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お習字から書道へ Section 3

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 学生の頃は、大学ノートを使いましたが、今は、1ページに7列12行の84文字が書ける、小学生低学年用と思われるノートを購入して、書いています。

 毛筆では、おもに書きぶりと言いますが、筆の扱いに注意して書きます。しかし、形を覚えるには、ノートさえあれば、いつでも気が向いた時に練習できる、硬筆習字が適していると思います。

 ですから、ドローイングペンや鉛筆、万年筆、ボールペンなど、色々な筆記用具で練習しています。

 ちなみに私の使っているノートは、キョクトウのかんがえる学習帳で「かんじのおけいこ」。84字詰リーダー罫入と書いてあります。

 今日は、「かきくけこ」を練習してみましょう。

 前回も書きましたが、学生の頃に手本にした鷹見芝香たかみしこうと言う人の文字を模写したものです。ですから好き嫌いはあると思いますが、手本にした文字は、私はとても上手で美しいと感じる文字です。

 できれば、この文字を好きになって下さい。「好きこそものの上手なれ」っていいますからね。 

 鷹見芝香たかみしこう  

 文部省高中学校書道学習指導要綱編集委員(硬筆習字)。
 全日本書道教育協会総務。
 東京都中学校書道研究会副会長。
 日本書作院同人。
 東京都立豊島高等学校講師。
出典:ペン字いんすとーる
(http://cumacuma.jp/review/review_index/pen_life/)

 

「か」と言う文字の特徴は、扁平の四角です。1画目の書き始めに注意します。扁平の四角の枠を想像して、その真ん中からやや上の左端から横幅の三分の一程度まで、すこし右上がりに線を書き、図のように斜め下に線を引きます。一画目の横線の真ん中で線が交わるように斜めに二画目を書きます。三画目は離れて書きますので、横幅の三分の一程度右から右斜め下に縦の幅の二分の一程度を引いて書き終わります。三画目は上がり過ぎても、下がり過ぎても具合が悪いので、二画目の横線の延長線上から書き始めるとバランスが取れます。二画目は右上がりに書きますが、上がり過ぎず水平より少し上と言う気持ちで書くと良いです。

「き」の特徴は縦長の長方形に書くようにします。赤の点線の枠内書くようにするとバランス良く書けます。
 初めはどうも変な格好に見えますが(私の主観です)、書いている内に、この形でなければいけないような気分にさせられます。
 縦の線が下の横線から出すぎないよう、注意をします。ほんの少し顔を覗かせる程度が丁度良いでしょう。図のように真ん中の線の左側に、最後の四画目を上の部分を、下で支えるように書くのがポイントだと思っています。

「く」の書き方ですが、赤の点線の三角形の中に、松葉を開いたように書くと上手く行きます。字の書き始めは中央線に入れ、少し右に点を打つようにしてから、左斜めに線を書きます。丁度縦の長さの二分の一位で右斜めに線を書きますが、松葉をイメージして少し開くのではなく、大きく開くように書くとバランス良く書く事ができます。全体的に縦長にした方が良いと思います。

「け」は、見た目はやや縦長の長方形に見えますが、図のように四角の中に入るように書きます。ポイントは右側と左側の部分が狭くならない事が重要です。
 そして、最後の三画目は、一画目と同じ位か、出すとしても図の程度が限界です。このようにして書くと、「け」の字の特徴が現れると思います。

「こ」は、赤の点線で書いた、左に傾いた楕円形の中に、二つの線が上と下で向かい合うように書きます。「こ」の文字は少し小さめに書くと、他の文字とのバランスをとりやすいです。
 一画目の書き始めは、中心線から書き始めると、二画目が上手く受けられる感じがします。

 
 上達ポイント  

 テレビのコマーシャルで、 「コツコツ食べればいいんですよ毎日!」明治チョコレートのCMでチョコ先生が言う言葉ですが、この言葉通り、毎日少しでも、筆記用具を持って書く事です。

 と、言ってしまうと、元も子もないのですが、そこには、ちょっとしたコツがあります。コツコツではなく。

 ノートの一番上の枠に、横一列に、手本をよく見て書きます。50音ですから50列ですみます。練習する文字は一文字11文字です。これを5文字と6文字に分けます。始めの5文字は一番上の文字と同じように、よく見て書きます。升目のどの部分の空白が多いか、升目のどの部分から書き始めているか、また書き終わっているかを、よく観察しながら書きます。

 そして、上の手本の文字と今書いた5文字を、下敷きか紙で見えないように隠します。

 後の6文字は、さっき書いた5文字を想像しながら、書きます。

 一行書き終わったら、反省会です。いや飲み会ではありません。上の文字と下の6文字を見比べて、できれば、赤鉛筆で悪い所をチェックしておくと良いでしょう。

 これを50音すべて書き終えたら、もう一度同じ事を繰り返します。

 一ヵ月も経たない内に、見違えるように「ひらがな」が書けるようになっているでしょう。

 

 一口メモ  

 今回も『ペン習字』(鷹見芝香たかみしこう著)に書かれてある文章を引用してみます。

 『何の内容も、何の条件もなしに人を感動させるということはあり得ません。それでは「書美」をあらわす条件とは何でしょう。ちょっとした点画の組み合わせ調和、さらりとした運筆の妙味、文字の構成と配置の適当さ、ペンの使い方に熟達している、書く人の心の豊かさ、以上のような条件がほどよく合致して、美しさを作り上げているものと考えられます。』

 「書美」があっても、見えないと、ただの文字です。伝達の一方法にしか過ぎません。最近外国の方が、日本の書道の文字に興味を示しています。ある外国の人が、日本の文字自体に芸術性を見ることができると言っていました。
 上手に書けるように、色々な手書きの文字をみて、「上手いな」と思える目を養う事が必要なのかも知れません。

【参考文献】
鷹見芝香たかみしこう(1966)『ペン習字』 株式会社主婦の友社.

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