小学校五年生で習う、193字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。
表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。
91. [識][シキ][画数:19画][部首:言]
『才余りありて識足らず』
いわゆる天才と言う人は、一種独特の雰囲気を持っている人がいる事も、偉人の伝記を見ると想像はできます。
この「識」は知識ではなく、見識だと思います。要するに常識や判断力などが足りない事です。
全ての天才がそうであると断定する事は出来ないですが、何かに秀でると言う事は、何かに欠けている事があっても不思議な事ではありません。
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92. [質][シツ][シチ][チ][画数:15画][部首:貝]
『羊質虎皮』
「馬子にも衣裳」の場合は、身なりによって立派に見えるのですが、この場合は、どんなに立派な身なりをしても、中身が伴わなければ、何にもならない事を言う時に使います。
礼儀の面から見ると、立派な身なりは必要ないと思いますが、分相応な相手に失礼のないような服装は心がけたいですね。
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93. [舎][シャ][画数:8画][部首:人]
『祇園精舎』
「祇園精舎の鐘の聲、諸行無常の響あり。」で始まる平家物語の冒頭の一節に出てきます。
京都の八坂神社は明治以前は、祇園社と呼ばれていて、その界隈を祇園と呼んでいたそうです。
実際の祇園精舎はインドのコーサラ国にあった寺院ですが、梵鐘は無かったようです。現在は2004年に日本の「日本国祇園精舎の鐘の会」が梵鐘と鐘楼を寄贈したようです。
梵鐘は中国が発祥とされていますので、インドには無かったようです。
しかし、祇園精舎の中の無常堂には、ガラスか水晶の鐘があったようです。ですから、梵鐘では無かったけれど、鐘があったのですね。
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94. [謝][シャ][あやま-る][画数:17画][部首:言]
『報恩謝徳』
当然と言えば当然、恩に報いる事ができなくても、感謝の心を忘れては人道に悖ると言えます。
人生には浮き沈みがつきもので、良い時も悪い時もあると思います。感謝の気持ちを忘れずにいれば、恩に報いる事が可能な時も来ると思います。
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95. [授][ジュ][さず-ける][さず-かる][画数:11画][部首:扌]
『口授』
「口伝」と言うのは聞きますが、「口授」と言うのは初めて知りました。良く調べてもあまり違いが見つかりませんが、「口伝」には書いた物も含まれるようです。
この伝承方法は、一つには一子相伝のように、外部にもれないようにする事があると思いますが、もう一つには口伝えで無いと伝わらない場合もあると思います。
口伝えと言うのは、言葉によってだけではなく、その言葉が、真意を伝えられるような相互関係が出来上がった状態で、やっと伝えられると言う事もあると思います。
空手道の場合は、動きやタイミングが含まれますので、形だけ同じように出来ても、それは伝えられた事にはならないと思っています。
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