中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。
表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。
ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。
76. [靴][カ][くつ][画数:13画][部首:革]
『隔靴掻痒』
まあ、落語で言えば、二階から目薬のようなものだと思います。痒い所に手が届かない時の何とも言えない、歯がゆさと言うのか、もどかしさは、誰もが体験した事があるのではないでしょうか。
ただ身体が痒いだけではなく、届きそうで届かない、やれそうでやれない、解決しそうで解決しない。そんな事は、生きていると何度もあることだと思います。
例えば、この言葉のような場合は、靴を脱げばいい話ですが、その靴にあたる物が見えないのが現実です。
その現実を直視できるようになれば、案外、この靴同様、解決するのかも知れません。
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77. [寡][カ][画数:14画][部首:宀]
『寡聞浅学』
ちょっとあらたまった場所や人に対して、「寡聞にして存じ上げません」などと言う言葉を聞いた事ありませんか。
過分ではなく寡聞です。この「寡聞浅学」は、同じような意味の言葉が重なって書かれています。「寡聞」も「浅学」も自分の知識の無さや経験の少なさを謙遜していう意味があります。
ここまで謙遜する必要もないのですが、四文字熟語として世間では通用する言葉です。
私は、こんな言葉を聞くと、謙遜には聞こえず、反って自分の賢さを吹聴しているように思ってしまいます。天邪鬼ですね。
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78. [箇][カ][画数:14画][部首:竹]
『箇条書き』
相手に理解してもらう場合、文章と言っても、文学的な表現では通用しない場合があります。
そして、要点があちこちに散らばっているような書き方でも敬遠されます。
そこで、この箇条書きの文章の表現方法が効果的な役割をします。
箇条書きには、ただ文章を短くして、羅列する場合や、前に記号をつけたり、数字を打ったりと、なるべく相手にその要点を理解しやすいようにします。
契約書などは、章・条・項、あるいはその下に号などと、分類して記載しますが、この方法は法制執務という一定の方法が確立されて、継承されているようです。
そんな代表的な書き方が、憲法や法律ですから、本来は読みやすいものであるはずなのですが、昔の言葉で書かれてあるのですんなりとは読めないと思います。
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79. [稼][カ][かせ-ぐ][画数:15画][部首:禾]
『稼ぐに追い抜く貧乏神』
逆の諺もあります。「稼ぐに追い着く貧乏なし」さてどちらが実感できますか。
前に書きましたが、石川啄木の「働けど働けど猶わが生活(暮らし)楽にならざりぢっと手を見る」のように貧乏神に魅入られたら逃げようがないと考えるのか、それとも、一生懸命働けば、貧乏神も寄りつかないと考える方が現実的なのか。
私は、時代の背景や、環境にもよると思います。自分では何とも出来ない事も生きている間には起こるものだと、達観しようではありませんか。
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80. [蚊][か][画数:10画][部首:虫]
『蚤の小便 蚊の涙』
例えるにしても、もうすこし上品な言い方はないものか。と思ってしまいます。
ごくごく僅かな、微小な事を現わしているのですが、この言葉を考えた人は、蚤が用を足す時に観察していたのでしょうか、蚊が叩かれて、涙をこぼしているのを知っていたのでしょうか。
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