中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。
表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。
ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。
976. [枕][まくら][画数:8画][部首:木]
『枕を高くして寝る』
なぜ、枕を高くする事が安心を生むのでしょうか。
そこでこの語源を調べて見ました。どうもその答えは『戦国策』や 『史記』にあるようです。
「為大王計 莫如事秦 事秦則楚 韓必不敢動 無楚 韓之患 則大王高枕而臥 國必無憂矣」これは、史記の張儀列傳16の一節です。この中に、「則大王高枕而臥」とのがありますが、これは、「大王は枕を高くして眠る」と解せます。この部分がこの諺の語源だと思います。
この次に「國必無憂矣」がありますが、これは「国に心配事が無くなる」と読めるので、枕を高くする事と安心する事が結びついたのでしょう。
では、なぜ、枕を高くする事と安心がイコールなのでしょう。反って眠りが浅くなるような気がするのですが。
ただ現在と違って、敵の来襲がいつあるか分からない、戦国時代ですから、物音にかなり敏感になり、注意していたのでしょう。
床に耳を付けて寝ていたのかも知れません。常に気を張って、眠りも浅かったと推測できます。
現在では睡眠に関する研究が進んで、枕も高ければ良いのでは無くなりました。ちなみに私は普通の枕を二つ並べて、その間に寝ています。これは寝返りを打つための方法らしいです。
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977. [又][また][画数:2画][部首:又]
『又従兄弟』
読み方は「またいとこ」、この読み方も聞きますが、「はとこ」とも言います。
文字で説明するより、図で示した方が解りやすいですね。
案外この親戚関係は、ややこしいです。この図にあるように、おじさん、おばさんも、お父さんやお母さんのお兄さん、お姉さんの事を叔父、叔母と言う漢字を使い、お父さんやお母さんの弟や妹であれば、同じおじさん、おばさんでも、伯父、伯母と漢字を使い分けるようです。
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978. [抹][マツ][画数:8画][部首:手]
『一筆抹殺』
コンピュータなら、何も考えずに、削除、とやってしまう事も度々ありました。
ただ、この言葉は、何も考えずに全て消してしまうと言う意味もありますが、今まで積み重ねた来た色々な実績などを考えないで、否定してしまう事もその意味の中に含まれています。
人生の中で、過去を消し去ってしまいたい事もあるかも知れません。しかし、それが実績や名誉のある事なら、残して置きたいのが人情と言うものです。
その点私などは、何もありませんから、否定したり、あるいは消し去っても、さほど後悔はしないと思います。
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979. [慢][マン][画数:14画][部首:心]
『自慢高慢、馬鹿のうち』
自慢は兎も角、うぬぼれなどは、自分の実際とは違うので、人から見ると馬鹿に見えると思います。
自慢話も、大概は取るに足りない事が多いので、あまり人に吹聴しない方が、反って人からの称賛を浴びるかもわかりません。ただ自慢の質によりますが。
ただ、本当に感心するような自慢話を、大げさに言わず遜って話されると、好感がもてるどころか、大したものだと尊敬さえします。自慢できる事がある人は良いですね。
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980. [漫][マン][画数:14画][部首:水]
『刺字漫滅』
「『刺字』は名刺の文字のことで、それがすれて読めなくなるという意味から、長い間、人を訪問していないこと。」【出典:四字熟語辞典ONLINE.】、この出自が「後漢書」とあります。
初めにこの説明を読んだ時、随分最近の話が四字熟語になったんだと、誤解してしまいました。
よく読むと、出自が「後漢書」とありましたから、そんな昔から名刺があったのだと、びっくりです。
辞書には、「刺字」の説明は、刑罰としての入れ墨のようです。
ただ、後漢書の中の 列傳 に文苑列傳下があり、その48番目に「至於刺字漫滅」の一文がありますから、やはり現在の名刺に代わるものがあったのでしょう。
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