文武両道のために・・・・『徒然草』を読んで見る。【134】

 今日の文字は『まくら』です。書体は行書です。今日読んで見ようと思う、『徒然草 第百三十三段』を読んで見て、感じた文字です。

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『ノーベル物理学賞のメダル、1・1億円で落札』
(読売新聞 2018/12/01 22:28)

「【ニューヨーク=橋本潤也】米国の著名な物理学者リチャード・ファインマン氏(1918~88年)が受賞したノーベル物理学賞のメダルが11月30日、ニューヨークの競売会社サザビーズでオークションにかけられ、97万5000ドル(約1・1億円)で落札された。

 ファインマン氏は1965年、量子力学発展への業績で朝永振一郎氏らとノーベル賞を受賞。受賞を知らせる電話が未明にあったことに憤慨するなど、自由奔放な性格でも知られる。第2次世界大戦中、原子爆弾を開発する「マンハッタン計画」に参加した経験も持つ。

 家族が提供して競売にかけられたのは、メダルのほか、本人の思考の過程を知ることが出来る研究資料や、サイン入りの著書など。広島への原爆投下後に語った内容が記されたメモや、打楽器が得意な本人がブラジルで購入したタンバリンなども競売にかけられた。」

 売る方も売る方ですが、買う方も買う方。どうかしてますね。

 この売った人は特殊なのかも知れませんが、それでも、このごろのノーベル賞、問題が多すぎますね。そろそろ潮時かも知れません。

 ○○賞や勲章も、どんどん広がって、価値が薄くなっているように思います。

 貰えるいわれもない私が言うのも何ですが、初めから価値があるかどうかも疑問です。でも、ほしい人はいるんですね。

☆ ハズキルーペの渡辺謙さんのセリフではないですが、「長すぎて読めな~い」と、言う方、今日のブログは、短いですよ。 

 さぁ、今日も一日元気で過ごしましょう。

 
徒然草 第百三十三段 〔原文〕

夜の御殿おとゞは東御枕なり。大かた東を枕として陽氣を受くべき故に、孔子も東首し給へり。寢殿のしつらひ、或は南枕、常のことなり。白河院は北首に御寢なりけり。「北は忌むことなり。また、伊勢は南なり。太神宮の御方を御跡にせさせ給ふ事いかゞ」と、人申しけり。たゞし、太神宮の遥拜は辰巳に向はせ給ふ。南にはあらず。

 

 

『現代文』

 まず、我流で現代文にしてみましょう。

『清涼殿にある天皇の御寝所は、東に枕を置いている。大抵東を枕にして陽気を受けるのは、孔子も東を向いて寝ていた。寝殿の作り方は、東に枕で、場合によっては南に枕を置く事が通常である。

 白河上皇は、北を枕にお眠りになった。「北枕は忌み嫌われる。また伊勢神宮は南にある。伊勢神宮に足を向けて寝るのは如何なものか」と、人が言った。ただし、伊勢神宮への遙拝は辰巳(東南)に向かってする。南ではない。』

 

 

『枕』

 今でも、北枕は亡くなった時にしかしません。こんな理由とは知りませんでした。

 頭北面西右脇臥ずほくめんさいうきょうが、と言いますが、意味は、「頭を北に、顔を西に向け、右わきを下にし、横になった姿勢。釈迦の入滅のときの姿。」(出典:大辞林第三版 三省堂.)で、お釈迦様が亡くなった時に北枕だったと言うものです。しかし、これもインドの風習で故郷のある方向に寝る習慣だったとか。

 インドでは、北に極楽浄土があると信じられていて、北枕は良い意味に使われていたようですが、インドから中国に渡り日本に伝えられた時に、北枕は縁起が悪いと間違って解釈されたようです。

 そもそも、この段にしても、京都から見て南の方角に伊勢神宮があり、足を向けて寝てはいけないのだとしたら、これは、伊勢神宮から見て北の方向にある地域だけのもので良いはずですが、いつの間にか日本全国に広まってしまったようです。

 ですから、兼好法師が頑張って、白河上皇の肩を持って、辰巳の方向と弁解と言うか、詭弁に聞こえますが、擁護しても、さほど説得力のあるものでもなさそうです。

 現在では、地球の磁場の関係から、北を向いて寝ると、血行が良くなり、疲労回復の効果があると言う人もいるくらいです。

 確かな事は分かりませんが、北向きの部屋は涼しいので、頭寒足熱から言っても健康には良いのかも知れません。

 残念ながら、私は冬になると、どっちを頭にしても、帽子を被らないと、寒くて眠れません