なんとか、「あいうえお」から始まって、50音も最後の「を」まで辿り着きました。おなじ『ペン習字』(鷹見芝香 著)に「いろは順」の最後に「ん」の文字がありましたので、50音に追加して掲載します。
本気になって、10日余りを練習した人は、きっと美文字を手に入れるスタートラインに立てたのではないでしょうか。
それでも、すこし練習すると気付く事があると思います。私が、まず思った事は、意外と線が引けないと言う事でした。この引けない線を引けるようになるのが練習なのですが、引けないからこそ、個性がでるのではないでしょうか。
形は、何度も練習している内に、赤枠や赤い点線を覚える事によって書けるようになると思います。
得意不得意と言うのは、それぞれあると思います。縦線はなんとか書けるが、横線になると上手く書けないとか、またその逆の場合もあると思います。
そんな時には、ただ数を多く稽古するだけではなく、工夫が必要だと思います。自分なりの方法を見付ければ良いのではないでしょうか。
硬筆の場合は、そんなに長い線は書きませんので、練習さえすれば、縦横の線も淀みなく書けるようになると思います。
これが、毛筆となると、肘も手首も付けずに、筆を運びますので、不安定に慣れなければ、線が踊ってしまいます。
では、「ひらがな」最後の文字です。一文字一文字、観察して、書いて見ましょう
「わ」と言う文字は、「ね」とか「れ」に似てはいますが、それぞれに特徴があります。その特徴を捉える事が、上手く書くコツになると思います。
一画目の入り口は、「わ」が一番上、続いて「ね」、一番下が「れ」の順で形をとります。ただ上下の差は殆どありません。右側の形により調整する感じです。「わ」が一番上から書く理由は、最後の線の伸びが一画目よりややでる事に関係します。
この「ゐ」は、「ぬ」と同じように書く気持ちがあれば、なんとか形になると思います。
一画目は中央線の左上部の少し下から右下に45度位の角度で入ります。中央線に当たると左下に直線に近い緩やかな曲線を描いて左下に伸ばします。赤枠の下から四分の一程度からほぼ真上に上げるよう左上に少し上げてから鋭角に線を曲げて右斜め上に直線的に入って来た線を交叉して右側に伸ばします。中央線を越え右側の領域に入ってからゆったりと線を曲げて、左下に向かいます。赤い点線の円弧を想像しながら、結びを中央線で作ります。
「う」は、「あいうえお」の時に出ていますので、同じ事を書いて置きますので、復習してください。
一画目を打つ位置は、中心線上にやや大きめに書く方が良いと思います。そして、二画目との間が狭くならないように書きます。二画目は赤い点線で示しているようには楕円形になるように中心線から左に抜けるように左斜めに書きます。
この「ゑ」は、「恵・惠」が元の字とされています。その形をある程度残していますので、下の部分は、「心」の草書と全く同じと言えます。
折返し部分も沢山あり、結びも、円弧もありますので、殆どの線の特徴を含んでいますので、現在、普通の文章で使う事は、まず無いと思いますが、文字を習うには、格好の文字と思いますので、練習を勧めます。
図を見て、中心線に留意する事が、バランスをとるコツだと思っています。特に「心」の部分で左側から中心でハネて上に上がる、最下点の位置を考えて書くと良いと思います。
「を」は難しく、形の取りに行く文字だと思っています。しかし、縦長に書き、中心線の右と左のバランスを図のように取る事によって、文字の安定が保てると思っています。
「ん」は、現在受講している通信教育で、東京書道教育会の指導でも、ポイントは左下から上に一旦上がった線を、突き上げるようにしてから、下に半円を書くと言う、突き上げるという事を強調されています。この部分が鋭角ではなく丸くなっている手本もありますので、あくまでも、一つの書き方として認識しておく必要があります。
【参考文献】
・鷹見芝香(1966)『ペン習字』 株式会社主婦の友社.
・山下静雨(1979)『ボールペン習字』株式会社ナツメ社.