中学校で習う漢字三体字典 Part47

 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

231. [][ク][か-ける][か-る][画数:14画][部首:馬]

『悪貨は良貨を逐する』

 「質の異なる貨幣が同一の価値を持って流通している場合、良質の貨幣は貯蔵・溶解などで市場から姿を消し、悪貨のみが流通するようになるという「グレシャムの法則」のこと。グレシャムは16世紀のイギリスの財政家。」【出典:ことわざ辞典ONLINE.】。
 とありますが、一般的には「悪がはびこると善が滅びるというたとえ」【出典:故事ことわざ辞典.】に使われる事が多いと思います。
 要するに、人間は易きに流れやすい動物なのでしょう。
 これを孟子の「水の低きに就く如し」と同様に扱うのはどうかと思います。
 性善説を唱えた孟子が言いたかったのは、多分、自然の摂理に随うといった意味で、良い政治を行えば民衆はそれに従うと言いたかったと思います。何も悪い政治を行ってもその政治に従うとは言っていないと思います。

楷書 行書 草書

232. [][グ][画数:11画][部首:心]

『絶滅危 』

 今絶滅の危機にある動植物は、ここに書き切れない程あると思います。
 確かに折角生存している物を、保護したいと思う事を否定する分けではありません。
 しかし、この地球が出来、そして生物が誕生してから、数え切れないほどの生物が絶滅した歴史があります。
 我々の元になるホモサピエンスでさえも、多数の人属で唯一残ったものです。
 それから考えると、いつホモサピエンスと言う種類の人間が絶滅し、新たな人属が現れるかも分かりません。と言うよりも、地球にとって必要ないと思われているかも知れません。
 ですから、人間がいくら保護しようと思っても絶滅して行く物は、絶滅すると思いますし、新たな種が発生するのかも知れません。それが世の習わしなのかも分かりません。

楷書 行書 草書

233. [][グ][おろ-か][画数:13画][部首:心]

固陋蠢ころうしゅんぐ

 固陋には、古いものに固執する意味と、人の言う事を聞かない事や視野の狭い事などがありますが、この場合には、そんな所業から人から馬鹿扱いされるほどかたくなな人を指して言うのでしょう。
 頑迷固陋と言う言葉もありますから、余りにも自分の考えている事を人に押し付けたり、執着するのも考えものです。これは信念では無い事を、知らなければならないとおもうのですが、頑固に正しいと信じている人が、自らこれを覆す事は、難しいでしょうね。
 歳を取ると、体験や経験が正しいと思ってしまうのでしょう。しかし時代も刻一刻と変わります。自分の考えも、時代に合わせて変えて行くようにしようと思います。

楷書 行書 草書

234. [][グウ][画数:11画][部首:人]

感』

 このブログで今は中学生で学ぶ漢字を取り上げて、毛筆で楷書・行書・草書と書いています。
 そして、その漢字を使った言葉を探して、諺や四文字熟語、あるいは名言などを取り上げ、私見を書いています。
 その時にその文字を見て自分の考えや、ふと浮かんだ事を文章にしています。そんな事を偶感と言うのでしょう。

楷書 行書 草書

235. [][グウ][画数:12画][部首:辵]

『孔子も時にわず』

 私の若くしてこの世を去った友人が、ある時「風が吹かないとだめや」と言った事がありました。二人で新幹線に乗って大阪から東京に行く車中でした。
 彼はこのブログでも取り上げた事がありましたが、ある中小企業の社長でした。そして上場を目前に他界してしまったのです。随分無理をしていたのかも知れません。
 この言葉は、如何に孔子と言えども時流や時世に合わずに、生涯不遇であった事から出来た言葉だと言います。
 世界各国を見渡しても、現在は有名な人、特に芸術家などは、正にこの言葉通りの人生だったと思います。私などは真っ先に宮本武蔵が心に浮かびます。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の231.~235.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【駆】馬部(ばぶ)・うま・うまへん
  2. 【惧】二部(にぶ)・ニ
  3. 【愚】心部(しんぶ)・こころ・りっしんべん・したごころ
  4. 【偶】人部(じんぶ)・ひと・にんべん・ひとがしら・ひとやね
  5. 【遇】辵部(ちゃくぶ)・しんにょう・しんにゅう

 ・・・・つづく。