文武両道のために・・・・『徒然草』を読んで見る。【89】

 今日の文字は『珍』です。今日読んで見ようと思う、『徒然草 第八十八段』を読んで見て、感じた文字です。

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★『台風影響?全国で桜開花=芽の成長抑える葉落下-民間気象会社に情報354件』(時事通信社 2018/10/18 05:55)

「全国各地で桜が季節外れの開花-。北海道から鹿児島にかけて39都道府県で、ソメイヨシノが開花していると、民間気象会社ウェザーニューズ(千葉市)が発表した。記録的な猛暑で弱った葉が、相次いだ大型台風による強風や塩害で落ちるなどし、花になる芽の成長を抑える植物ホルモンの働きが弱まったのが原因とみられるという。ただ、開花は非常に限定的で、来春の花見への影響はないとみられる。

 同社によると、今月9日ごろから「春に咲くはずの桜が咲いている」という報告が届き始めた。同社が12日から14日にかけ緊急調査したところ、39都道府県から計354件の開花情報が寄せられた。関東南部や東海・近畿エリアが多く、内陸部もあった。

 桜の名所づくりなどを進める「日本花の会」(東京都港区)によると、桜の花芽は7月ごろにできる。この際、付け根にある葉が、花芽の成長を抑制する植物ホルモン「アブシシン酸」を送り込むため、通常は秋に開花することはない。

 しかし、今年は記録的な猛暑に加え、9月に相次ぎ上陸した台風21、24号による強風や塩害で葉が落ちたり枯れたりしたため、ホルモンの働きが弱まり、気温に反応して開花したとみられる。」

 このニュース、10日程前に聞きました。高知でも、台風が過ぎ去った後に桜が咲いた模様です。世の中狂い咲きかも知れません。

★『安倍昭恵さん、NYでホテル抜け出し危険地域で盛り上がる』
(NEWSポストセブン2018/10/18 07:00)

「昭恵さんにとって外遊は、“自由気ままにお酒を飲める場”なのかもしれない。」 

 これまでも、物議を醸している、夫人ですが、安倍総理は、心の大きな人ですね。少なくとも在任中は、大人しくしてほしいと思うのですが、これが日本の現在を象徴しているのかも知れません。

 さぁ、今日も一日元気で過ごしましょう。

 
徒然草 第八十八段 〔原文〕

 或者、小野道風の書ける和漢朗詠集とて持ちたりけるを、ある人、「御相傳浮けることには侍らじなれども、四條大納言撰ばれたるものを、道風書かむこと、時代や違ひはべらむ、覺束なくこそ」といひければ、「さ候へばこそ、世に有り難きものには侍りけれ」とていよいよ秘藏しけり。

 

 

『現代文』

 まず、我流で現代文にしてみましょう。

 『ある者が小野道風おののとうふうが書いた和漢朗詠集を持っていた。
 
 ある人が「伝承されたものがいい加減とは言わないが、四條大納言が撰ばれた道風が書くというのは、時代が違うだろう、疑わしい」と言えば、「だからこそ、世の中で滅多にないものだ」と言って、ますます大切にした。』

 

 

『珍』

 和漢朗詠集と言うのは、藤原公任ふじわらのきんとうの撰と言われていますが、藤原公任ふじわらのきんとうは966年-1041年の人です。藤原行成ふじわらのゆきなり(972年-1027年)が清書したと言われています。とすると、確かに小野道風おののとうふう(894年-966年)が書いたと言うのは、間違いでしょう。

 小野道風おののとうふう藤原行成ふじわらのゆきなりは、藤原佐理ふじわらのすけまさ(944年-998年)と共に、書道の世界では三蹟と言われる程の達筆ですから、三蹟の一人と伝えられたのを間違っての事かも知れません。

 しかし、その言い訳がふるっています。「さ候へばこそ、世に有り難きものには侍りけれ」と、和漢朗詠集の持ち主は言ってのけています。

 書く事の出来ない人が書いているのだから、これは珍しいと言っているのですが、「ん?」となりますよね。

 まるで落語みたいですね。

 落語と言えば「火焔太鼓」と言うのがあります。その冒頭部分に次のようなやり取りがあります。

「火焔太鼓」

 前略———-
[客]邪魔するよ。どうだい、何かいいの、入った?
[道具屋]いらっしゃい。いやぁ、もう何もないんですよ。いいのはあぁたが全部持ってっちゃうから。あたしゃ、他のお客から責められっぱなしなんですよ、ははは...そうだねぇ...古い時代の手紙なんてのはどうです?
[客]お、手紙。いいねぇ。巻き紙に墨で書いた手紙なんてのは額に入れて飾るとたいそう映えるものなんだよ。で、どんな手紙?ちょっと見せておくれ
[道具屋]時代は古いですよ。なんせ小野小町が清水の次郎長にあてた恋文ですから
[客]ああ、そりゃぁ面白いねぇ! 小野小町から清水の...って、時代がぜんぜん違うじゃないか! そんなものあるわけないだろ!
[客]ええ、そりゃもう。めったに無いから値打ちがあるんですよ
———後略
〔引用元:「東西落語特選」URL:http://www.niji.or.jp/home/dingo/rakugo2/view.php?file=kaendaiko〕

 火焔太鼓の最後の「落ち」と言うのか「さげ」は、「半鐘はんしょう」が出てくるのですが、ここでは上の話がぴったりなので取り上げました。

 落語の発祥は、江戸時代の元禄時代と言われていますので、もしかしたら、この話、徒然草の第88段が元になっているかも知れません。

 今でも書画骨董には、オークションで思いもかけない値段が付くものです。お金持ちが道楽でお金を使うのは結構ですが、本当に値打があるのか、分かりません。

 子供が書いた絵に何億円も価値があると言うのは、まだ可能性はあると思うのですが、動物が描いた絵に値段がつくのも、やっぱり、「さ候へばこそ、世に有り難きものには侍りけれ」と、 現在でも珍しい物が珍重されるのでしょう。

 これも、好みになると思いますが、絵にしても、前衛的なもの、抽象的な物より、写実的な物が好きです。例えばピカソでも抽象的な物を書く前の絵が好きです。

 書道も、前衛的なものや、奇を衒って、心を現わしているとかの評価がある物より、字として分かる物で、誇張がないものに惹かれます。

 ジャンルを分ければ良いと思うのですが、タイトルなど誇張して墨と筆を使って書く場合は、デザインとしては優れていると思うのですが、書道とは、言い難いと思っています。

 心が狭いのか、それとも、芸術と言うものに理解が薄いのかも知れません。