文武両道のために・・・・『徒然草』を読んで見る。【211】

　今日の文字は『鵺ぬえ』です。書体は行書です。今日読んで見ようと思う、『徒然草　第二百十段』を読んで見て、感じた文字です。

原文 現代文を見る 鵺

 

☆『東京新聞反論に違和感＝菅官房長官』
（時事通信社 2019/02/20 17:26）

　「菅義偉官房長官は２０日の記者会見で、東京新聞記者が事実に反する質問を繰り返したとして、首相官邸が内閣記者会に対応を申し入れたことをめぐり、同新聞が掲載した反論記事について、「（官邸側と同新聞側との間の）いくつかの重要なやりとりが掲載されていないなど、個人的に違和感を覚えるところもあるが、内容の詳細についていちいちコメントすることは控えたい」と述べた。」

　この記事だけでは、何のことか良く分かりません。どうもこの問題は昨年から続いているようです。

　別の所（産経ニュース　2019.2.13 17:50）で「首相官邸報道室は昨年１２月２８日、質問に事実誤認があったとして内閣記者会に書面で再発防止を要求。これに対し新聞労連は今月５日に「国民の『知る権利』を狭める」などと抗議する声明文を発表した。」との記事がありましたので、内容については一つの事柄でもなさそうです。

　一つの例として菅義偉（すが・よしひで）官房長官は、２月１３日に「米軍普天間飛行場（沖縄県宜野湾市）の名護市辺野古移設に触れ、辺野古沿岸部の埋め立て作業にかかわる名護市のセメント製造会社「琉球セメント」について「（記者は同社が）県の立ち入り検査を拒否しているということだったが、検査は受け入れている」と指摘。「事実と反している」と強調した。」との記述がありましたから、度重なっていたのでしょう。

　私が気になったのは、「国民の『知る権利』を狭める」と言う声明文です。新聞はあくまでも報道機関であり、国民の代表ではありません。常に知る権利を盾に強引な取材や記事を目の当たりにしていますと、情報の信頼性も失います。

　常に思う事ですが、「ペンは剣よりも強し」と言われますが、まさに言葉による暴力に気付かないで、コメントし、文章にしている事には違和感を感じています。記者には記者の言い分もあるとは思いますが、それなりの配慮が必要と思います。　
　
　さぁ、今日も一日元気で過ごしましょう。

スポンサーリンク

『現代文』

『「喚子鳥よぶこどりは春のものである」と言うだけで、どんな鳥であるとはっきり示した物はない。ある真言書の中に、喚子鳥なくときに死者の霊をまねいて供養する方法がある。これは鵺ぬえである。万葉集の長歌に「霞たつ永き春日の」などの言葉をつらねられている。鵺鳥も喚子鳥の様子に似通っていると思える。』

 

『鵺』

　この段の万葉集は、巻１の五にある軍王いくさのおおきみが詠んだものを引用したものだと思われます。この、「いくさのおおきみ」と言う言い方も、「コニキシノオホキミ」または「コニキシ」とも言われています。

万葉集　巻１の五　軍王いくさのおおきみ

【霞立つ　長き春日の　暮れにける　わづきも知らず　むらきもの　心を痛み　 ぬえこ鳥　うら泣き居をれば　　玉襷たまたすき　懸かけのよろしく　遠つ神　我が大君の　行幸いでましの　山越す風の　独り居をる　我が衣手ころもでに　朝夕あさよひに　還かへらひぬれば　大夫ますらをと　思へる我われも　草枕　旅にしあれば　思ひやる　たづきを知らに　網あみの浦の　海人処女あまをとめらが　焼く塩の　思ひぞ焼くる　我あが下情したごころ】

 

　私が言葉だけ知っている「鵺ぬえ」と言うのは、妖怪だったような記憶があります。そこで、また辞書を引いて見ました。

　「『平家物語』などに登場し、猿の顔、狸の胴体、虎の手足を持ち、尾は蛇。文献によっては胴体については何も書かれなかったり、胴が虎で描かれることもある。また、『源平盛衰記』では背が虎で足が狸、尾は狐になっている。さらに頭が猫で胴は鶏と書かれた資料もある。」
（出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』）

　ただ、現在ではスズメ目ツグミ科のトラツグミと言う鳥の説が有力です。写真で見ると可愛い鳥のように思えますが、鳴き声が不気味と言う事です。しかし、音声を聞いて見ると、ただ笛を吹いているようにしか聞こえません。まぁ、夜中に鳴かれると奇妙に感じられるでしょう。

　このトラツグミの声を聞いて見たい人はこちらにあります。【トラツグミの鳴き声】

　と、ここでもやはり兼好法師のメモ書きと思う事にします。