中学校で習う漢字三体字典 Part51

 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

251. [蛍][ケイ][ほたる][画数:11画][部首:虫]

雪案蛍窓せつあんけいそう

 「刻苦勉励」・「孫康映雪」の四文字熟語を挙げた時にも、蛍の光を取り上げました。この熟語も同じように蛍の光と窓の雪によって勉強する事を例えています。
 実際に本を読めるほどの光が灯るのか、実験はしていませんが、昔の夜は本当に暗い中で生活していたようですから、僅かの光を頼りに勉強したのかも知れません。
 それにしても、学校の勉強をまったくして来なかったので、今更ながら、もう少し勉強が好きだったらと、つくづくこの歳になって思います。

楷書 行書 草書

252. [傾][ケイ][かたむ-く][かたむ-ける][画数:13画][部首:人]

阿諛傾奪あゆけいだつ

 権力者に媚びを売って地位を得るだけならまだしも、権力者の地位を利用して、他人を失脚させるなど、人間としてどうなのかと思います。
 世の中で言われる社交術も、案外そんな節が見られます。
 人を押しのけて自分が出世してしまう事もあると思います。それが自分の実力なら、それは仕方がないかも知れません。
 しかし、何か策略を巡らして、あるいはズルく立ち回ってその地位を得たとしても、実力が無ければ何の役にも立たないと思います。

 まして、他人の権力を利用して、人を蹴落とすなんて、まるで「虎の威を借る狐」のようです。そんな生き方だけはしたくないと思います。

楷書 行書 草書

253. [][ケイ][たずさ-える][たずさ-わる][画数:13画][部首:手]

帯電話』

 携帯電話の歴史はすさまじい物があります。生まれた時から携帯電話があった年代の人は、携帯電話がある事は当たり前なのでしょうが、携帯電話が本格的に庶民の手の届く物になったのは、私から見るとつい最近の事です。
 一応大きさは手のひらサイズと言われていますが、持つ事が出来る無線電話が登場したのが1987年です。しかし、この時の重さは900グラム。決して軽いとは言い難いものでした。
 直ぐに現在のガラケーと呼ばれるような携帯電話になり、相次いで凄まじい進化を遂げ、現在のスマホにまでなったのだと思います。
 その間、僅か32年、先日ここに書きましたが、ジム・ハインズが100m走で10秒の壁を破った年が1968年です。
 これを0.37秒縮めるのに41年かかっている事を考えると、目を見張る進歩だと思います。
 100m走と技術の進歩を比べても仕方がないと、叱られそうですが、私にとっては、あっと言う間の出来事でした。
 もし、あの時に携帯電話があれば、という事も思い出されますが、それは秘密です。

楷書 行書 草書

254. [][ケイ][つ-ぐ][画数:13画][部首:糸]

続は力なり』

 つくづく実感しています。私は27歳の時に、自分の為に「髓心」と言う言葉を作りまし

た。その時、同時に「黙々」と言う言葉も作ったのですが、この「黙々」は継続する事が大切であると思った事から出来ました。どのように継続すれば良いかを考えた結果の言葉です。
 四の五の言わずに続けよう。そんな意味から出来た言葉です。
 案外迷った時に役に立っています。
 額に入った文字は「黙々」です。今書いたばかりです。

楷書 行書 草書

255. [][ケイ][もう-でる][画数:13画][部首:言]

苦心孤くしんこけい

 「全力で努力して、勉学や技術、芸術に精通していること。または、深い知識や豊かな独創性を言い表す言葉。」【出典:四文字熟語ONLINE.】。
 空手道に関しては、少しは努力した期間があったと記憶しています。それでも、ずっとかと言われるとそうではありません。断続的に、気が付いたらやっていたのだと思います。
 ちなみに、学生時代は朝4時から3時間位練習してから学校に行き、昼休みには屋上で、そして夜は7時から11時ごろまで練習していたと思います。
 少しの努力と書きましたが、本当に努力かと言うと、努力をした気持ちはありません。やりたくてやっていたのでしょう。
 会社勤めをしている時も、自分の稽古は朝2時間程度はやっていました。
 最近の記録を見ますと朝2時間程度稽古していました。
 しかし、この苦心孤詣の言葉のように深い知識があるかと言われると、とんでもありません。まだまだ知らない事が多すぎます。
 今書いている書道にしても、とば口についたばかりで、とても誇れるものではないと思います。このブログに毛筆の文字を書いて載せていますが、これは毎日少しでも筆を持つ必要がある方が、上手くなれそうな気がしているからです。それにしても、難しいですね。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の251.~255.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【蛍】虫部(きぶ)・むし・むしへん
  2. 【傾】人部(じんぶ)・ひと・にんべん・ひとがしら・ひとやね
  3. 【携】手部(しゅぶ)・て・てへん
  4. 【継】糸部(べきぶ)・いと・いとへん
  5. 【詣】言部(げんぶ)・ことば・ゲン・ごんべん

 ・・・・つづく。