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中学校で習う漢字三体字典 Part22

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 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

106. [][かき][画数:9画][部首:木]

くへば鐘が鳴るなり法隆寺』

 私でも知ってる俳句です。正岡子規の詠んだ句である事は知っています。
 しかし、どんな状態でどんな思いでこの句を詠んだのでしょう。
 正岡子規がこの句の前に、「法隆寺の茶店に憩ひて」と前書きがあつてこの句が詠まれたようなので、単にそこで季節の柿を食べている時に、法隆寺の鐘の音を聞いて、秋をしみじみ感じたものかも知れません。
 ただ、この時正岡子規は相当重い病気を患っていて、もしかしたら、これは正岡子規の想像であったかも知れません。
 もし、季節の柿をたべる事ができたら、きっと法隆寺の鐘の音も秋を感じさせてくれているのだろう。と勝手な空想を抱かせます。
 しかも、この句は、親交の深かった夏目漱石が送った「鐘つけば 銀杏ちるなり建長寺」の句へのお礼の句とも言われています。
 享年35歳という若さでこの世を去った、正岡子規の最後の奈良への旅だったとも云われています。

楷書 行書 草書

107. [][カク][画数:10画][部首:木]

廃絶』

 どうしても、今の暮らしを考え、経済を主流にすると、核廃絶には踏み切れないのかも知れませんが、私は、人間には立ち入ってはならない事も、あるのではないかと考えています。
 例えば遺伝子操作なども、神の領域と言われています。「核」がエネルギーとして、その廃棄物まで考えて使われるのであれば、そこで初めて経済の発展に寄与するべきだと思います。
 未だにその処理方法も決まっていない、しかも有害な物質をこの有限の地球上に埋設して、良い訳はありません。
 われわれ現在生きているものだけではなく、これからも続くであろう人間あるいは、生物、そしてこの地球のためにも、立ち止まる事も必要ではないかと思います。

楷書 行書 草書

108. [][カク][から][画数:11画][部首:殳]

『貝で海を量る』

 もし、本当に貝殻に海水を入れて、海の水を掻い出したとしたら、と考えると、まず生きている間に答えは出そうにありません。
 真剣に考えるとだめですよ。
 この言葉の意味は、僅かな知識で大きな事を考えてはいけないという意味でしょうが、あまり的を得た言葉とは思えません。
 ただこの言葉を聞いて、誰が貝殻で海の水を汲んで、海の大きさを知ろうとするのか、そっちの方に興味が湧いてしまいます。いくら何でも、そんな浅知恵の人ってこの世の中にいるのかと思ってしまいます。
 しかし、伊能忠敬と言う人は、17年間かけて、歩いて日本の地図を作ったのですから、まんざら馬鹿にしてしまうのも良くないと思います。

楷書 行書 草書

109. [][カク][画数:11画][部首:邑]

雲深かく うんしん

 「半歩崩拳ポンチュアン、あまねく天下を打つ」と言う言葉を聞いたのは、今からおよそ37年程まえになります。これは、形意拳の伝承者である 雲深を称えた言葉です。
 崩拳ポンチュアンと言うのは、故米山嘉一先生(日本空手道剛志会初代会長)から頂いた許鴻基師父の講義を収録した小冊子の中に弸拳ポンチェンとの記載がありましたが、この「半歩崩拳ポンチュアン、あまねく天下を打つ」はこの崩拳ポンチュアンという文字を使っているようです。
 しかし、技は同じ形意拳の技の一つです。
 私が当時習ったのは、劈拳ピーチェン攢拳ツァンチェン弸拳ポンチェン礟拳パウチェン横拳ハンチェンの五つの技でした。
 この 雲深かく うんしんと云われる人の弸拳ポンチェンは、半歩進む事によって世界を制するとまで異名をとって、今でも形意拳の世界では伝説となっている名人です。
 この 雲深かく うんしんと云う名人は、推定ですが、1820年 – 1901年の人と云われていますので、約150年程前の人だと思います。
 それにしても、半歩進むと言っても、空手道で言う、猫足と後屈立ちの中間の立ち方ですから、ホントにあるく幅くらいで、どんな相手も倒したと言うのですから、やはり名人と言っても過言ではないと思います。
 ちなみに、米山嘉一先生は、流派は違いますが、同じ空手の仲間で随分長い間懇意にしていただき、形意拳も一緒に稽古しました。
 また許鴻基師父が日本に来られた時に紹介してもらい少し手ほどきを受けました。残念ながら許鴻基師は50歳の若さで逝去されました。

楷書 行書 草書

110. [][カク][画数:13画][部首:車]

『比

 この言葉は、私の先生である、故佐々木武先生がまだ私が20歳前後の頃に言われたと記憶しているのですが、空手は相対的に比較してはいけない。絶対的な目を養って、それを基準にしなといけない。そんな意味の事を言われたと思います。
 当時は何のことか分かりませんでしたが、自分が審査をする立場になってから、しみじみと絶対的な目が大切であると感じた事があります。
 でなければ、審査ごとにその基準が変わってしまい、同じ初段であっても、前回の初段、前々回の初段、ひいては何年も前の初段とに実力差が歴然と出てきます。
 これでは、段位の値打も変わってしまいます。ですから、審査する立場の人は、その時に受審する人を比較して優劣を付けるのではなく、一つの基準を身体に染みつけて、審査するべきだと思っています。
 ですから、競技として比較して評価するのとは違う価値観を持つ必要があると思っています。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の106.~110.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【柿】木部(もくぶ)・き・きへん
  2. 【核】木部(もくぶ)・き・きへん
  3. 【殻】殳部(しゅぶ)・ほこづくり・ほこ・るまた
  4. 【郭】邑部(ゆうぶ)・むら・おおざと
  5. 【較】車部(しゃぶ)・くるま・くるまへん

 ・・・・つづく。

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