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お習字から書道へ Section 45

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 昨日、印材(石)が届いたので、落款印を彫って見ました。
 左は前に彫った物で、右が昨日彫った物です。

 前に彫った物は、15mm角(5分)でしたが、今回は半切に押すために少し大きめ21mm角(7分)を購入しました。
 印材は、安くて助かります。1個320円でした。
 
 さて、今朝も文字を選んで書く事にします。

 この文字を選ぶときには、『楷行草筆順・字体字典』から、上手く書けそうな文字と、難しそうだな、と思う文字の二種類の文字を選ぶようにしています。

 前回は、「つのへん」「くるまへん」を取り上げました。
 文字は、「解」「触」、「軍」「軽」「輸」、を楷書で、「解」「触」「軽」「輸」を書写体で書きました。

 今回は、「おんなへん」「こへん」を取り上げました。
 文字は、「好」「妻」「婆」、「孔」「学」「孫」、を楷書で、「妻」「婆」「学」「孫」を書写体で書きました。
 


 「好」は、物心ついてから、ずっと書いてきましたから、かれこれ60有余年。最も難しい文字だと思っています。お習字の通信教育を受けたころ、今から一年半ほど前ですが、そのころは、課題に必ず姓名を書きました。その時から、このような文字になりました。
 注意している点は、一画目の収筆の方向に向けて、「子」の二画目をはねることです。
 あとは、「女」の起筆の位置が重要なポイントだと思います。この部分はまだ出来ていません。 
 
 
 「妻」と言う字のポイントは、上下の部分の納まり具合によると思っています。ですから、「女」と言う文字は、扁平に書く事と、「女」の一画目を上の縦画の位置から書き出す事だと思っています。
 
 楷書も書写体も中心線が曲がらないように、上下を組み合わせれば、安定すると思います。

 書写体は、短い横画が並びますので、縦長になりやすく、注意が必要です。

 


 「波」と言う文字だけだと形が取りやすいのですが、下に「女」の文字が来ると、途端に不安定になります。

 手本を観察して書いているのですが、いま一つ再現出来ませんでした。

 

 

 「孔」のポイント、右側の旁の曲げる位置にあると思っています。
 全体的に、楷書は右上がりに書くのが原則と思いますが、この文字は、通常よりも少し右上がりを強くした方が安定します。

 偏の「子」の一画目の短い横画の線上に、旁の起筆を置く事も大切な要素だと思っています。これは、手本を観察しての感想です。
 

  

 「学」は楷書と書写体のバランスの取り方が、全く違いました。同じように今まで思っていましたが、こうして手本を見て書くと、上の部分の占める割合が、書写体の方はかなり縦長に書かれてありました。

 何となく書いて見た字と比べて見ると、確かに上の部分が窮屈になってしまいます。

 書いた直後は、なんだか下の部分が押さえつけられたように思ったのですが、しばらくして見ると、案外バランスが取れているように感じました。

 これも、観察眼というものかも知れません。
 

  

 手本を観ないとこの「孫」の文字は書けないでしょう。上手くバランスが取れたように思います。

 書いてから思ったのですが、この楷書の場合は、右側に底辺がくるペナントの三角形をイメージすることで書きやすくなると思いました。

 書写体の方は、旁の一画目と「子」の一画目の横画の角度を同じにして、「子」の一画目の横画の方向と同一線上に旁の一画目を書く事が、バランスを取ってくれると思います。
 

   
 一口メモ 

 前回からの続きで、『はじめての書道楷書』(関根薫園著)で、中国の李淳と言う人の手による「結構八十四法」と言う文字の組み合わせ方を説明していきたいと思います。

 今日は第十九回目です。取り上げるのは、「しゃ」「せい」「じゅう」「へい」の4つです。

 「しゃ」これは名前のように斜めに書く文字の事です。「母」を例にあげています。斜めと言うのは、縦画が斜めに書くのですが、あまり斜めになり過ぎても良くありません。例の「母」は中の点が線になって横画を貫いて斜めに払っています。ですから、余計に縦画が斜めに並ぶことになります。ここでは、中心点を失わないよう説明があります。

 「せい」は、例も「正」をあげて、四方に片寄らずに書く事、とあります。説明では「正しく」と書いてありますが、何事においても「正しく」と言う言葉を見かけますが、説明を受けている側としては、一番難解な言葉だと思っています。

 「じゅう」は、上下に同じ字画が重なっている場合、「呂」を例にあげていますが、口が上下にあり、活字のように真ん中に点がありません。しかし、文字としては同じようなので、参考になると思います。上の文字を小さく、下の文字を大きく書く、となっています。

 「へい」と言うのは、同じ文字が横に並んでいる場合の書き方です。「竹」を例にあげて、左にある字画を小さく、右にある字画を大きく書く事がポイントとの説明があります。

 

【参考文献】
・青山杉雨・村上三島(1976-1978)『入門毎日書道講座1』毎日書道講座刊行委員会.
・高塚竹堂(1967-1982)『書道三体字典』株式会社野ばら社.
・関根薫園(1998)『はじめての書道楷書』株式会社岩崎芸術社.
・江守賢治(1995-2016)『硬筆毛筆書写検定 理論問題のすべて』株師会社日本習字普及協会.
江守賢治(1981-1990)『常用漢字など二千五百字、楷行草総覧』日本放送出版協会.
・江守賢治(2000)『楷行草筆順・字体字典』株式会社三省堂.

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