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中学校で習う漢字三体字典 Part23

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 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

111. [][カク][へだ-てる][へだ-たる][画数:13画][部首:阜]

世之感』

 これは四文字熟語ですから、通常の会話では使わないと思いますが、しかし、「之」を「の」に変えて「隔世の感」と言うとよく聞きますし、よく口に出す言葉だと思います。
 そして歳のせいか、最近は電車に乗っても、町に出かけても、人の服装などを見る度に、時代が変わった事を痛感します。
 特に、日本人だと思っていると、聞こえてくるのが外国語の場合が多いので、これにも驚かされてしまいます。
 また、電化製品にも、そしてコンピュータや乗り物にもやっぱり隔世の感があります。
 時代はどんどん変わっていくようですが、良い所はそのままであって欲しいと思うのも、やはり歳のせいかも知れません。

楷書 行書 草書

112. [獲][カク][え-る][画数:16画][部首:犬]

難きを先にし るを後にすかたきをさきにしうるをあとにす

 これも論語から出来た諺の一つです。「樊遅問知。子曰。務民之義。敬鬼神而遠之。可謂知矣。問仁。曰。仁者先難而後獲。可謂仁矣。」【雍也第六 20】。
 これは仁者、すなわち道徳的な人はまず難題を先にし利益をあとにする。と解釈する場合と、労苦を先にして利得を後にする、また、後に功を得と解釈する場合も見られます。

 いずれにしても、まず難題に取り組むのでしょうが、入試の試験などは、時間に限りがあります。ですから、まず簡単に解けるところから説いて行く方が理に適っています。
 世の中には、難しい事にも大小あり、時間に制限のある場合には、難しい事をやっている間に終わってしまう事も多々あります。 ゆっくりと時間が進んでいる時代とは違い、昨今は「時は金なり」を正に実感するようになりました。ですから、簡単に出来る事から済ませて行くのも大切な要素だと思います。
 しかし、この言葉を「功を得」と解釈すると、簡単な事をいくら消化しても、誰からの称賛も得られません。やはり、誰にも出来ない事、あるいはやりたがらない事
を苦労して成す事によって、人々から称賛されるのでしょう。

楷書 行書 草書

113. [][カク][画数:17画][部首:口]

鬼面きめんかくじん

 威嚇と言う場合もあります。世の中を見ると、人を威嚇して権威を保とうとする人がいます。
 確かに動物を見ていると、威嚇して戦いを避けようとしているのか、それとも、自分を鼓舞するためか、あるいは、威嚇が相手を蹴散らす、一定の効果があるのかも知れません。
 ただこの言葉は、鬼の面を被って相手を委縮させようとするのですから、中身がないと思います。ようするに空威張りにしかなりません。
 まだ、本当に脅威になるものが内にあって、その威力を使わないように、誇示しているなら、威嚇にもなるのでしょう。
 しかし、世の中の人の中には、法律で守られている事を盾にして、武力で戦えない事を知って、相手を威嚇する人もいます。案外そんな人が多いのではないかと、思う時もあります。

楷書 行書 草書

114. [][カク][画数:18画][部首:禾]

朝種暮ちょうしゅぼかく

 この言葉、なかなか方針が定まらない時に使うようですが、慌ただしい様子を表わす言葉として使った方がピンと来ます。
 朝に種を蒔いて、夕方には収穫しようとするのですから、それは慌ただしいですね。
 朝や夕方を使った言葉が結構あります。「朝令暮改」も「朝
夕錬」「一朝一夕」もそうですね。これは夜と朝ですが「夜討ち朝駆け」なども、営業職ではよく聞きます。
 生活には必ずついて回る朝と夕を重ねると、諺も人に通じやすいのかも知れません。

楷書 行書 草書

115. [岳][ガク][たけ][画数:8画][部首:山]

『富岳三十六景』

 という表記もあるらしいのですが、一般的には「富嶽三十六景」あるいは「冨嶽三十六景」だと思います。
 もちろん、葛飾北斎の富士山を色々な場所から描いた木版画の事です。
 三十六景と言いながら、四十六図があるのも面白いですね。いわゆる「重版出来じゅうはんしゅったい」です。黒木華さんが主演のテレビ番組で読み方も分かりました。意味は増刷の事です。
 富嶽三十六景も、初めは三十六景だったそうですが、人気があり十図追加して描かれたと云われています。
 少ない読書の中で、葛飾北斎と言う本は、小学生の時に読みました。その頃は絵を描くのが好きな少年でした。
 小学校の先生が家に来て、父に絵描にする事を勧めたのですが、父は商人ですから、即座に「それ儲かりまっか」の一言で頓挫したという事です。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の111.~115.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【隔】阜部(ふぶ)・おか・こざとへん
  2. 【獲】犬部(けんぶ)・いぬ・けものへん
  3. 【嚇】口部(こうぶ)・くち・くちへん
  4. 【穫】禾部(かぶ)・いね・いねへん・のぎ・のぎへん
  5. 【岳】山部(さんぶ)・やま・やまへん

 ・・・・つづく。

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