空手道の名言 Part-21

 今日も松濤二十訓の中から「力の強弱 体の伸縮 技の緩急を忘るな」と言う言葉を書いて見ました。

 この言葉も、富名腰義珍翁が遺された『空手道教範』の第三編、基本型の項の練習上の三要諦として書かれています。

 あくまでも『型』習得上の心得である事を忘れてはならないでしょう。

 ただ、競技空手の中では、色々課題があるようですが、ここで言われている『型』はあくまでも実戦への足掛かりと考えています。

 ですから、形よくバランスがとれ、スピード感あふれる演武をする必要はないと思っています。

 前にも書きましたが、何かに固執してしまうと、本来習得するべき事から外れてしまう様に思っています。

   しかし、前提は把握しておく必要があると思いますので、『空手道教範』に書かれてある事を復習してみましょう。

 まず、『力の強弱』ですが、「無闇に力を入れたり、やたらに早く使ったりする人がある」と書かれていますが、私の言葉にすると、技の決まる時に瞬間的に力を込め、後は自然にしておく事だと思っています。

 私は、型の中での技と言うのは、形から形に移る時の大半が技だと思っています。要するに攻撃・反撃であろうと受け・捌きであろうとです。

 また、『体の伸縮』ですが、これは、技をする時には自然と身体が伸縮するので、強いて言えば、身体を固定しないで柔軟に動かすと言う事に捉えています。

 後は『技の緩急』ですが、これを無理矢理表現してしまうと、『型』そのものの意味が変わってくると思っています。この緩急が故意に表されるとしたら、それは『型』を稽古する理由が無くなってしまうと思うのです。

 ここに書かれてある『力の強弱 体の伸縮 技の緩急を忘るな』と言う言葉は、ともすれば行き過ぎる事があると思うので、何のために『型』()を稽古するのかを考えて見る必要があると思います。

 それと、他流派ではありますが、技法の変化(術技の変化)・気息の呑吐・重心の移動を三要諦としている流派もあります。その中でも気息の呑吐は、重要な要素と思っています。よく研究する事を勧めます。