中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。
表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。
ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。
431. [囚][シュウ][画数:5画][部首:囗]
『未決囚』
囚人と言っても、既決囚と未決囚があるようです。
どうも合点が行かないのは、結審するまでは、犯罪者では無いのではないでしょうか。
囚人と言う言葉には、特に犯罪者と言う意味は無いのかも知れませんが、一般的な受け取り方は、犯罪者と同じような扱いだと思います。
こんな曖昧な言葉は、どうかと思いましたが、法律上ではもう使われなくなったようです。
受刑者・被疑者・被告人を昔は囚人と一括りにしたのでしょう。それでもこの言葉が法律上消えたのは平成7年と言いますから、そんなに古くはありません。
ですから、この「未決囚」と言う言葉も法律上では「未決拘留」の者とでも言うのかも知れません。刑が確定された時に、この未決拘留期間を参入するのはその為ですね。
しかし、刑が確定していない間に、拘留されるのは、現在の法律では仕方がない事だと思うのですが、外側から見ていると待遇にあまり差がないのは、改善するべきかと思います。
楷書 |
行書 |
草書 |
432. [舟][シュウ][ふね][(ふな)][画数:6画][部首:舟]
『幕末の三舟』
ドラマによく出てくるのは勝海舟でしょう。
ちなみに、この書は、左から高橋泥舟・勝海舟・山岡鉄舟のものです。みんな達筆なのに驚きます。
高橋泥舟の義理の弟が山岡鉄舟で、三人とも幕末の徳川では重要な人物です。それにしても三人とも剣の達人ですね。
その三人がそろいもそろって、こんな書を書けるのですから、そっちも凄いです。
もっと凄いのは、三人とも極貧の時代があった事です。
勝海舟の逸話は、色々ありますが、妻の民子さんがお嫁に来たときには、天井が抜けた家に、畳3枚だったと言いますから極貧だったのでしょう。
山岡鉄舟は「刀を食らうてしまう」と言う話が残っていますので、武士が大小を売って飯のタネにしようとするのですから、相当の貧乏でしょう。
その義兄が高橋泥舟です。貧乏旗本の山岡鉄舟が、高橋泥舟の生活の面倒を見ていたらしいのですから、想像に難くありません。
いずれにしても、その極貧で、頭が良く、人の面倒見が良く、かつ剣術の達人が、日本の夜明けを作った功労者になったのですから、これも天命なのかも知れません。
それでも勝海舟に至っては、妻の民子さんが「頼むから勝のそばに埋めてくれるな、私は(息子の)小鹿の側がいい」という遺言を残したと言いますから、複雑な気持ちになります。
楷書 |
行書 |
草書 |
433. [秀][シュウ][ひい-でる][画数:7画][部首:禾]
『眉目清秀』
「容姿端麗」と言う言葉はよく聞きますが、この言葉は初めてです。
「容姿端麗」と言うのは一般的には女性の事を言うらしいのですが、この「眉目清秀」や「眉目秀麗」と言うのは主に男性の場合だと辞書には書かれてありました。
どちらにしても、私には縁遠い言葉です。
なぜ、縁遠いか。知りたいですか。写真を見たら判ると思いますが、あえて言えば、眉目の眉は、無いに等しい薄さです。若い頃に、上司に眉毛がもう少し濃ければ、と言われた事もありました。目は、柿の種風ですから、ちっちゃいです。しかも垂れ目と来ていますから、とても涼やかとは言えません。
それでも、クヨクヨせずに生きてきました。男は顔じゃないと、慰めながら。
楷書 |
行書 |
草書 |
434. [臭][シュウ][くさ-い][にお-う][画数:9画][部首:自]
『臭肉来蠅』
「良心に恥じることがあると、悪者に利用されるということのたとえ。」【出典:四字熟語辞典ONLINE.】。
なるほど、腐った肉を、後ろめたい気持ちにした所が良いですね。後ろめたい気持ちでいると、悪い人がその臭いを嗅ぎつけるのかも知れません。
悪い事を考えたりする人は、そんな臭覚を持ち合わせているのかも知れません。
ニュースを見ると、災難に遭った人を対象に、あるいは弱い人を見付けては、悪だくみを考えているようで、腹立たしい限りです。
楷書 |
行書 |
草書 |
435. [袖][シュウ][そで][画数:10画][部首:衣]
『ない袖は振れない』
この言葉よく使います。近頃は本当にない袖ですから。それでも、若い頃は、そんな事もありませんでした。
無い袖ばかりを振っていたような時期もありました。特に見栄を張っているつもりはありませんでしたが、お陰で、借金が増えるようになりましたので、気が付きました。
借金してまで袖を振ってはいけません。
楷書 |
行書 |
草書 |