者の書いたものを添削する課題の場合は、「七つほめて三つ訂正する」と言った方法で書くように指示がありました。一般的にはこれが教育の正解なのでしょう。私が卒業した小学校の校庭に銅像がありましたが、二宮尊徳(江戸時代の思想家)の教育の基本は「かわいい子は、五つ教えて三つ褒め、二つ叱って良き人とせよ」だそうですから。

 私のは場合は、天邪鬼なのか、褒められると言う事になれていない事と、褒められても上手くなる手掛かりが分からないので、ダメな所を指摘された方が良いのですが、空手の場合は、自分が人を審査する立場ですから、その時は、一生懸命良い所を探すようにしています。その事が褒めるに値するのであれば、効果はあると思います。多分お習字の場合は、良い所が見えないのでしょう。
 
 さて、今朝も文字を選んで書く事にします。

 この文字を選ぶときには、『楷行草筆順・字体字典』から、上手く書けそうな文字と、難しそうだな、と思う文字の二種類の文字を選ぶようにしています。

 前回は、「おんなへん」「こへん」を取り上げました。
 文字は、「好」「妻」「婆」、「孔」「学」「孫」、を楷書で、「妻」「婆」「学」「孫」を書写体で書きました。
 今回は、「かたへん」「ゆみへん」を取り上げました。
 文字は、「片」「版」、「引」「弟」「強」、を楷書で、「片」「引」「強」を書写体で書きました。 


「片」と言う文字は、バランスの悪い文字だと思っています。どうしても右下の空白が気になります。

 手本でも、同じように右下の空白が気になります。手本では、もう少し四画目の横画が長いのかも知れません。僅か線の太さ位かも知れませんが、この線の太さが違うと文字が全く変わって見えます。

 書写体の方は、四画目が長いので、自分ではバランスが取れているように見えます。 
 
 

 「版」は、手本をしっかり観察出来なかったようです。後で見ると、違いがハッキリしています。

 手本の方は横画の角度が、短い画も長い画も同じです。それに比べて、私の文字は、角度に狂いがあり、とてもバランスが取れているとは思いません。

 なぜ、こういう結果になったかと言うと、「反」の一画目の横画の長さに気を取れて、書いていた事に気が付きました。

 一瞬にして、形を捉えられれば良いのですが、まだまだ修行が足りません。
 

「引く」は、楷書、書写体とも上手く書けたと思っています。

 これは、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる式で、何度も書き直したお陰でしょう。

 逆にそれほど、字画の少ない文字は難しいと言う事だと思います。

 

 

 「弟」の付く文字のポイント、縦画の角度だと思っています。

 後は、横画の長さの変化が上手く行かない時は、とんでもない文字になってしまいます。

 何度か出てきますが、一画目と二画目の点の位置は「結構八十四法」で言われている「曽頭」(Section 37)にあるとおり、二番目の点を一番目よりも高く長くを、意識しました。
 

  

 この文字のポイントは、なんといっても旁の上の「ム」の大きさです。自分が思うより、手本では小さくなっていました。そして、そのように書いて見ました。まずまず、成功の部類に入るのではないでしょうか。

 ただ、書写体の方が、文字として調和が取れていると感じています。

 

   

 一口メモ 

 前回からの続きで、『はじめての書道楷書』(関根薫園著)で、中国の李淳と言う人の手による「結構八十四法」と言う文字の組み合わせ方を説明していきたいと思います。

 今日は第二十回目です。取り上げるのは、「ちょう」「たん」「だい」「しょう」の4つです。

 「ちょう」は、縦長に書く文字のポイントとして、「耳」を例にあげています。これは、縦長になってしまうから、短めにまとめると言う意図だと思います。

 「たん」これは、「四」のように扁平にまとめる文字の事です。気を付けるのは、縦に長くならないよう、初めの一画目でその縦画の長さを決めます。

 「だい」は例に「嚢」をあげていますが、画数が多い文字は、往々にして大きくなりがちなので、中の字画をいい加減にしがちなので、気をつけて、字画のすべてをきっちり書くようにします。

 「しょう」は、例も「小」を取り上げ、画数が少ない文字の注意点をあげています。淋しくならないように工夫する、となっていますが、淋しいと言う表現は難しく、これは経験を積まないと解らないかも知れません。

 

【参考文献】
・青山杉雨・村上三島(1976-1978)『入門毎日書道講座1』毎日書道講座刊行委員会.
・高塚竹堂(1967-1982)『書道三体字典』株式会社野ばら社.
・関根薫園(1998)『はじめての書道楷書』株式会社岩崎芸術社.
・江守賢治(1995-2016)『硬筆毛筆書写検定 理論問題のすべて』株師会社日本習字普及協会.
江守賢治(1981-1990)『常用漢字など二千五百字、楷行草総覧』日本放送出版協会.
・江守賢治(2000)『楷行草筆順・字体字典』株式会社三省堂.