中学校で習う漢字三体字典 Part99

 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

491. [][ショウ][画数:14画][部首:彡]

往察来』

 ここでも、「温故知新」が思い出されますが、すこしニュアンスが違うように思いました。
 「温故知新」の場合は、温めてとありますから、たずね求めと解釈できます。『往察来』の場合、彰、すなわち明らかにする事です。
昔の事を明らかにしてと、たずねる事とは、少し深さが違うように思います。
 どちらも大切な未来予測のいとぐちになりそうですが、昔の事は、明らかでない場合が多いですから、まず研究分析する必要がある場合があると思います。
 この言葉も「温故知新」と並べて覚えて置く必要がありそうです。

楷書 行書 草書

492. [][ショウ][あこが-れる][画数:15画][部首:心]

れ歩く』

 夢遊病者のように、ふらふらとさまよい歩くのでしょう。しかし、これは病気には近いですが、恋の病かも知れません。
 源氏物語に「かの院の内にあくがれありかば、結びとどめたまへよ」と、その様子が書かれた文章もあります。
 しかし、後5年も経つと、五人に一人が認知症を患うという報告がありました。
 もしかしたら、恋煩いではなく、認知症の患者が増えて、町を徘徊する人がいるのかも知れません。

楷書 行書 草書

493. [][ショウ][画数:15画][部首:行]

『言々 肺腑はいふく』

 こんな言葉が出てくる人は、きっと語彙が豊富で、人生経験が人並み以上あり、人の事を自分の事のように考える事の出来る人でしょう。
 一言一言に誠意が感じられ、説得力があり、その言葉を聞くと感動さえ覚えるような人の言葉ってありますね。
 そんな言葉を一言でも言えるような人に成りたいと思います。

楷書 行書 草書

494. [][ショウ][つぐな-う][画数:17画][部首:人]

『減価却』

 これは会社などで、大きな買い物をした時に、その年に全てを計上してしまうと、赤字になってしまうから、分割して計上する方法です。
 企業の場合は、赤字になると先の見通しが暗くなります。赤字になったら倒産かと言うと、そうではありません。赤字は繰り越す事ができます。しかし、そんな状態をあまり公にはしたくないのが人情です。
 特に銀行などは損益計算書の売上総利益、営業利益、経常利益、税引き前利益、税引き後利益を見て赤字か黒字かを判断します。
 売上総利益は、売上から直接の原価を控除した利益になりますから、これが赤字にならないよう減価償却を分割する必要があるのです。
 いずれにしても、大きな買い物をする時には、その事により増収増益が見込めるものを買わないとなりませんね。

楷書 行書 草書

495. [礁][ショウ][画数:17画][部首:石]

『珊瑚礁』

 珊瑚礁と言っても、裾礁、堡礁、環礁の三つあります。珊瑚は生物です。しかし、そのものが作り上げた地形の事を珊瑚礁と呼んでいます。
 テレビなどでよく見るのですが、珊瑚礁は、色々な生物の産卵場所であったり、住処にする生物もいます。また酸素を吐き出しますので、陸地の森林と同じ役目をしていると言えます。
 ただ、白化して死滅するものが、色々の原因で増えています。珊瑚は動物ですが、その動物が地形を形作っているのですから、不思議な生き物ですね。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の491.~495.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【彰】彡部(さんぶ)・さんづくり・けかざり・かみかざり
  2. 【憧】心部(しんぶ)・こころ・りっしんべん・したごころ
  3. 【衝】行部(こうぶ)・ゆきがまえ・ぎょうがまえ
  4. 【償】人部(じんぶ)・ひと・にんべん・ひとがしら・ひとやね
  5. 【礁】石部(せきぶ)・いし・いしへん

 ・・・・つづく。