中学校で習う漢字三体字典 Part49

 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

241. [][く-る][画数:19画][部首:糸]

『歴史はり返す』

 歴史の小説を詳しく読んだ分けでもなく、歴史を研究した訳でもない者が、検証できる訳もないのですが、今まで生きて来た経験から考えると、若い頃は、確かに歴史は同じ事を繰り返していると思った事もありました。
 では、最近はと言うと、少し違う気持ちを持っています。確かに「温故知新」と言われるように、古い出来事から学ぶべきことは数多くあると思いますが、近頃の時代の流れは、学んでいる間もないくらいの速さで進んでいるように思います。
 一つだけ思うのは、戦争だけは繰り返さないようしたいものだと思っています。いや願うだけです。

楷書 行書 草書

242. [][クン][画数:15画][部首:力]

『叙

 現在、日本の叙勲制度は1875年の「勲章従軍記章制定ノ件」(太政官布告第54号)公布によって開始されたとされています。
 その年の色々な事情、災害などを考慮して決められているようですが、私が聞いたところでは、大きな団体に毎年割り当てがあり、推薦するらしいのです。
 木枯し紋次郎のセルフではありませんが、「あっしには関わりのないことでござんす」の通りまったく関係ありません。
 それでも、若い頃一緒に稽古した仲間が以前に叙勲を受けたそうです。ある所に「身の周りに叙勲・褒章を受けるという方がいるとすれば、滅多にない名誉な出来事ですので、すぐにでもお祝いをしてください!」と書かれてあります。
 残念ながら、私にはそんなに名誉な事とと思えませんので、お祝いは送りませんでした。私がひねくれ者でしょうね。

楷書 行書 草書

243. [][クン][かお-る][画数:16画][部首:艸]

くんは香を以て自ら焼く』

 この諺、面白いと思いました。うまく香を取り上げたと思います。蝋燭では薫りませんし、松明も同じですね。
 薫りを才能と見立てたところが粋ですね。確かに競争の世の中では、上司より才能がある場合は、何かと不遇になる可能性があります。才能が無ければ、結構うまく引き立ててもらって幸運に恵まれるかも知れません
 出る杭は打たれる、とも言われますが、若い時にはそんな余裕はありません。私など、才能もないのに随分目の上のたんこぶ扱いされて来ました。言動が上司に受けなかっただけかも知れませんが。

楷書 行書 草書

244. [][ケイ][画数:6画][部首:刀]

故無小』

 現在の刑法では当然、情状を酌量して刑が確定すると思います。多分この言葉が出来た時は、その辺りが曖昧だったのかも知れません。
 この言葉の意味は、故意に犯した行為は大小関係なく罰を与える必要があると言うのでしょう。
 当然故意に犯した場合は罰せられるべきだと思います。
 しかし、現在では、故意に至るまでの背景も考えたうえで刑が決まると思います。これも、人が人を裁くのですから、必要な検証だと思います。
 何も犯罪だけの事では無く、仕事などの失敗を評価する場合にも当てはまると思います。
 仕事の場合には、故意に失敗する事はないとは思いますが、失敗させる事は考えられます。こんな時には、厳罰で対処するべきだと思います。
 誰にでも失敗はあると思います。しかし偶然に起こった事で責任を問われるのも、本人は釈然としません。反ってやる気を無くしてしまう事にもなるでしょう。

楷書 行書 草書

245. [][ケイ][くき][画数:8画][部首:艸]

『家柄より芋

 これは、「家柄いえがら」と「芋茎いもがら」の語呂合わせでしょう。
 今は家柄とはあまり考えないと思いますが、要するに経済力を取ると言う事です。
 ただ外国でも日本でも、家柄と言えるのかどうかは分かりませんが、何代も続く名家と呼ばれる家には、それなりの仕来りがあり、躾けや学問にも力を注ぐことが出来る経済力があるのも事実です。
 何より現在重要な役職についている人の家柄は、なるほどと思えるような家系ですね。
 なぜそうなるのか、考えて見ると、付き合う層が一定のレベルの人としか、付き合う機会がないのでしょう。機会がないと言うよりも、そういうグループが自然と出来るのでしょうね。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の241.~245.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【繰】糸部(べきぶ)・いと・いとへん
  2. 【勲】力部(りょくぶ)・ちから
  3. 【薫】艸部(そうぶ)・くさ・くさかんむり・そうこう
  4. 【刑】刀部(とうぶ)・かたな・りっとう
  5. 【茎】艸部(そうぶ)・くさ・くさかんむり・そうこう

 ・・・・つづく。