中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。
表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。
ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。
436. [羞][シュウ][画数:11画][部首:羊]
『羞渋疑阻』
色々な理由で、物事を決めかねて躊躇うこともあると思います。
その一つに恥ずかしいから、と言う事も入るのかも知れません。この言葉のように。
その要因は概ね気後れする事だと思います。いわゆる出しゃばりたくない、そんな気持ちが決心を鈍らせるのかも知れません。
ただ恥ずかしいだけなら、これは慣れることが一番の薬でしょう。
しかし、気後れするのであれば、すこし理論的に考え、正しいと思える方法を取れば良いのではないかと思います。
恥ずかしさよりも、正しいと思える方を優先すると、後がスッキリすると思います。
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437. [愁][シュウ][うれ-える][うれ-い][画数:13画][部首:心]
『愁苦辛勤』
「滿面胡沙滿鬢風 眉銷殘黛臉銷紅 愁苦辛勤顦顇盡 如今卻似畫圖中」、この白文は中唐の詩人白居易の王昭君其一と言う漢詩です。
「面に満つる胡沙 鬢に満つる風 眉は残黛銷え 臉は紅銷ゆ 愁苦辛勤して顦顇し尽くし 如今 却って画図の中に似たり」と読みます。
その中に「愁苦辛勤顦顇盡」がありますが、ここからこの四字熟語が出来たのです。
この題名に王昭君が出てきますが、この人は絶世の美女だったという事です。しかし、画師に賄賂を送らず肖像画を醜く描かれて、匈奴に嫁にだされたとか。そして都からの迎えを待つうちに異国の地で亡くなったのでしょう。
その苦労を詠ったもので、愁いと苦しみの多い辛いお勤めで、憔悴し切りとあります。
今では個人の意見が尊重される事が多いと思いますが、私が子供だった頃は、まだ個人の意志よりも家長の考えが通る時代でした。
その当時は自分の意思に反して、嫁に行く人も少なからずいたと思います。そして、この言葉通り「愁苦辛勤」に耐えたのでしょう。
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438. [酬][シュウ][画数:13画][部首:酉]
『貴酬』
今でも、こんな風習が残っているのでしょうか。風習と言うか、一つの礼儀でしょうね。同じような言葉に貴答と言うのがありますが、これならまだ理解出来ます。
確かに酬は、応酬の酬ですから、お返しの意味があります。
ただ、殆どメールで用が済んでしまうようになりましたから、手紙を書く事も少なくなったのではないでしょうか。
しかし、お礼状などが葉書にしたためられていると、なんだか嬉しい気持ちになります。
この手紙に敬意を表すため、返事を書く事を「貴酬」と言うのですね。また、脇付けに書く場合もあるとか。なんだか格好良いですね。
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439. [醜][シュウ][みにく-い][画数:17画][部首:酉]
『醜い家鴨の子』
ハンス・クリスチャン・アンデルセン原作の童話で日本でも有名な作品です。1843年にデンマークで発表されたと言いますから、明治維新よりも前になります。
この物語は、有名ですから殆どの人が内容は知っていると思います。ようするに、アヒルが白鳥を育て、醜いアヒルから、美しい白鳥になるまでの過程を描写したものです。
あらためて、菊池寛氏が訳したものを読んで見ました。興味のある方は、ネットにあります。URLを載せておきます。URL<https://www.aozora.gr.jp/cards/000019/files/42386_21530.html>
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440. [蹴][シュウ][け-る][画数:19画][部首:足]
『蹴る馬も乗り手次第』
「馬鹿と鋏は使いよう」と言う諺が直ぐに浮かんだのですが、どうもこの諺の意味する所とは違うようです。
まず、「蹴る馬」が主役のようです。乱暴で手が付けらない馬でも、調教次第で、乗りこなせる。そんな意味だと思います。
私には同じように思えますが、辞書を作る人には違うのでしょう。
なぜ、同じ意味に捉えたかと言うと、馬鹿も扱い方によっては、理不尽な行動をしますし、ハサミは遣い方によっては凶器にも変貌します。どちらも使う人次第でどうにでもなると思うのですが。
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