1 | 「しなやかさ」って何? |
2 | 「しなやかさ」の効果 |
3 | 「しなやかさ」を得る |
4 | タオル一枚で柔軟体操 |
5 | 限界突破 |
「しなやかさ」って何?
前回、『色んなスポーツ選手・社交ダンス・各種武道・日本舞踊などなど、トップクラスの人に見られる特徴は「しなやかさ」』であると書きました。
これで、腑に落ちる人たちはすでに「しなやか」な体を得るための切符を手にしていると思ってください。目標がイメージできますから。
では、ピンとこない人のために、「しなやか」な動きと「しなやか」でない動きを比較してみましょう。
現在自転車に乗れる人は、まったく意識しないで、漕ぐ・バランスを取る・周りの危険を回避する、などなど、体の機能を繋げないと出来ない事をいとも簡単にしています。
でも、乗り始めの子供たちはどうでしょう?
うまく機能がつながらないため、よろよろしたり、止まれなかったり、「ぎこちない」動きになります。
キャッチボールでも同じ事が見られます。うまくボールを投げる事ができる人はどんどん体の機能を繋げて、ついにはプロになる事もできるでしょう。
挙げれば切りがないほど、色んな分野でその差を目の当たりにします。
そうです! 「しなやか」な動きとは「ぎこちない」動きとは真逆の、滑らかな動きを表現していると言うことです。
しかし、ただ滑らかなのではなく、「切れ」が無くては「しなやか」にはなりません。
くねくねしているのでもなく、ただロボットみたいにギクシャクとしているだけでもなく。(今のロボットはスムーズに動くのか?)
両方うまく組み合わさって初めて「しなやかさ」が表現できると思ってください。
人が元々持っているバラバラの機能を、反復練習することによって繋げ、無意識に表現できた状態を「しなやか」と呼んでいると、思ってください。
「しなやかさ」の効果
色んな分野で、経済活動や文化活動でも「しなやかさ」は必要ですが、ここでは、体を「しなやか」に使う効果を見てみましょう。
「しなやかさ」って何? でも触れましたが、ぎこちない動きを脱皮できれば、体を上手に使う事ができるという事です。
自分の体でありながら、審査会(空手の)を見ると、一般的に、人は持っている機能を十分に活用できてる、とは思えないのです。
「しなやかさ」を身に付けないと、予め備わっている自分の才能を開花することが出来ないと思っています。
そうです、「しなやかさ」を身に付けた効果とは、上手くなる、強くなる、自分を最大限活かす事の基礎であるのです。
「しなやかさ」を得る
では、「しなやかさ」を手に入れるためどんな事をすれば良いのでしょう。
一つは、基礎体力を付ける事
一つは、基礎体力を元に無意識に体が反応するよう稽古する事
一つは、稽古した結果を試して見る事
この三つを実践する事で、「しなやかさ」を手に入れ、限界を打破する精神力が自然と養われます。
ですから、「しなやかさ」を得るために、最初に身に付けたいのは、基礎体力という事ができます。
ここでは、基礎体力の内、柔軟性の強化を取り上げています。
柔軟性と言えば、四肢の可動範囲を広げる事と思われがちですが、私は同時にインナーマッスルと言われている筋肉を同時に強化する事が大切であると考えています。
*因みに、「体幹」と「インナーマッスル」は、混同されやすいので、違いについて末尾で説明をしておきます。
柔軟性と言えば、 | |
1)腰の周辺(股関節) 2)肩の周辺(肩関節) 3)手首 4)肘 5)膝 6)足首・足 |
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に付随する筋肉を伸ばす事です。 |
ここでは、2)の肩の周辺を重点的に、説明したいと思います。
タオルが一枚あれば出来ます。
動画を見てもらって解ると思いますが、いたって簡単。
ただし、首の運動では、引っ張る力に注意してください。決して筋力トレーニングではありませんので、やわらかく引っ張って下さい。
また、タオルの長さは、肩の柔らかさに合わせて調整することが大切です。
肩の運動の時は、タオルの引っ張りに抵抗するようにしてください。
筋力トレーニングの内、アイソメトリックス(静的トレーニング)にあたりますが、通常のアイソメトリックスのように最大筋力の60%~70%も力を出さないでください。通常10秒前後筋力を収縮させますが、これも瞬間で良いです。ただし、回数は出来る範囲で反復する方が効果的です。
もう一つの注意点は、この運動で疲れない事です。
毎日やれば効果がでます。
【タオルを使った肩の運動】
☆注意点☆ | |
○ストレッチや柔軟体操のように完全に弛緩しない ○痛くなる前に戻す |
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☆効 果☆ | |
○腕を振ったり突いたりする時、最大限の速さを出せる ○外圧を吸収する肩まわりができる |
人間は、自分が持てる力や速さを、限界まで出せない仕組みになっています。
よく、火事場の馬鹿力という言葉を聞きます。
通常の生活では、体の構造を守るため、必要以上に、力や速さが出ないよう、脳からの信号で制御されている事が、科学的にも解ってきました。
私は、この制御に目を付けてきました。
通常この制御は、最大の70%~80%と言われています。
この制御範囲を少し広げるため、筋肉を強化し、可動範囲を広げ、85%~90%にすればどうでしょう。
その筋肉の強化に必要なのが*伸張性筋収縮(エキセントリック)と呼ばれるものです。動画のように完全に弛緩しない状態で柔軟性を高めること。
四肢の可動範囲を、徐々に広げる運動の中で、インナーマッスルも同時に鍛える。
これが「しなやか」に体を動かす基礎体力の一つになります。
次の回は、腰の周辺を柔らかく、そしてしなやかに強化する方法を紹介します。 |
*言葉の説明
伸張性筋収縮(エキセントリック)
筋肉の収縮には3種類あって、その中で、伸びようとする事に抵抗しようと収縮を起こす状態をいいます。筋肉痛に大きな影響があるとも言われています。
体幹とインナーマッスル
体幹は人の体の胴体全体にある筋肉をさし表層筋と深層筋を含みます、インナーマッスルは深層筋と呼ばれて正しい姿勢を作ったり、関節の位置を調整する働きを持つ筋肉を指します。ですから場所的には同じ場所にある場合もあります。しかし最大の特徴としてインナーマッスルは、深層筋と呼ばれるように体の表面から深いところにあるのが特徴です。