中学校で習う漢字三体字典 Part53

 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

261. [][ゲイ][むか-える][画数:7画][部首:辵]

阿諛あゆげいごう

 人は好むと好まざるに関わらず、相性と言うものがあるのでしょうか。
 好きな人と、嫌いとまでは行かないですが、そんなに好きでもない人、また見るからに嫌いな人もいます。
 そんな時に、相手に気に入られようと、すり寄って行ったり、媚びたり、御機嫌取りに躍起になる人がいます。
 確かに上に立つ人の中には、まわりをイエスマンで固めようとする人がいますし、疎遠よりも毎日傍にいる人を重用するのも仕方がないのかも知れません。
 しかし、何かの目的の為に会社や団体が存在したりしますので、えり好みしているのもどうかと思います。目的達成に必要な人材を重用するべきだと思うのですが。

楷書 行書 草書

262. [][ゲイ][くじら][画数:19画][部首:魚]

『鰯網で捕る』

 そりゃ、捕れないですよね。と、思います。漁業には詳しくありません。
 この諺は、あり得ない時に言いますが、思わぬ幸運を得た時にも使う言葉です。
 そんな幸運に恵まれる事も無かったと思うのですが、もしかしたら、当然と思っていた事も、幸運だったのかも知れません。

楷書 行書 草書

263. [][ゲキ][すき][画数:13画][部首:阜]

駟のを過ぐるが若ししのげきをすぐるがごとし

 「駟」の漢字が解りません。で、いつものように辞書のお世話になりました。「四頭立ての馬車」【出典:ことわざ辞典ONLINE.】だそうです。この諺の意味も書いてありました。「時の流れは、四頭立ての速い馬車が走って行くのを、戸の隙間からのぞき見るのと同じようにあっという間に過ぎ去っていくという意から。」
 「光陰矢の如し」と同じですね。歳と共に月日の経つのは思っていたよりも早く感じています。
 ついこの前、と言うのが10年単位になっていますから、小学校の6年間とは時計が違うのかと思うほどです。場合によっては30年前の事を、この前、と言っている事がありました。

楷書 行書 草書

264. [][ゲキ][う-つ][画数:15画][部首:手]

『雉も鳴かずばたれまい』

 現実にも雉が鳴くと、雉撃ちはこれに気が付いて、撃ち落とすのでしょうね。
 しかし、この諺は、雉が鳴かなければ、と言う所が重要です。雉は無くなくても良い所で鳴いてしまったのでしょう。
 これを人間に当てはめると、余計な事を言わなければ、となります。私のように無駄口の多い者は、注意する必要があります。

楷書 行書 草書

265. [][けた][画数:10画][部首:木]

『井崩し』

 この言葉で有名なのは、甲野善紀氏ですね。身体技法の研究家と言うのか、古武術研究家と言えば良いのか、研究熱心な人の一人です。私よりも幾つか若い人ですが、一つの分野を確立した才能豊かな人だと思います。今では介護の分野でも活躍されています。
 人間の身体が安定を保っている状態から、不安定にすると意外と簡単に崩す事ができる、丁度長方形から平行四辺形になる時には、どの一片の長さも変わらないのですが、形が変わります。その為の力の方向を研究したようです。
 崩そうとする逆の方向に働きかけると言うのが、ポイントだと言う事です。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の261.~265.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【迎】辵部(ちゃくぶ)・しんにょう・しんにゅう
  2. 【鯨】魚部(ぎょぶ)・うお・さかな・うおへん
  3. 【隙】二部(にぶ)・ニ
  4. 【撃】手部(しゅぶ)・て・てへん
  5. 【桁】木部(もくぶ)・き・きへん

 ・・・・つづく。