小学校六年生で習う、191字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。
表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。
小学校で習う漢字を書いてきました。これまで、續木 湖山先生が編集の毛筆書写事典を手本にして書きましたが、今は江守賢治先生が編集された楷行草、筆順・字体字典を手本に書いています。
理由は見やすさもありますが、五年生までは学年に応じた書体を書かれたと言う事で使わせてもらいました、江守賢治先生の場合は、より書道的な字体に編集されていると思いましたので、そろそろ大人の字体が良いと思い変更しました。
例えば、今までの「きへん」は、縦の棒(2画目)は最後止めて書いていましたが、従来の楷書の書き方は撥ねるのが一般的だと説明されていますので、その書き方に準じています。
171. [棒][ボウ][画数:12画][部首:木]
『掉棒打星』
僅か三四半世紀前に、日本では竹やりをもって空飛ぶB29(大型戦略爆撃機)を突き落とす訓練が行われていたといいます。
まさか、竹やりで飛行機を落とせるとは思っていなかったと思いますが、もしこれに反論しようものなら非国民と言われて村八分にされたと聞きます。
この言葉は正に棒で夜に見える星を落とすと言う、不可能な事、あるいは、思い通りにならずにもやもやした気持ちになる事を現わす時に使いますが、戦争当時は不可能を可能にしようと言う思いがあったのかも知れません。
楷書 |
行書 |
草書 |
172. [枚][マイ][画数:8画][部首:木]
『一枚看板』
「一枚看板」と言うのは、歌舞伎で使われる一枚の看板の事ですが、転じて組織の中心人物や、唯一の取り柄、あるいは一張羅の事も言うようです。
上方歌舞伎では、芝居小屋の前に八枚の看板を掲げるのですが、一枚目に主役、二枚目に美男役、三枚目に道化役の名前が書かれていたようですが、よく言われる二枚目と言うのはこの言葉から来たとされています。
楷書 |
行書 |
草書 |
173. [幕][マク][バク][画数:13画][部首:巾]
『燕巣幕上』
この言葉を見ると、幕の上に燕が巣を造っていると言う事だと思いますが、非常に不安定で今にも落っこちそうな感じです。
そんな不安定で危険な状況を現わす時に使える四文字熟語ですが、ちょっと時代に合わない言葉だと思います。
楷書 |
行書 |
草書 |
174. [密][ミツ][画数:11画][部首:宀]
『周密精到』
抜け落ちがなく、隅々まで行き届いている事をこんな言葉で言うのですね。
私が知っている言葉では、用意周到のような感じですかね。
ただこの言葉、「周密」も「精到」、どちらも同じ意味だと思いますので、同じ事を重ねて強調しているのでしょう。
楷書 |
行書 |
草書 |
175. [盟][メイ][画数:13画][部首:皿]
『柯会之盟』
この言葉は、中国の春秋時代の出来事から来ているようですが、約束を守ることで信頼を得ると言った意味に使われます。
当然の事ですが、約束は守るためにするもので、決して破るために約束はしないと思います。それでも、色々な環境の変化や状況が変わり、その約束を果たせない場合もあるのが世の中です。
そんな時には、約束は守れなくても、守る事に匹敵するような事をすれば、もしかしたら信頼を取り戻せるかも知れません。
楷書 |
行書 |
草書 |