文武両道のために・・・・『徒然草』を読んで見る。【106】

 今日の文字は『みみ』です。「壁に耳あり障子に目あり」の耳です。書体は行書です。今日読んで見ようと思う、『徒然草 第百五段』を読んで見て、感じた文字です。

原文 現代文を見る

 
★『キャリア官僚、出世望めなくても…「定年まで勤務」急増』
(朝日新聞デジタル2018/11/04 05:09)

 「定年退職する国家公務員の割合が増えている。内閣人事局の退職手当のデータなどを元に朝日新聞が集計すると、最新の2016年度は全退職者の58%と、07年度より約20ポイント増えた。天下り禁止などで再就職しづらくなった影響とみられ、人員構成の高齢化につながっている。・・・・・以下略」

 官僚と言うのは、日本で一番良い大学をでて、一番頭の良い人がなる仕事だと思っています。

 違った面から見ると、彼らは、生きる事に精通していると考えられます。自分が、家族が、一族が、最も豊かで幸せな人生を過ごせる能力を持っているのでしょう。

 私のような凡人の仲間のように、右往左往しながら生きる必要のない能力を持って、生まれてきたと思います。

 ここで数字に上がっている国家公務員の中で、官僚と言われている人は、僅かかも知れませんが、天下り禁止の言葉を見ますと、人員構成の高齢化の原因を作っているのは、この官僚と言わざるを得ません。

 この天下りの仕組みも、自分たちの人生設計のために、彼らが作り上げたモデルだったのでしょう。

 であれば、人員構成の高齢化があったとしても、モチベーションを定年まで持続しかつ、若い人材が活躍できるライフワークモデルとでも言える仕組みを作れるのではないかと思います。

 自己中心的な考えを捨てて、と言っても、頭の良い人は、利益誘導に長けている人達です。人生が繰り返す事の出来ない事を、肌で感じとる事の出来る人達です。

 ですから、あくまでも自分の人生を優先するために、能力を発揮する事のできる人達ですから、それを逆に生かす方向に向ければどうでしょう。

 その恩恵を、私達凡人が受けると言うのは、虫が良すぎるでしょうか。
 
 さぁ、今日も一日元気で過ごしましょう。

 
徒然草 第百五段 〔原文〕

 北の家陰に消え殘りたる雪の、いたう凍りたるに、さし寄せたる車のながえも、霜いたくきらめきて、有明の月さやかなれども、くまなくはあらぬに、人離れなる御堂の廊に、なみなみにはあらずと見ゆる男、女と長押なげしに尻かけて、物語するさまこそ、何事にかあらん、盡きすまじけれ。

 かぶし・かたちなど、いとよしと見えて、えもいはぬ匂ひの、さと薫りたるこそ、をかしけれ。けはいなど、はづれはづれ聞こえたるも、ゆかし。

 

 

『現代文』

 まず、我流で現代文にしてみましょう。

『北の家の陰に融けずに残る雪がすごく凍り、寄せてある車の轅にも霜がいっぱい煌めき、夜明けの月がよく見えるし、物陰でもない所に、誰も居ない御堂の廊下で、ただ者ではない男が、女性と長押なげしに腰を掛けて、話している。何の話をしているのだろう。話しが終わる様子もない。

 頭の形や容貌が大変美しく見え、なんとも言いようのない香りがさっと薫のも趣がある。気配がし、時々声が聞こえるが、はっきり聞きたい。』

 

 

『耳』

 兼好法師は、神出鬼没に、どこにでも、どんな時間にも現れます。まるで、ストーカーの様であったり、プライバシー侵害ではないですかね。

 雪が降り積もり、霜が凍てつくような夜中に、しかも、「有明の月」と言うのは、夜が明けても月が見える状態を言うと思いますので、夜の間、ずっと陰に隠れて、二人の男女の様子をうかがっていたのでしょうか。

 もし、これが作り話ではなく、実話だったとしたら、兼好法師は病気ですよ。何が、出家、遁世でしょうか。ただの覗き趣味のように思ってしまいます。

 初めにこの文章をさらっと読んだ時に、「壁に耳あり障子に目あり」注意しなさいよ、お二人さん、と思ったのですが、ここまで行くと、兼好法師の方が犯罪者だと思ってしまいました。

 ちなみに、現在でも、この行為が犯罪になるかと言うと、ならないのかも知れません。この長押なげしに座っている二人の男女は、何も隠している様子はうかがえません。迷惑防止条例違反や軽犯罪法違反、住居侵入罪などにもあたらないので、困ったものです。

 それとも、鎌倉時代の末期と言うのは、のぞきは、奨励されていたのでしょうか。そ~んなことは、ないよ、ね。と思います。

 これ以上この話、ついて行けません。このブログを始めて、最低文字数だと思います。