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中学校で習う漢字三体字典 Part33

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 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

161. [][キ][画数:6画][部首:人]

『歌舞

 辞書で引くと「技」も「伎」も同じ扱いです。例えば、「技巧・伎巧」「技能・伎能」「技芸・伎芸」です。
 しかし、こんな記事も見つけました。
 『「歌舞伎」は当て字で、明治時代に入ってから定着した。江戸時代は「歌舞妓」の表記も見られた。』【出典:歌舞「伎」のはなし 放送研究と調査 MAY 2010 45 山下洋子 NHK出版.】
 同じ出典で『「新・漢字表」には、漢音「キ」が採用される予定で、用例は「歌舞伎」だけである。一方、呉音「ギ」は採用されないが、用例は「伎楽」「伎芸」「雑伎」など「キ」よりも多い。なぜ、漢字表に「ギ」の読みが入らないのだろうか。「技」との使い分けが難しいことが理由として考えられそうだ。』
 山下洋子さんも、この文章を読む限りでは、納得されていないように感じるのです。
 私も何だか釈然としない気持ちです。歌舞伎のためだけに、「伎」の漢字を常用漢字に入れたとしか思えないのですが。

楷書 行書 草書

162. [][キ][い-む][い-まわしい][画数:7画][部首:心]

ききに触れる』

 普通「きい」と読む事が多いと思いますが、正しくは、「きき」です。「逆鱗に触れる」の方が解りやすいかも知れません。
 ようするに、相手の嫌がる事を言ったり、またはしたりして、怒らせる事です。
 「KYな人」もそうですね。もうこんな言葉も廃れたかも知れません。普通に言えば空気の読めない人のことです。
 知らない間に地雷を踏む事もあると思います。相手の事を全く考えない言動は、敵を知らない間に作ってしまうので、付き合う人の事は予め知っておいた方が良いでしょうね。特に会社関係など利害関係のある人の事は。
 しかし、いくら気を配っていても相手の嫌がる事が解からない事も確かにあります。今までに何度も不用意な発言をして反感を買っていたかも知れません。反省。

楷書 行書 草書

163. [][キ][画数:8画][部首:大]

『奇をてらう』

 どうも書道でも空手道でも、「奇を衒う」ようなものを好みません。
 芸術と呼んでいるものの中には、そんな意図が見え隠れしているようで、私の評価する対象から外れます。
 例えば空手の型でも、余分な動作を強調したり、歌舞伎のような仕草をしたりすると幻滅してしまいます。
 しょなどは、芸術かどうかは分かりませんが、デフォルメした物は書道という範疇から外して、イラスト的な扱いにしたらどうかと思います。確かに縦の線を長く引いて文字から受けるイメージを膨らませている書き方もあると思いますが、そういう書き方を書道とは別の分野にすれば良いかと、勝手に思っています。
 そういう強調した書き方が悪いとは思いません。ただ書道と言う分野とは切り離して欲しいと思うのですが。
 たとえば、書伎とか書芸とか、あるいは書アートなどと呼べば理解出来るのですが。外野は黙ってろ、と言われそうですね。

楷書 行書 草書

164. [][キ][いの-る][画数:8画][部首:示]

『加持祷』

 神社に行くと、大切な物の初めには、この加持祈祷をしてもらうと思います。例えば会社などの設立とか。
 しかし、ぼんやりとその意味は分かるのですが、加持とは、祈祷とは何なんでしょう。
 そこでまたまた辞書の力を借りる事にします。
 まず、加持とは「諸仏がその不思議な力で衆生を守ること」【出典:大辞林第三版 三省堂.】
 その辞書には「初め、密教の修法をいったがやがて民間信仰と混合した病気・災難の除去などの現世利益を願う祈禱をもいうようになった」とありますから、それが祈祷の意味でしょう。
 これは、信心する気持ちがないと、普段はしてもらわないと思うのですが、なぜか、不思議と何の疑問も持たずにお祓いをしてもらっています。
 神社が不思議な空間なのか、それとも日本人にはそんなDNAが継承されているのでしょうか。

楷書 行書 草書

165. [][キ][画数:9画][部首:車]

道修正』

 本来は、計画した通りに物事が運べば良いのですが、世の中の殆どの事が、計画通りには進む事が出来ません。
 アクシデントがある場合は、止む無く計画を修正せざるを得ませんが、計画が及ばない事もあります。そんな時にも軌道修正は必要になります。
 私が若い頃は、計画は出来る限り完璧にと思う方でした。しかし、見切り発車も大切と言う事を言われた事があります。その時は、そんないい加減な事は出来ないと思いましたが、考えている内にチャンスを逃してしまう事もあります。
 また、ビジネスモデルと言えるのかどうかは分かりませんが、マイクロソフトのOS(オペレーティングシステム)が売り出された時に、不完全な物を提供して、買った人が不備を提供し、それを改善していく方法を取ったと思うのです。
 それが今ではコンピュータの世界では一般化したように思います。正に見切り発車後に、軌道修正していると言えるのではないでしょうか。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の161.~165.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【伎】人部(じんぶ)・ひと・にんべん・ひとがしら・ひとやね
  2. 【忌】心部(しんぶ)・こころ・りっしんべん・したごころ
  3. 【奇】大部(だいぶ)・ダイ・だいかんむり・だいかしら
  4. 【祈】示部(しぶ)・しめす・しめすへん・ねへん
  5. 【軌】車部(しゃぶ)・くるま・くるまへん

 ・・・・つづく。

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