『基本と原理原則』....<5/6>
では、なぜ、「型」と書き「かた」と呼称するかを説明しましょう。
「型」と「形」は、双方とも読み方としては「かた」と読むことができます。
辞書による解釈はつぎのようになっています。
(1)外見に現れたかたち。かっこう。《形》
(2)相対的な特性によって区別される性質や形態。タイプ。《型》
(3)同種類の物を幾つも作る時、基にする枠や紙。ひながた・鋳型・型紙など。《型》
(4)スポーツ・芸道などで規範とされる一定の体勢や動作。フォーム。
「柔道の―」「―が決まる」
(5)習慣で決まっている形式。しきたり。慣例。《型》
(6)~(11)省略
(12)(「がた」の形で)
(ア)名詞の下に付いて、ある物に似たかたちをしていることを表す。《形》
「扇―」「ピラミッド―」
(イ)名詞や形容詞の語幹の下に付いて、ある性質・形式をもつことを表す。《型》
私は、上記の意味から形は、瞬間に見られる「さま」「状態」であると定義付けることにしました。このことから、「形」は、技術の総称と言えます。
なぜ技術の総称であるかというと、技術を、「技」と「術」とに分けて考えるほうがより解り易いと思うからです。技は方法であり、術はそのコツと理解しています。したがって「技」が極められた瞬間の状態を「形」と呼び、「技」の結果としての出来不出来を判断する材料としています。(スポーツではフォローと呼ばれることがある)
したがって、攻防の形(技術)を編成している平安・鉄騎・抜塞・観空などの名称で呼ばれているものを「型」と呼ぶことにしました。ちなみに、平安・鉄騎・抜塞・観空などの漢字をあてはめた呼び方は、松涛館独特のもので、他流では若干の違いはありますが、ピンアン・ナイファンチ・パッサイ・クーシャンクーなどと呼ばれています。