『組手考察』....<7/10>
当然基本から一つ一つ体に染み込ませていく必要があります。
技術の習得なくして、いかに道理を悟ろうとも本物ではありません。
最終的には「理」と「事」は車の両輪。二つが一つになって無意識に働く様になる事が必要です。
4.間不レ容レ髪
禅問答では問う者と答える者の間に全くの間を取りません。その無意識の状態から無意識の状態への問いかけと答えにより煩悩があるかないかを検知します。
まさに髪の毛ほどの間も置かないという意味です。
5.石火之機
これも4と同じで石を打って火がでる様を説明しています。
6.心の置所
一方にやらなければ、かえって十方が満たされる。
一ヵ所に執着させなければ逆に全身に充実して抜けた所が無いのと同じになります。
7.本心妄心
本心の状態を失うと、どこか一方に囚われるので他の用が欠けてしまいます。
臨機応変が自在に出来る様に本心を失わない事が大切です。
8.有心之心無心之心
一ヶ所に止まらず、分別や思案も何も差し挟まない心であって、水の様に伸び広がって自由に全身に行き渡った心の状態を無心と呼ぶのです。
9.水上打・胡蘆子・捻着即轉
ここでは、水の上に浮いた瓢箪を押した状態と心の有り方を結び付けて説明しています。
10.應無所住而生其心
技を使う時に、「こうやってやろう」と思う心が生ずると、その思いに心が止まってしまいます。
技を使うような時にも、或は攻防をやる間にも、少しも心をとらわれることなく、無心に心を働かせなさい 自在の本心を生じさせなさいという事です。