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中学校で習う漢字三体字典 Part212

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 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

1056. [][リュウ][つぶ][画数:11画][部首:米]

『小言八百愚痴せんつぶ

 話し出すと、必要のないような小言や愚痴ばかりを言う人を揶揄して言う言葉でしょう。
 ただ、小言と愚痴の認識が、私の感覚では違うと思いますので、ちょっと場面が異なるのかも知れません。
 私が思っている小言は、文句や苦情だと思うのですが、辞書によると、文句や苦情以外にも不平もあるようです。
 また、小言には、重箱の隅をほじくるような小さな事をぐちぐち言うような意味もあるようです。
 愚痴のイメージは不満や不平が浮かぶのですが、この言葉は、仏教用語の貪瞋痴とんじんちの煩悩の一つから来ていて、道理に暗い事を言い、愚かな事を言いますが、勝手な自分の思い込みで心に迷いが生じて、結果不満が心に蔓延するのでしょう。
 ですから、小言にしても、目くじら立てるほどの事ではないのに、捉われてしまうのですから、やっぱり見過ごす事も必要だと思います。
 愚痴にしても小言にしても、出来ればそんな気持ちが起こらないような性格にしたいものです。

楷書 行書 草書

1057. [][リュウ][画数:11画][部首:阜]

蟷螂とうろうが斧を以てりゅうしゃに向かう』

 状況はちょっと無茶苦茶な、と言うか、そんなアホな。と思います。
 この話は荘子の「人間篇」にも出てきますから、紀元前300年前後の車がどのような物か分かりませんが、少なくともこの車に、カマキリが歯向かっても勝てる道理がありません。
 当時のカマキリが相当大きかったとは思えないので、現在のカマキリを想像すると、やっぱり誇張としか思えません。
 まだ、「窮鼠猫を噛む」方が現実的だと思います。
 いくら弱者でも、例えば人間が、奈良の大仏の大きさの者に戦いを挑むとは思えないのです。
 もう少し、現実味のある物を引用すれば、理解できるのに、と思ってしまいます。

楷書 行書 草書

1058. [][リュウ][画数:12画][部首:石]

酸』

 私の高校は、工業高校で、工業化学科に学びました。
 ですから、この硫酸は日常近くにありました。
 高校時代は、みんな好奇心が旺盛で多感な時期ですから、学校で習う以外の事も、実験してみたのです。
 硫酸でも、恐ろしいと思ったのは、濃硫酸です。雑巾を20cm位の厚み積み上げ、上から一滴、この濃硫酸を落とす実験をした事があります。
 まるで、氷に熱湯をかけたように、あっという間に穴が空きました。
 それから、濃硫酸は恐ろしい印象に変わりました。

楷書 行書 草書

1059. [][リョ][画数:9画][部首:人]

『二人は伴、三人は仲間割れ』

 昔からグループで三人は良くないと言われています。
 「三人旅の一人乞食」と言う諺もある位で、やはり二人の方が良いのでしょうか。
 一人が仲間外れになるのが、その理由に挙げられますが、そうなんですかね。
 確かに過去を振り返って見ると、自分の友人関係も三人と言う奇数は無かったように思います。多分何かの時に二人が組む場合が多いのかも知れません。必然的に一人はのけ者になるのかも知れませんが、偶数の場合はそんな心配はいらなかったと思えます。
 特に親友となるとそんなに多くは望めないでしょうから、一人できれば良いと思います。

楷書 行書 草書

1060. [][リョ][画数:13画][部首:虍]

『北南倭』

 昔中国が明と呼ばれていた時代に、南北から侵攻を受けた事をこの四字熟語で表しています。
 南は倭寇わこうと言う日本人による海賊が主体と言う説もあります。また北は、モンゴルであったとされています。
 ただ倭寇わこうに関しては、前期倭寇わこうと後期倭寇わこうがあるようで、後期の場合は、明から逃れた中国人が大半であったと云われています。
 明は王朝ですから、現在の中国と同じとするには、ちょっと難があるように思っています。確かに漢民族が主体の国ではありますが、主義主張が現在とは違うのですから、幾多の変遷を経て、現在に至っているのでしょう。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の1056.~1060.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【粒】米部(べいぶ)・こめ・こめへん
  2. 【隆】阜部(ふぶ)・おか・こざとへん
  3. 【硫】石部(せきぶ)・いし・いしへん
  4. 【侶】人部(じんぶ)・ひと・にんべん・ひとがしら・ひとやね
  5. 【虜】虍部(こぶ)・とらかんむり・とらがしら

 ・・・・つづく。

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