中学校で習う漢字三体字典 Part32

 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

156. [][カン][かんが-みる][画数:23画][部首:金]

不遠いんかんふえん

 「人の振り見て我が振り直せ」とでも言うのでしょう。どんな失敗でも、自分の事と考える習慣を身に付けると良いと思います。
 記憶が頭の隅にあって、同じ失敗を犯すかも知れません。それでも、対岸の火事と思っているより良いと思っています。
 会社でも道場でも注意を受けているのは、自分では無いから、関係ないと思っている人は、折角素質があっても伸び悩むような気がします。
 何かで成功するには、やはり体験や経験がものを言います。そんな時に、人の経験も自分の事として身に付ける事が出来る人は、やはり一味違う成長を見せると思うのですが。

楷書 行書 草書

157. [][ガン][ふく-む][ふく-める][画数:7画][部首:口]

沙射影がんしゃせきえい

 陰湿ないじめをするニュースを見ます。いじめ自体が良くないのですが、陰湿や陰険な方法で人に害を与えるのはもっと程度が低いやり方と思います。
 人と争うなら、正々堂々と戦えば良いと思います。そうすれば、もしかしたら、その争いが終わった時、ラグビーのようにノーサイドと言う事になるのではないでしょうか。
 後に禍根を残すような争いは、しない事ですね。

楷書 行書 草書

158. [][ガン][画数:8画][部首:玉]

『熟読味』

 読書の方法も、色々あると聞きます。中には読まないで積読とか、途中まで読んで止めるとか、私のように1ページ目で寝てしまうとか。
 この熟語は単に熟読するだけでなく、その内容を味わって考える事ですが、中にはそんな読み方をした本もありました。
 その大半は学校の宿題や、会社の研修など、課題を与えられている場合です。
 できれば、本を読む事に興味が湧き、読んでいる内に、この言葉のように内容を味わえるような読み方をしたいと思います。

楷書 行書 草書

159. [][ガン][画数:13画][部首:頁]

鈍無恥がんどんむち

 信念が無い事は恥なんですね。正しいと信ずるものがない事は、いけない事だと言うのも問題だと思っています。
 最近思うのは、正しい事と間違っている事は誰が、どのようにして決めているのか、そんな事を考えるようになりました。
 一つは家庭での躾けであり、学校や社会での教育だと思います。そしてその背景にある思想であり主義、その根底に宗教観、世界観があるように思います。
 ですから、余りにも正しいと信じるがゆえに排他的になり、宗教戦争が何千年経ってもどこかで起こります。
 もちろん、経済的に追い詰められ、その結果戦争が勃発することもあるでしょう。
 日本人は、ほんの少し前までは、概ね価値観を共有していたように思います。私などはまだそんな価値観を引きづっているようなところもあると思います。
 価値観も多様化して随分月日が経ちました。しかしその価値観はほんとに多様なのでしょうか。
 最近の犯罪者の顔を見ると、自分のした事は法律上は犯罪かも知れないが、自分は間違っていない、そんな風に見えます。
 卑近なところでは、どこかの市長が、まったく悪びれた様子もなく不正の弁解をしていました。
 一昔前のロッキード事件の国会招致では、当時の全日空社長若狭得治氏がテレビに映し出されました。
 その様子は東京帝国大学を卒業後、運輸官僚になり、全日本空輸社長とは思えない程の狼狽ぶりに驚かされた事を覚えています。
 そして、懲役3年執行猶予5年の刑が確定したのが平成4年の事です。しかも、その後も全日空に留まり、会長、名誉会長を歴任しているのですから、どうなっているのでしょうね。

楷書 行書 草書

160. [][キ][くわだ-てる][画数:6画][部首:人]

鶴立かくりつきちょ

 何だか想像してしまいそうな言葉です。鶴の首が長い事と、待ちわびる事が妙に一致します。
 しかも、「企」の意味を調べて見ますと、踵を上げるとありますから、見事な描写ですね。
 丁度文字を数えると7文字ですから、俳句になりませんか。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の156.~160.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【鑑】金部(きんぶ)・かね・かねへん
  2. 【含】口部(こうぶ)・くち・くちへん
  3. 【玩】玉部(ぎょくぶ)・たま・たまへん・おうへん
  4. 【頑】頁部(けつぶ)・おおがい
  5. 【企】人部(じんぶ)・ひと・にんべん・ひとがしら・ひとやね

 ・・・・つづく。