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中学校で習う漢字三体字典 Part193

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 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

961. [][ボク][画数:15画][部首:手]

『人の褌で相を取る』

 世の中には上手く立ち回る人が結構います。この諺のように人の手柄を、さも自分も関与したかのように振舞い、最終的には自分がやったように吹聴する人。
 よく考えて見ると、褌だとイメージが湧かないのですが、人のパンツは履きたくないですね。
 そんな気持ちもないのですかね、そんな横取り派は。
 そんな人の多くは、口が上手くて、自分の実力はからっきしない人。多分、自分の実力を上げる努力の時間を、横取りする事に費やしているのかも知れません。
 でも人生を振り返って見る事もあると思います。若い間は、そんな懐古趣味的な思いは、まるで眼中になかったのですが、老後静かに暮らしていると、そんな昔の事を思い出す事も、たまにはあるものです。
 そんな時に、僅かでも自分の実力を充実させるために、奮闘していたら、懐かしく思い出せると思います。

楷書 行書 草書

962. [][ボツ][画数:7画][部首:水]

悖徳はいとくぼつりん

 この言葉は、人の道を外れた事をすることですが、時々、人の道ってなんだろうと思う事があります。
 道徳観と言うのか倫理観と言えば良いのか、なんだかモヤっとしていて、掴みどころがありません。
 その点、宗教が拠り所となっている国は、カソリックであろうがプロテスタントであろうが、聖書を人間の規範としているのでしょう。
 明治時代の事になりますが、ベルギーの法学者、ド・ラヴレー教授から新渡戸稲造氏への質問が「あなたの国の学校では、どのような宗教教育をしているのですか?」でした。これに対して、その時は「何もしていません。」としか答える事が出来なかったそうです。そして、教授は「それではあなたの国では、どのようにして道徳を教えるのですか?」と続けたと言います。
 その答えとして「武士道」と言う書籍を執筆したそうです。
 しかし、日本はそんな教育は必要ないくらい、風土として道徳観が人々に浸透していたのではないでしょうか。
 新渡戸稲造氏の言う様に、武士道に集約される訳でもなくです。
 では、最近はどうなんでしょうね。西欧文化を取り入れ、戦後アメリカナイズされた日本は、浸透していた道徳観も、時と共に薄れてきた感じがします。
 確かに自由と言う二文字の持つ意味は、個人に取って掛け替えのないものでしょうが、責任の伴わない自由は、身勝手と思わざるを得ません。
 そんな時代が続くと、道徳も倫理もなおざりになってしまうような気がしています。

楷書 行書 草書

963. [][ボツ][画数:9画][部首:力]

牛溲馬ぎゅうしゅうばぼつ

 小便と大便がまた出てきました。今度は役に立たない代表として。
 牛の小便にどんな効能があるのか、馬の大便もその用途は解りません。
 しかし、馬糞は土壌改良効果が抜群と言う事も言われています。
 ただし、新型コロナウイルスに牛の小便が効くと言うのは、あくまでも偽情報ですから、呑まないようにしましょう。
 ここでは、役に立たないものとして四字熟語がありますが、「馬鹿と鋏は使いよう」と言いますから、場合によっては役に立つ場合もあるかも知れません。

楷書 行書 草書

964. [][ほり][画数:11画][部首:土]

『道頓

 大阪では有名な地名です。映画や小説の舞台にもなったと思います。
 一般的な知識としては、安井道頓が作ったと覚えた記憶があるのですが、安井道頓は大坂夏の陣で戦死とあります。
 その後を引き継いで、従弟の安井九兵衛(安井道卜(どうぼく))や安藤藤次(平野藤次)らが引き継ぎ、1615年(元和元年)に完成したとフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』に記述がありました。
 その安井道頓ですが、東横堀川と西横堀川を結んで木津川へ注ぐため、堀川の開削が始まった時の新川奉行に任命されたという事で、後に私財をかなり投じた功績で、道頓の名前が付けられたという事らしいです。
 ちなみに、道頓が戦死して4ヵ月後には完成したとありますから、殆ど完成していたのでしょう。

楷書 行書 草書

965. [][ホン][画数:8画][部首:大]

『自由放』

 現在の日本の総理大臣の奥さんの事ですか。
 大変ユニークな人柄だと思います。さて、この人は天真爛漫なのか天衣無縫の性格か、それともこの四字熟語のように自由奔放なのか。兎に角面白い。
 官僚は忖度して、やりだまに挙がっていますが、この人は、忖度のその字も感じない行動をしますね。ある意味凄いと思います。
 この地位でこれだけ自由奔放に振舞える人を、今まで見た事も聞いたこともありません。
 確かに言いたい事を言って、喧嘩腰に相手をやっつけようとする人は沢山いますが、この人の場合はそんな気持ちは、微塵も感じません。やっぱり只者ではないですよね。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の961.~965.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【撲】手部(しゅぶ)・て・てへん
  2. 【没】水部(すいぶ)・みず・さんずい・したみず
  3. 【勃】力部(りょくぶ)・ちから
  4. 【堀】土部(どぶ)・つち・つちへん
  5. 【奔】大部(だいぶ)・ダイ・だいかんむり・だいかしら

 ・・・・つづく。

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