【五輪書から】何を学ぶか? |
ひょうひょうとして、何を考えているのか、掴みどころのない人っていますよね。競技空手の世界でも、チャンピオンになる人は、私から見ると、そんな感じに見えます。
何事でも「過ぎたるは及ばざるが如し」と言いますから、気が入り過ぎても、入らなくてもだめだと思います。
空手やスポーツの世界は兎も角、近頃の犯罪者を見ると、とても犯罪を犯すように見えない人が犯人として捕まってます。
そんな人に限って、捕まる前にテレビで、いけしゃあしゃあと、ウソをついています。こんなに、うまく嘘をつかれたら、私だったら直ぐに騙されてしまうと思います。
コンピュータの世界でも、何のためにウイルスなんか作るのか、チンプンカンプンです。もう、鼬ごっこです。
少なくとも、世の中の上に立つ人は、善人であってほしいと願います。
【火之巻】の構成
1. 火之巻 序
2. 場の次第と云事 3. 三つの先と云事 4. 枕をおさゆると云事 5. 渡を越すと云事 6. 景氣を知ると云事 7. けんをふむと云事 8. くづれを知ると云事 9. 敵になると云事 10. 四手をはなすと云事 11. かげをうごかすと云事 12. 影を抑ゆると云事 13. うつらかすと云事 14. むかづかすると云事 15. おびやかすと云事 |
16. まぶるゝと云事
17. かどにさはると云事 18. うろめかすと云事
19. 三つの聲と云事
20. まぎると云事
21. ひしぐと云事
22. 山海の變りと云事
23. 底をぬくと云事
24. あらたになると云事
25. 鼠頭午首と云事
26. 将卒をしると云事
27. 束をはなすと云事
28. いはをの身と云事
29. 火之巻 後書
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11. かげをうごかすと云事
かげを動かすと言うのは、敵の心の動きが読めない時の事である。合戦では、どうしても敵の情勢がわからない時は、我方から、強く仕掛けるように見せて、敵の手立てを見る。手立てが見えれば、違う勝つ方法を考える事ができ、勝つ事は易しい。
又、一対一の戦いでも、敵が後ろに太刀を構えたり、脇に構えたりしている時は、急に打とうとすれば、敵の心は太刀に現れるものである。現れて知る事が出来き、勝つ方法を考えれば、確かに勝てると思うことである。しかし、油断していると、勝てる拍子がぬけてしまう。よく熟慮すること。
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『私見』
これも、スポーツ全般、武道においては尚更であると思います。「かげ」と言う言葉が、現代人には馴染みがなく、含蓄のある言葉のように錯覚してしまうのは、私の浅学のためかも知れません。
よく意味合いを考えると、フェイントを掛けて、相手が何を考えてるかを知りなさい。と、言っているのだと思います。
フェイントと言うと、相手の出方を知るだけではなく、相手を惑わせる事が多いと思いますが、武蔵が言う、相手の手の内を知る事の方が、実戦的であると思います。
左の写真は、自由組手の一コマで、私が左の手で上段突き(フェイント)をして、相手の出方を窺った一瞬です。(相手は礒田師範です)
相撲の立ち合いの場合は、一度待ったをして、相手の出方を見る力士をよく見かけます。その時の両者の心境を考えると、結構見ごたえがあります。
この事は、武蔵が言う「かげ」を動かしたのではないでしょうか。もちろん、相撲もルールがありますから、目に余ると、審判に叱られる事になりますが。それでも力士は、給金が懸かってますから、負けるわけには行きませんね。
【参考文献】
・神子 侃(1963-1977) 『五輪書』徳間書店.
・佐藤正英(2009-2011) 『五輪書』ちくま学芸文庫.
【参考サイト】
・播磨武蔵研究会の宮本武蔵研究プロジェクト・サイト「宮本武蔵」http://www.geocities.jp/themusasi2g/gorin/g00.html
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