サイトアイコン 髓心

中学校で習う漢字三体字典 Part10

スポンサーリンク

 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

46. [援][エン][画数:12画][部首:手]

『後方支援』

 別の言い方で、「兵站へいたん」と言う場合があります。私はこの言葉を初めて聞いた時、「へいたん」から受けるイメージで、何だか馬鹿にされたように思ったのですが、それはこの言葉の意味を知らなかったからに過ぎません。
 ですから、この後方支援と言う意味もしっかり頭に入れておく必要があると思います。
 確かに、最前線で戦っている人とは違うのですが、その戦いがスムーズに運ぶためにも必要な仕事だと思います。
 私が聞いたのは、何も戦争の事では無く、普通の会社での事です。会社でも直接お客様と接する仕事を、最前線と言うならば、総務や庶務と言った仕事は、後方支援にあたります。
 後方支援は縁の下の力持ち同様、華やかさや、目立って功績が評価される部署ではありません。しかし、この後方で滞りなく物資が整えられていないと、最前線で思った効果を発揮する事も出来なくなるのですから、車の両輪と言えます。
 ですから、国連で言われている平和維持活動の後方支援も戦争とは無関係とは言えないのですが、国際社会の秩序と我が国の憲法を鑑みた時、憲法違反とは言えないのは、何とも歯がゆい思いで政治が行われていると思います。

楷書 行書 草書

47. [][エン][けむ-る][けむり][けむ-い][画数:13画][部首:火]

『火のない所には立たぬ』

 そんな事が当たり前ではない世の中になったような気がしています。性善説ではありませんが、経済活動を主流にし、如何にも人間にとって一番大切なもののように財力を考えると、悪い事を考えて、火のない所から、煙を立てる人が出てくるようです。
 お互いに、人の噂、うまい話、風評には注意ですよ。

楷書 行書 草書

48. [][エン][さる][画数:13画][部首:犬]

猿』

 「見ざる、聞かざる、言わざる」でお馴染みの日光東照宮にある猿の彫刻です。眠り猫と一緒に、一度は見て見たかったなあと思いますが、多分生きている間には行けないでしょう。日本国中に存在しているようですが、私は知りません。
 これを「叡智」と フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』は解釈しているようです。
 論語をその根拠としている説もあります。その論語には「非礼勿視、非礼勿聴、非礼勿言、 非礼勿動」と書かれてあり、読み下すと「礼にあらざれば視るなかれ、礼にあらざれば聴くなかれ、礼にあらざれば言うなかれ、礼にあらざればおこなうなかれ」になります。この言葉から来ているとすれば理解出来ます。
 であれば、「礼にあらざれば」がどこかに消えてしまった「見ざる、聞かざる、言わざる」は、誤解されても仕方ありません。
 誤解を知ってか知らずか、そんな生き方をする事を処世術と思っている人がいます。
 この自己主張の強すぎる現在では、すこし歯止めになるかも知れませんが、正当な主張をするのであれば、遠慮する必要もないと思います。

楷書 行書 草書

49. [][エン][なまり][画数:13画][部首:金]

刀一割えんとういっかつ

 刀と名前が付いているからには、例え鉛であっても、なまくら刀であっても、一度くらいは物を切る事ができるのでしょう。
 後漢書ごかんじょにある言葉ですが、人生の中で一度位は何かの役に立つ事もできる、あるいは自分の微力を謙遜して言う場合にも使われるようです。
 ただ、逆に二度とは役に立たない事を言う場合もあるようです。
 私は素材は大切だと思います。
 しかし、人間の場合素材は、それほど優れていなくても、一途に没頭すれば、天才をも凌ぐと思っています。
 多くの人を指導してきましたが、天才で懸命に努力する者には勝る事は出来なくても、大概の場合、途中で天才と思われる人が挫折してしまう姿を多く見てきました。
 それより、さほど才に恵まれなくても、黙々と続ける事によって、知らない間に、天才に勝る人も多く目にしています。
 黙々と継続できる人こそ、天才かも知れません。

楷書 行書 草書

50. [][エン][ふち][画数:15画][部首:糸]

放曠ずいえんほうこう

 合縁奇縁と言う場合もありますが、その縁に縛られてしまうのが社会の付き合いかも知れません。
 出来れば、そんな窮屈な縁に縛られるより、この言葉のように、自由奔放に生きたいものです。
 それでも、この縁によって出来るグループも生きるためには必要な場合が多いものです。
 さて、あなたは、孤独を選びますか。それとも・・・。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の46.~50.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【援】手部(しゅぶ)・て・てへん
  2. 【煙】火部(かぶ)・ひ・ひへん・れっか・れんが
  3. 【猿】犬部(けんぶ)・いぬ・けものへん
  4. 【鉛】金部(きんぶ)・かね・かねへん
  5. 【縁】糸部(べきぶ)・いと・いとへん

 ・・・・つづく。

スポンサーリンク
モバイルバージョンを終了