中学校で習う漢字三体字典 Part63

 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

311. [][コウ][さら][ふ-ける][ふ-かす][画数:7画][部首:曰]

『自力生』

 昭和農業恐慌を立て直すために起こった、自力更生運動が元々の意味だったと思うのですが、今や社会主義国のスローガンとされているようです。
 確かにこの恐慌も国全体からみると一部であっても、各自治体が独自の政策を打ち出さないと、解決を見ないのかも知れません。
 現在は自由主義国が大きな力を持っていますのです、社会主義国から見ればどうしても排他的になりやすく、自由主義の国の力を借りる事はできないのでしょう。
 ですから、自力で発展しようとするのだと思います。自力で発展しようとする事は大切だと思うのですが、何も自由主義の国を敵対する必要はないと思うのですが。
 これは、あくまでも私見であり、勝手な憶測にすぎません。

楷書 行書 草書

312. [][コウ][画数:8画][部首:手]

『 禁反応 』

 これは精神障害の一つで、長い間刑務所などで身柄を拘束されている場合に起こるとされています。
 神経症・鬱状態・幻覚・妄想などの症状が現れるそうです。
 現在の会社でもある意味そんな拘束状態なのかも知れません。神経症や鬱病、ある意味では妄想などもあるかも知れません。
 ただ、何かに拘束されていなければ、人間は生きて行けないのかも知れませが、度を超すとこの束縛に耐えられなくなるのでしょう。 

楷書 行書 草書

313. [][コウ][画数:8画][部首:肉]

こうけいに当たる』

 なかなか、この言葉のように、物事の本質をずばり言ったり、したり出来ないものです。
 その本質を見付け、身に付ける事が修行と言うものでしょう。
 何度か本質を見極めた気持ちになった事はありますが、それは束の間の夢に終わってしまいます。
 また譬えそれが本質であっても、直ぐに自分の手の内から逃げ出してしまうのも、本質や極意の性質かも知れません。それとも、自分が変化しているのでしょうか。
 最近は自分が変化している事を十分認識できる歳になりました。

楷書 行書 草書

314. [][コウ][画数:9画][部首:人]

拾芥かこうしゅうかい

 なぜこんなに難しい言葉なのでしょう。難しいはずでした。夏侯かこうと言うのは人の名前ですから、読んですぐわかる筈はありません。
 もちろん、次の拾芥しゅうかいも解りませんので、辞書のお世話になりました。ゴミを拾う事だそうです。
 「夏侯勝は講義を行うたびに、学問をしっかりと修めてさえいれば、官職を得ることは道のごみを拾うくらいに簡単なことだと言い聞かせていたという故事から。」【出典:四字熟語辞典ONLINE.】とありますから、生徒に対してだけではなく、自分に対しても言っていたのかも知れません。
 官職を今の職業に当てはめれば、要職に就くと言う事だと思います。要するに出世すると言う事でしょう。
 ただ、学問を究めても、出世できるとは限りません。「孔子も時に遇わず」と言うではありませんか。そう考えると運命論も捨てたものではないかも知れません。

楷書 行書 草書

315. [][コウ][画数:9画][部首:心]

産なき者は心なし』

 「衣食足りて礼節を知る」と言うように、一定の財産がない場合や、何か生活するための職業に就いていなければ、落ち着いた物の考えが出来ないと思います。いや心が休まる事も無いでしょう。
 まず生きて行かなければなりませんから。
 この生きて行くと言うのが問題ですが、戦後すぐの時代では全体が裕福ではなかったので、そんなもんか、で済みました。
 今は皆が裕福になったので、やはり人並みに生活したいと思うのが人情でしょう。
 沢庵和尚や俳人の種田山頭火のような人は、今では、いや、昔でも稀だったのかも知れません。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の311.~315.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【更】曰部(えつぶ)・ひらび・いわく
  2. 【拘】手部(しゅぶ)・て・てへん
  3. 【肯】肉部(にくぶ)・ニク・にくづき
  4. 【侯】人部(じんぶ)・ひと・にんべん・ひとがしら・ひとやね
  5. 【恒】心部(しんぶ)・こころ・りっしんべん・したごころ

 ・・・・つづく。