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お習字から書道へ エピローグ

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 気温が40度を超えた地域が観測されています。

 大阪でも竜巻がありました。

 異常気象と言う言葉は、今までにも何度も耳にしていますが、こちらまで異常になりそうな気象です。

 本当に、熱中症、気を付けて!!

 

 さて、65回に渡って、「お習字から書道へ」を掲載してきましたが、ひとまず、このタイトルは終了です。

 私は、その間、4月には東京書道教育会で、普通科師範を取得。そして、7月に正師範の称号を頂きました。少しは上手くなったでしょうか。

 現在は、四段に合格するために、課題の半分を提出しているところです。五段制ですが、課題が帰って来るのに2週間かかりますから、五段取得までには、まだ最低2か月以上かかる予定です。

 今日は、私が通信教育で得た、毛筆の文字が上手く書けるようになるための、秘訣を書いて見たいと思います。

 出来立てほやほやのエキスを提供しますので、参考になると思います。
 

はじめに

 これから披歴するのは、通信教育を受講して、10級の下から1級の上まで、30段階に合格し、段位を取得して師範の称号を得るための、私が歩んだ練習の方法です。

 これで上手くなれるかは、これを読んで実践した読者の努力によります。
 そして、超初心者用に書きますので、ある程度毛筆に慣れている人向きではありません。

 ただし、参考になるかも知れません。

 そして、上手くなるための姑息な手段だけを書きますので、正式な方法は、それぞれの教科書に頼ってください。

  ◆グレーのバーをクリックすると全文が見えます◆

ポイント1 『起筆を覚える』
 起筆と言うのは、筆を紙面に触れて線や点を書く初めの運筆方法です。

 呼び方は始筆や落筆などありますが、要するに点画の初めの部分です。

 ただ、方法が色々あって、順筆、逆筆や露峰、蔵鋒などがあります。

 初めの内は、順筆と逆筆だけ覚えれば十分だと思います。順筆でも、逆筆の形になる場合もありますので、順筆だけでも良いかも知れません。あえて逆筆にする事もないと思います。

 では、順筆の起筆ですが、筆を吊り下げるように持って、紙面に直角に触れます。そして、筆の腹を付けますが、穂先と腹の中心線が、紙面に対して左から斜め右の角度が45度になるようにします。

  ここがポイント   通常書いてあるのは、『筆をトンと下す。』ように書かれてありますが、それは、慣れた人だから出来るのです。

 初めの内は、出来るだけ静かにゆっくりと紙面に穂先が付いたら筆の腹を紙面に着けます。

 この紙面に筆の腹が着くか着かない内に、穂先の方に軸(筆管)を親指と中指でほんの少し浮かすように戻して筆の形をS字にします。

 この戻し方が強いと、一見逆筆(筆を反対から入れる方法)に見えます。要するに起筆の形が、とんがらずに丸くなります。

 これは、好みだと思いますが、書籍では『入門毎日書道講座1』(青山杉雨・村上三島編著)では、しっかりとんがった形を表しています。ただこの場合は、分かりやすいように強調したと書かれてあります。

 通常大人が書く時には、少し起筆が丸い事の方が多いように思います。

 この起筆が、横画になり、縦画になり、払いになり、点になります。そして細かく見ると、折れ(転折)の中にもこの起筆の筆の使い方が生きてきます。

 練習方法は、紙に静かに『なみだの形』を作る事から始めれば良いと思います。いわゆる『点』ではなく、形として45度左上にとんがり、右下に袋がくるような『なみだの形』を作るのです。

 色々な『なみだの形』を作れます。長いものや短い『しずく』を書いている内に、起筆の感覚を掴めるようになるでしょう。

 この『なみだの形』から、縦画の起筆は少し右上に穂先と筆の腹をスライドさせるように突き上げてS字を作ってから、筆先が左のまま下に下ろします。

 横画の場合は、右上にスライドさせずに、S字を先に作って横に送筆します。

 点は色々あって、説明が難しいのですが、姑息な手段を披歴します。

 点の形の枠を、鉛筆か細いフェルトペンなどで書きます。筆が紙面に着くのは、その枠のとんがった部分です。そして、右回りと左回りの場合がありますが、その形になるように、その枠を一筆書きで埋めます。ようするに塗り絵の要領です。しかし、筆は一回で書き終わるようにします。

 筆の動き方は、『骨書き』と言う技法が載っている、書籍がありますので、これを参考にすれば良いでしょう。

 もちろん、正しい方法を見つけるための、苦肉の策です。しかし、なんどか、塗り絵をしている内に、なるほどと、合点が行く方法にたどり着くと思います。その方法が見つかれば、枠なしでも「点」が書けるようになっているでしょう。

ポイント2 『収筆を覚える』
 これは、終筆とも言われていますが、点画の終わりの所です。

 収筆には、筆を止める場合と、筆をはねる場合、そして払う場合があります。

 止める場合には、止めの形を作る場合と、形を作らない場合があります。

  では、横画で止める場合を説明します。 

 送筆では、起筆の筆の角度(穂先と筆の腹が45度)を維持したまま止める位置まで来ますが、送筆した関係で、穂先が起筆の方に遅れて残ります。

 この時の筆の形は、筆の腹から45度の角度に線をイメージした時、穂先が左になびいた形になっています。

 次に、右の親指で中指を押すようにすると、筆の腹がほんの少し右上にスライドします。

 このスライドした筆の腹を、筆先に戻す時に、筆の腹で今スライドした逆の動きをしながら戻すと、横画の収筆の形になります。

 何度か、やっている内にコツが掴めるでしょう。

  縦画の止める場合 にも、同じように筆が動きます。しかし、最後に筆先に戻す時に、少し穂先の方向に突き上げると、縦書きの左側に少しこぶ状の形が出来ます。

  収筆からはねる場合 、払う場合のポイントは、両方ともゆっくり筆先を揃えるようにします。

 いずれの形も、『起筆を覚える』で説明した、姑息な『点』の書き方を参考にして練習すれば、意外と早くコツが掴めます。

ポイント3 『運筆を覚える』
 送筆とも言われていますが、起筆から収筆までの筆が運ばれていく部分を言います。

 蔵鋒の場合は違いますが、初心者が楷書や行書を書く場合の送筆は、横画の場合には、穂先が上を通るように筆を運びます。

  縦画の場合 に、筆を上から下に運ぶ場合は、線の左側を穂先が通るようにします。

  左払いの場合 は、左上、 右払いの場合 は、右上、そして 縦画から右に曲がる場合 には、穂先は左側から曲がるところで上にクロスして変わります。

 このコツは、指先で穂先の通る場所が変わらないように、調整します。これは、肘や手首をくねくね回すのではなく、ほんの少し穂先の位置が変わらないように力を入れる角度によって保つ事ができます。

  練習方法 は、文字を書くより、点画だけを練習して、その方法を身に付けた方が良いでしょう。

 『お習字から書道へ Section 2』から『ひらがな』の書き方を説明しましたが、『濁点』の位置を書いていませんでした。

 『濁点』の位置も、これが正しい方法と言うのはありませんが、概ねこんな感じで打つ場所を書いて見ました。参考にしてください。

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まず、ひらがなを美しくしましょう。

 色々な書き方がありますが、迷わず、自分の気に入った文字を手本にします。

 この手本が頭に入るまでは、他の美文字に心を惹かれない事です。

次に、自分の姓名から1文字選んで、手本を探します。

 手本は、できれば、「筆順字体字典」のように、楷書・行書・草書が載っていて、筆順も分かるものが良いでしょう。

 私は、江守賢治先生の「楷行草 筆順・字体字典」を使っています。

 これも、好みですから、何でも良いのです。

 私がこの本を使っているのは、知らない事が多いので、辞書として使える事が大きな要素です。

 そして、何より筆順が載っている事が、助かっています。

 また、現在の文部科学省での文字に関する取り扱いなども、記載されていますので、勉強できます。

後は、自分の姓名を、全て手本通りに書けるようにします。

 選んだ手本は、しばらく、いや、一生使えるかも知れません。一ヵ月ほど頑張れば、「字、うまいね!」などと、言われるかも知れません。

 字は、体を顕す。書は人なり。とも言います。

 空手の場合でも、「型」を打つと、その人の性格が如実に現れます。

 文字を書いたり、「型」を打つ事は、自分を表現する一つの方法です。

 で、あれば、良い自分を表現したいものです。

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