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地震から四日目ですが、まだライフラインが復旧できずに、不便な生活をされている人も沢山いると、ニュースで見ました。
それほど遠くない地域で起こっている事ですから、常日頃から心の準備は、しておかなくてはならないのかも知れません。
今朝も文字を選んで書く事にします。
この文字を選ぶときには、『楷行草筆順・字体字典』から、上手く書けそうな文字と、難しそうだな、と思う文字の二種類の文字を選ぶようにしています。
前回は、「つちへん」「たまへん」「たつへん」を取り上げました。
文字は、「地」「坂」「型」、「玩」、「章」「端」、を楷書で、「玩」「章」「端」を書写体で書きました。
今回は、「あしへん」「やまへん」「くちへん」を取り上げました。
文字は、「距」「路」「蹴」、「岐」「岩」、「右」「名」「君」、を楷書で、「距」「路」「岐」「岩」「右」「君」を書写体で書きました。
「あしへん」と言うのは、上にある「口」と下の「止」のバランスが難しい文字です。「口」が大きすぎると頭でっかちになって不安定になりますし、小さいと落ち着きがなく感じます。
楷書の方は少し「口」が小さかったように思います。書写体くらいの「口」がしっくりするようです。
文字のバランスは、部分の面積により重さがあるように思いますので、これがバランスを調整する上で重要な要素になると思います。
楷書の「路」は、バランスはそこそこですが、少し縦長になり、間が抜けた感じがします。
書写体の方は、あまりにも部分の繋がりがないように思ったので、字自体もバラバラの感じです。
見た感じはそんなに悪くもないと思うのですが、この文字は見慣れていないせいもあるかも知れません。
「蹴」は、漢字としては、空手でよく使うのですが、今回は、一口メモにある、「三勺」や「左右占地歩」あるいは、「中占地歩」の結構法をイメージしたのですが、どの結構法も当てはまらないように思いました。
手本から受けるのは、中の「京」の文字をできるだけ細く長く書かれてあるように思い、そのイメージで書きました。
「岐」を書く時は、偏にあたる「山」と旁になる「支」の幅を同じくらいに扱い、「山」は縦の中間になるように書き、「支」は、縦の長さを十分に使って、左払いの収筆で「山」を下から支えるようにしました。
自分では、楷書、書写体ともまずまずの出来だと思っています。
「岩」と言う文字が、こんなに書きにくいとは、思いませんでしたが、いざ書いて見ると、横画がバラバラになってしまったように思います。
書写体の方も、いまひとつパッとしません。
「右」の書写体は、このように書くのですね。初めて見ました。
「右」と「左」では、部分は同じようですが、書き順が違う事と、横画の長さによって、こんなにも違う文字になるのですね。
しかし、楷書、書写体とも上手く書けた方ではないでしょうか。
「名」の一番気を付けたいのは、一画目の左払いでしょう。左斜め下に払うのですが、もう少し二画目の払いとのバランスを開いた方が、良かったと思います。
「君」は、楷書、書写体とも違ったポイントだと思います。
楷書の方は、横画に変化を持たせ、書写体も変化を持たせるのですが、徐々に角度を変えて行くようにしました。
これは、手本を観察しての事ですが、文字的には調和したように思っています。
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【参考文献】
・青山杉雨・村上三島(1976-1978)『入門毎日書道講座1』毎日書道講座刊行委員会.
・高塚竹堂(1967-1982)『書道三体字典』株式会社野ばら社.
・関根薫園(1998)『はじめての書道楷書』株式会社岩崎芸術社.
・江守賢治(1995-2016)『硬筆毛筆書写検定 理論問題のすべて』株師会社日本習字普及協会.
江守賢治(1981-1990)『常用漢字など二千五百字、楷行草総覧』日本放送出版協会.
・江守賢治(2000)『楷行草筆順・字体字典』株式会社三省堂.