今日の文字は『妖怪』です。書体は行書です。今日読んで見ようと思う、『徒然草 第八十九段』を読んで見て、感じた文字です。
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妖怪
★『菅井七段、異例の反則負け 駒を飛び越え角動かす 将棋』
(朝日新聞デジタル2018/10/18 23:03)
「大阪市福島区の関西将棋会館で18日に指された将棋の名人戦B級1組順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)で、菅井竜也七段(26)=前王位=が相手の駒を飛び越える形で角を動かし、反則負けとなった。B級1組は実力トップ10の棋士が名人挑戦権を争うA級に次ぐクラスで、大舞台での反則負けは異例だ。」
こんな事が起こるのですね。将棋は駒の動かし方くらいしか知りません。子供の頃は、時々父親と将棋をしましたが、飛車角落ちなんてものではなく、歩兵三枚と王将だけが父の陣地にあり、こちらは、全部の駒を並べて、あっさり負けてしまいました。
よほどの緊張感があったのでしょう。油断大敵と言うのか、普通では考えられないミスです。
例えば、歩く時に同じ側の足と手を同時に出すぐらいの感覚です。それとも、歯ブラシに歯磨き粉をつけて、目を洗ってしまうようなものでしょうか。それぐらいのミスだと思います。
それとも、巨人の元監督、長嶋茂雄さんが、靴ひもを結ぶのに前にある机に気が付かず、頭を強打したような話と同じでしょうか。
さぁ、今日も一日元気で過ごしましょう。
徒然草 第八十九段 〔原文〕
「奧山に、猫またと云ふものありて、人を食ふなる」と人のいひけるに、「山ならねども、これらにも、猫の經あがりて、猫またになりて、人とる事はあなるものを」といふものありけるを、なに阿彌陀佛とかや連歌しける法師の、行願寺の邊にありけるが、聞きて、「一人ありかむ身は心すべきことにこそ。」と思ひける頃しも、ある所にて、夜ふくるまで連歌して、たゞ一人かへりけるに、小川の端にて、音に聞きし猫また、あやまたず足もとへふと寄り來て、やがて掻きつくまゝに、頚のほどを食はんとす。肝心もうせて、防がんとするに力もなく、足も立たず、小川へ転び入りて、「助けよや、猫また、よやよや」と叫べば、家々より松どもともして、走り寄りて見れば、このわたりに見知れる僧なり。「こは如何に」とて、川の中より抱き起したれば、連歌の賭物とりて、扇小箱など懷に持ちたりけるも、水に入りぬ。希有にして助かりたるさまにて、這ふ這ふ家に入りにけり。
飼ひける犬の、暗けれど主を知りて、飛びつきたりけるとぞ。