中学校で習う漢字三体字典 Part35

 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

171. [棋][キ][画数:12画][部首:木]

挙棋不定きょきふてい

 この言葉は「優柔不断」と言う意味もありますが、方針が定まっていないために、その場その場で適当な処理をすると言う場合に使うようです。
 優柔不断の場合は、なかなか決断できないのですが、この場合は、よく言えば「機を見るに敏」と言うのは言い過ぎでしょうか。
 方針が定まらないと言うのは、どうかと思いますが、その場に合わせた決断が出来るのであれば、適当であっても結果が良ければ評価されるかも知れません。ただし部下からの信頼性は乏しいかも知れません。

楷書 行書 草書

172. [][キ][画数:13画][部首:木]

『背信義』

 何かリーダーシップを誤解して、自分のやりたいように権力を奮う人も見かけます。こういう人は、信用とか信頼を得る気持ちも無いのかも知れません。
 そして、道義と言うより我が道を行くタイプだと思います。どちらかと言うと、マイペースを通り越して今言われるサイコパスだと思います。
 ただ、今まで私が見てきたリーダーは、概ねそんな人がその地位を得ていたように思います。
 船頭多くして船山に上る、とも言いますから、ある程度は自分本位の手腕が望まれるのかも知れません。

楷書 行書 草書

173. [][キ][画数:13画][部首:殳]

誉褒貶きよほうへん

 世の中で成功した人には、絶賛する評価もありますが、必ずと言って良いほど、酷評を陰で言われたりします。
 しかし、人の言う事に一喜一憂していたら、成功も出来ないのではないかと思います。我が道を行くと言う事は、確かに人の考えと隔たりがあるのかも知れません。
 その違いが成功へ導くのかも知れませんので、一概に批判するべきでは無いと思います。
 それでも、そんな人は、人を人とも思っていないような事を平気でやると思います。多分ですが、人に好かれようとは思っていないのでしょう。目的は一つ、成功させる事ですから。
 そばにいると、ハラハラしますが、それでも、なんらかの魅力があると思います。でなければ、人はついて行かないですから。

楷書 行書 草書

174. [畿][キ][画数:15画][部首:田]

『畿内』

 近畿と言うと、大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・三重県・滋賀県・和歌山県の2府5県(7府県)の事を言うと思うのですが、畿内って何でしょう。
 そこで畿内を調べて見る事にしました。
 畿内と言うのは、京都が中心なんですね、京都が国の中心だったころ、現代の「首都圏」に相当します。
 その頃の名称では、山城国・摂津国・河内国・大和国・和泉国の5つの国の事を言ったそうです。
 山城国は、現在の京都の一部特に南側、摂津国は大阪府の一部と兵庫県の東側、河内国は大阪府の東部、大和国は奈良県、和泉国は大阪府南西部でした。
 先日テレビで聞きかじったのですが、まだ遷都が行われていないので、日本の首都は京都だと言ってました。
 確かに違う番組では、天皇は京都に行かれるときは、行くのではなく帰ると言うらしいのです。
 明治二十二年制定の『皇室典範』で「即位ノ礼及大嘗祭ハ京都ニ於テ之ヲ行フ」と明記されているそうですが、昭和二十二年法律第三号には、場所は書かれていませんでした。
 しかし、世界的に見ると、日本の首都は東京だと思うのですが。
 なんともややこしい歴史がありそうです。

楷書 行書 草書

175. [][キ][かがや-く][画数:15画][部首:車]

『透石』

 ようするに鉱物なのですが、中にはパワーストーンと呼ばれる、身に付けると色々な効能があると言われている物もあります。ダイオプサイドとも呼ばれていますが、まるでキャッツアイやエメラルドのような綺麗な物もあります。
 初めの職業が時計屋でしたが、眼鏡・宝石・万年筆などを扱っていましたので、キャッアイやエメラルドは販売していました。しかし、透石と言うのは初めて知りました。
 スーパーマンの映画にクリプトナイトと言う鉱物が登場しますが、この鉱物が近くにあるとスーパーマンの力が無くなってしまいます。
 逆に能力を高めてくれる物も存在するかも知れません。引き合いに出したのが架空の話では、説得力に欠けますね。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の171.~175.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【棋】木部(もくぶ)・き・きへん
  2. 【棄】木部(もくぶ)・き・きへん
  3. 【毀】殳部(しゅぶ)・ほこづくり・ほこ・るまた
  4. 【畿】田部(でんぶ)・た・たへん
  5. 【輝】車部(しゃぶ)・くるま・くるまへん

 ・・・・つづく。