文武両道のために・・・・『徒然草』を読んで見る。【160】

 今日の文字は『けつ』です。ここでは、むすびと言う意味で書きました。書体は草書です。今日読んで見ようと思う、『徒然草 第百五十九段』を読んで見て、感じた文字です。

原文 現代文を見る

 

★『中国漁船団が大接近 水産庁側、危険回避で撤収』
(株式会社 産経デジタル 2018/12/28 07:33)

 「鹿児島県沖の日本の排他的経済水域(EEZ)で11月、水産庁の取締船「白萩丸」から立ち入り検査を受けていた中国漁船が同庁職員12人を乗せたまま半日以上逃走した事件で、漁船を追跡する取締船に多数の中国漁船とみられる船団が接近していたことが27日、同庁への取材で分かった。漁船団と対峙すれば、船舶事故など大きなトラブルになる可能性があるとの判断から、取締船は職員らの収容を優先せざるを得なかった。
—–中略—–
 外務省によると、問題を受け11月7日、中国側に「停船命令を無視し、わが国の当局者を危険にさらす行為」と厳しく抗議し、違法操業の証拠も示して調査を要請。中国漁船による違法操業が続いているとして再発防止を求めた。水産庁が平成29年に行った立ち入り検査24件のうち、中国漁船が19件を占める。」

 この記事に対して中国側は次の記事のように反論してます。

★『中国「EEZ内での漁」否定 逃走の詳細「把握せず」』
(FNN.jpプライムオンライン 2018/12/27 18:12)

「中国漁船が水産庁の職員を乗せたまま逃走した問題で、中国側が反論。
—–中略—–
そのうえで、水産庁の職員が乗船して検査したことに対し、「強烈な不満を表明する」と反発し、日本に対し、「日中漁業協定を順守するよう求める」と述べた。

また、漁船が職員を乗せたまま逃走したことについては、「詳細は把握していない」としている。」

 韓国も中国も、何かあると日本側の主張とは真逆の反論をしていますが、日本国民としては、当然日本の政府が言っている事を信じていますが、こうも毎日のように意見が食い違うと、本当は一体何があったのか、知りたくなります。

 それにしても、11月の話が1ヵ月遅れで、しかも、中国側の反論よりも後で報道されているのも腑に落ちません。
 
 さぁ、今日も一日元気で過ごしましょう。

 
徒然草 第百五十九段 〔原文〕

 「みなむすびといふは、絲をむすびかさねたるが、みなといふ貝に似たればいふ」と或やんごとなき人、仰せられき。「にな」といふは誤りなり。

 

 

『現代文』

『「みなむすびというのは、糸の結び目を重ねた結び方であるが、みなと言う貝に似ているから言う」とある高貴な人が仰った。「にな」と言うのは間違いである。』

 

 

『結』

 またまた、辞書の出番です。『みなむすび』を引いてみますと、
 「組みひもの結び方の一つ。公家くげの「うへはかま」や「几帳きちやう」の装飾に用いたもの。「になむすび」とも。」
(出典:学研全訳古語辞典 学研.)
 と書かれています。

 ただ、「蜷」の文字は、『みな【蜷】ニナの別名。』(出典:大辞林第三版 三省堂.)となっています。

 どうもここで言われている「蜷」は、「カワニナ」と呼ばれている巻貝の事だと思われます。その巻貝に似ていると言っているのですね。

 また、現在では、音読みは『けん』、訓読みが『にな』(出典:漢字ペディア 公益財団法人 日本漢字能力検定協会.)となっています。

 辞書で調べる限り、『にな』の方が正しいように思いますが、鎌倉時代の末期では、『蜷』を『みな』と呼んでいたのかも知れません。

 兼好法師は、この高貴な人の言う事が正しいと言っているのか、それとも、高貴な人が言うのだから間違いはない、と言いたいのか、あるいは、高貴な人が言うのだから、そうしておこうと言っているのか、当時の『蜷』の漢字の読み方が分かりませんので、判断できません。

 ですから、『「にな」といふは誤りなり。』も、意味深長な言葉です。


 蜷結びで紐を結んで見ました。
 
 見る限りでは、巻貝のようには見えませんが、数珠繋ぎに結び目がなっています。

 現在では、レース編みや毛糸の編み方で、鎖編くさりあみと言うようです。

 私は、手で結んでこれを作りましたが、かぎ針を使って編むとすぐに出来るようです。

『装飾用』

 紐の結び方は、日本刀の鞘につける下緒さげおや、文箱についている紐、掛け軸などを巻いたり、下げたりする紐、それぞれに結び方があるようです。

 これも、飾りですが文化でしょう。特に使うためには必要はないと思いますが、昔の物は装飾が凝っていて、風情を感じる事ができると思います。

 意外と人類共通のものかも知れません。ヨーロッパでも、持ち物や置かれているものにある装飾は素晴らしく細工が施されています。

 確かに実用には関係のない事ですが、心に対しての栄養と言うのか、必要な物と思っています。

『実用』

 紐の結び方には、装飾以外にも、現在では合理的な実用に則した結び方が数多くあります。

 中でも自分の身体を縛って、人に引っ張ってもらう場合に結ぶ方法は、小学生の時に、カブスカウト(ボーイスカウトの下部団体)で覚えました。これは、縛っても自分の身体を締め付けない方法で、覚えると数秒で結ぶことができます。人に助けてもらう時、ロープを投げてもらい、瞬時に自分の身体に結びつけ引っ張ってもらいます。結び方の呼称は覚えていませんが下の写真の要領で結びます。

 もう一つは、運送屋さんがトラックの荷台に荷物を積んでロープをかけて結ぶ方法です。これは、覚えていると何かと便利です。と言っても私のように何回も引越しする事もないですか。今は、引っ越し屋さんが全部やってくれますね。一応写真を添えておきます。(11)の輪っかをトラックの荷台のフックに架けます。(11)の場合は、左手のロープを引く、(12)の場合は右手のロープを引くと、ロープが締まります。