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学校で習う漢字三体字典【小学五年生編】Part160

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 小学校五年生で習う、193字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

156. [][ハン][おか-す][画数:5画][部首:犭]

罪』

 色々な犯罪があります。よくこれだけ、わけのわからない事を、人はするなと思います。
 それだけ善悪に対しても考えが違うのかも知れません。
 この違いは、果たして生まれや育ち、教育によって培われるのでしょうか。
 それとも、人間はそのように生まれているのでしょうか。「正常と異常のはざま」と言う本があります。著者は森省二という愛知みずほ大学人間科学部教授です。
 自分は正常と思っていても、もしかしたら、はざまに居るのかも知れません。いやある部分では、はざまを通り越して異常の域にいるのかも知れません。

楷書 行書 草書

157. [][ハン][バン][画数:7画][部首:刂]

官贔屓ほうがんびいき

 まず、私は「はんがんびいき」と読みますが、どちらでも良いようです。
 要するに弱い者に同情した見方をしてしまう事です。しかし善悪を決める時には、薄情なようですが、あまり良い感情とは言えないでしょう。まず根拠のある判断をするべきだと思います。

楷書 行書 草書

158. [][ハン][画数:8画][部首:片]

籍奉還はんせきほうかん

 明治維新の時に各藩を土地と人民への支配権を朝廷に返還した事は知っていましたが、こんな漢字を書くのですね。特に「版」が「土地」を表すのは今回初めて知りました。この後で廃藩置県が行われたのですね。

楷書 行書 草書

159. [][ヒ][くら-べる][画数:4画][部首:比]

『万邦無

 別の言葉で言えば「天下無双」、比類のない優れたものを言う時に使います。この場合はどの国を探しても、これより秀でたものを見つける事ができないと言う意味ですね。
 いくら世の中は狭くなったとは言え、まだまだ知らない事、未知のものはあるようです。そんな言葉を使ってもよいのでしょうか。

楷書 行書 草書

160. [][ヒ][こ-える][こえ][こ-やす][こ-やし][画数:8画][部首:月]

『天高く馬ゆる秋』

 大辞林第三版には、「〔漢書 匈奴伝「匈奴至レ秋、馬肥弓勁」による〕」と書かれています。匈奴きょうどと言うのは遊牧民族の事ですから、秋になると馬も肥え強い弓で冬に備えるため襲ってくる。そんな意味があるのかも知れません。
 我々が考える清々しい気候になって食欲も進むと言うのと、ちょっと意味が違うようです。
 それでも、日本ではやはり秋は色々な意味で、清々しくもあり、物寂しく感じる事もあり、物思いにふけるのに適した気候かも知れません。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在小学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いています。初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、小学五年生の文字の156.~160.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【犯】犬部(けんぶ)・いぬ・けものへん
  2. 【判】刀部(とうぶ)・かたな・りっとう
  3. 【版】片部(へんぶ)・かた・かたへん
  4. 【比】比部(ひぶ)・ヒ・ならびひ・くらべる
  5. 【肥】肉部(にくぶ)・ニク・にくづき

 ・・・・つづく。

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